Trout Fishing in America (DELL, 1967) 表紙
ブローティガンの図書館 (拙訳)
The Brautigan Library ザ・ブローティガン・ライブラリ
ブローティガンの小説『堕胎、 歴史的ロマンス1966 』に基づき、図書館は '90 年代初め合衆国ヴァーモント州バーリントンに設立された。小説で語られたように、この図書館は出版されない作品のためのものだった。
1996年1月28日付ニューヨークタイムズ・マガジンが、この図書館は閉鎖されたと報じた。集まられた本は公の図書館とインターネットへ移動したらしい。わたしはヴァーモントのインフォメーションに電話をし、ある番号を教えてもらった。しかし電話をかけて受け取ったのは「この番号は現在使われておりません」というメッセージだった。
その後、わたしはこの URL(注:98年以降リンク先不明) を見つけた。わたしのメールへの返事はまだない。噂によると、この(インターネット)図書館は1996年後半に完成するらしい。
現実の図書館はバーリントン(フレッチャー・フリー・ライブラリ)内に置かれることになる。司書の話では、ブローティガンの眼鏡とタイプライター、そして寄贈された原稿の97% が陳列される。そして、まだ認められていない提案だが、マヨネーズびんがブックエンドの役目を果たすことになるらしい。何か追加の情報があったらお知らせ下さい。
あなたの本をブローティガン・ヴァーチャル・ライブラリに。
首席司書 Philip Adams フィリップ・アダムス
自分の詩を本にまとめたことがおありだろうか。多分あなたは、出版は自分の手に余るとためらっているのだろう。しかしやはり誰かと自分の作品を分かち合いたいのではないか。今、それが可能になった。
AHA ! POETRY 内 に、フィリップ・アダムス(イギリス De Montfort University の司書)主催のブローティガン・ヴァーチャル・ライブラリがオープンした。ここにあなたの本のファイルを送ることができる。 棚にそれを並べよう。ここでは人々がその暮らしを言葉に紡いだ本を読み、静かな時間を過ごすことができる。本は可能な限り迅速にリストに加えられる。
このアイディアを得るきっかけは次のようなものだった。
ブローティガン・ヴァーチャル・ライブラリの始まり
ブローティガン作(『 The Abortion: An Historical Romance 1966』)の第1章には、主人公がサンフランシスコ、サクラメント通り 3150 番地にある図書館の管理人であることが述べられている。図書館は1870年に開設され、1906 年の地震を切り抜けて存続する。
ブローティガン作品のこの部分が、図書館を越えた図書館、つまりだれでも本を持ち寄ることができ、決して埃の積もらない本棚という考えを説明してくれるだろう。いかなる本も、棚に静かに納まっていられる限り、受け入れられる。本はデューイ十進分類法によってではないが、きちんと登録される。著者は自分の本が最もくつろげそうな棚を選ぶことができるのである。
ブローティガンの小説には、おもちゃに関するクレヨン描きの本を持って来る子供や、思春期の悩みを書いた本を持ち込む若者、自分の人生を綴った老人などが登場する。そして、全ての本は慎重に保管される。
最近では公立図書館にも近隣の人々が書いた本を置くためのコーナーが設置されることがある。同じ方法をこのAHA!POETRY でやってみよう。ここは出版されていない本のための場所である。
この本棚にあなたの本を置けることを光栄に思う。読者のために我々は本を登録しリストを作る。時間があるなら、ブローティガン・ヴァーチャル・ライブラリ(注:98年以降リンク先不明)で貴重な本に目を通してはどうだろう。
本はいつでもあなたのものである。他の方法で出版することもできる。我々は本が正しい場所を見い出せるように願っている。ブローティガン・ヴァーチャル・ライブラリに本を置くのは、ただそれを皆が読めるようにするためである。
まずは詩の本だけを送るようにお願いしたい。他の形式より未発表作品が多いと思われるので。メールによるダウンロードが可能な形で送信いただきたい。
登録方法は以下の通り。
(中略)
現在、このサービスは無料である。
Jay Boyer, Richard Brautigan
(Boise State University 1987), pp 5-6
(拙訳)
updated 10/10/04