by ザ・ナイトウォーカーズ

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Night Walkersの始動
今年も樹液採集の時期がやってきた。我々ナイトウォーカーズは兵庫県南部を主な活動地とするユルい採集グループである。何がユルいって、会員不特定、会則なし、会費なし、普通種のみ、だいたい5〜6月だけ、団旗↑だけあるという具合でテキトーなのである。ところがこのテキトーな集団に初めての危機が訪れた。隊長:涼の父が佐世保に転勤となったのである。ここのところ大きく飼育方面に傾倒していたとはいえ涼父の求心力は衰えず、我々の支柱であったのだが…。 このようにプレシーズンから苦しいスタートとなったが、今年は6月8日の夜を本番採集日と想定し、ヒラタクワガタをメインターゲットとして下見を開始したのである。
今春の異様な暖かさから、誰しも早い樹液の出とクワの登場を期待した。ベランダ飼育のヒラタは4月の上旬から出てきてゼリーを食べているではないか。ところが野生のクワガタはゴールデンウィークをしっかりお休みになり、例年通りノソノソと出てきたのであった。ではシーズンの立ち上がり具合を見ていこう。


山あり谷ありの下見会
5月12日、フランス出張から帰国したtsuu3は、長男と西神戸の樹液を視察、今期初となるヒラタ3♂をゲット。すべて擦り切れた越冬成虫だったが、tsuu3の一番乗り〜!
5月22日、コダックからの携帯電話の急襲を受けたリュージョンは、会社の仕事もそこそこに採集に同行することになった。涼の父と入れ替わるように4月に横浜から大阪に転勤となったコダックは、「熱血の採集家であるらしい」「関西のヒラタとミヤマに燃えている」という僅かな情報とともにNight Walkersに参加を表明していた。初対面であったが宝塚の駅前で5mの捕虫網を振り回すリュージョンのアホ姿をコダックが見落とすはずもなく、まずは近場のクヌギへ向かった。例年最初に採れ始める木をコダックに見てもらうが、樹液がかすかに滲む程度でクワの姿が無い。林の奥へ行っても樹液がまだだ。戻って移動する前にもう一度リュージョンが最初の樹洞を見ると大きなハサミが突き出している。「ヒラタ大きいですよ」「え?どこですか?」やっと見つけたコダックが大型ピンセットで抜き出すと66mmの良型♂であった。スタートから感激だ。その後ネブトを追加して西宮に移動した。こちらは3ヶ所回ったが、どこも溢れる程の樹液の出方にクワの発生が追いついていない感じだった。54mm・50mm・33mmとヒラタ♂を追加して終了した。コダックの服には樹上から落ちてきた樹液があちこちに付いていて、車の中に臭いがぷ〜んと漂っていた。
5月25日はリュージョンが単独で下見採集を行った。雑木林のクヌギから河畔の柳・アキニレまで、普段は見逃してしまうような場所を舐めるように回ると、60mmを筆頭にヒラタ12頭(10♂2♀)を得た。柳のシロスジカミキリは既に羽化しており、その脱出口などから出る樹液にヒラタが居たのだ。このとき気が付いたのだが、柳は直径15cmぐらいまでの、まだ樹皮に青みが残ったような若木が良いということだ。そんな若木の方が傷が多くあちこちに樹液が滲んでいたり樹皮めくれが有ったりするのだ。そして樹液を舐めに来るナメクジが良い目印になっている。こんな木がヒラタを集めていた。下の樹上の画像3枚にもナメクジが写っている。
柳の樹皮下にペタペタいます
交尾中の60mmいっぱい逃げられたけど12頭

5月26日はリュージョンが尼崎方面のアキニレを攻めたがヒラタ♂2頭で雷雨投了。涼の父からは、アオリイカが釣れなかったとか、飼育を800頭から100頭に減らしたら楽勝だとかの連絡が入る。お〜い、九州のポイント開拓、頑張ってくださいよ〜!
5月27日tsuu3が西神戸2ヶ所を回ったがヒラタは3♂のみ。この時期、あの一面のポイント群にして3♂はなかろうと、西神戸期待薄説がメンバーより出始める。

1時間で12頭5月28日は速攻Night Walkersをk-sugano、コダック、リュージョンの3人で編成、21:00頃から河川敷を攻めた。 1時間程度の採集で58mmを筆頭にヒラタ12頭(10♂2♀)を得た。カミキリの脱出口に居るヒラタは大抵お尻をこっちに向けており、あっという間に奥に深く入ってしまって採れないのが多い。羽化して間もないのか、赤みの強い♂個体が混じるのが興味深い。

60mmペア5月31日は朝マデNight WalkersをKAZ、コダック、リュージョンの3人で編成、フランスがセネガルに敗れた様子をラジオで聞きながら出発した。宝塚3ヶ所、西宮5ヶ所と六甲山の東山麓を回るように拾って行く。ポイントがあんまり墓場周辺ばかりなので、霊魂が苦手なコダックは「お墓以外の場所は無いの?」。リュージョンの答えは「もう死んでるから大丈夫!」。が、霊魂の祟りか、どこも単発的で数が出ない。型も最大58mmと冴えない。そこで吉野屋でゲン直しをして、社へ大きく移動して再開した。期待の社であったが、樹液が枯れていたり、犬に吠えられまくって断念したりで伸びず採れずようやくヒラタ60mm♂をキープ。ミヤマやカブトが早くも出ているのにどうしたことだろう。そのまま夜明けフィナーレを迎えてしまった。数はヒラタ17頭(15♂2♀)、ノコ2頭、ミヤマ1頭、ネブト2頭だった。 同日、加古郡を今期初視察したtaniはヒラタ3♂を採っている。
数の子は子沢山徹夜にしては…

6月1日はtaniが西神戸新ポイントを探し当て、ヒラタ1♂を得た。
6月2日はリュージョン単独で自転車採集。西宮方面新規開拓を試み、日没から1.5時間の速攻採集で58mmを筆頭にヒラタ13頭(12♂1♀)だった。この時間帯が良いのだろうか?なにげなく樹皮にペタっと付いているヒラタが多かった。


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