Goliathus goliatus

ピーコ



「幼虫の動きが速くて面白い」。その一言を聞いてゴライアスの飼育をしてみたくなった。ハナムグリにはたいして興味はなかったし、ゴライアスの飼育は難しいと聞いていたので、成虫にするのは無理であろうとは思いつつも、その動きを見てみたくなってしまったのである。そして今となっては懐かしい1999年7の月、2齢幼虫と終齢初期の幼虫各1頭、計2頭の幼虫がやってきた。のちにこやつらには貴重な経験(だと思う)をさせてもらうこととなる。たいして真面目にデータをとっていたわけではないのだが、なかなか飼育記録を目にすることがないだけに、その時の記録を簡単にでも残しておこうと思う。

これら2頭の幼虫は、いずれも1999年5月下旬に初齢で産卵床より回収したものであると聞いている。孵化したのは5月上旬から中旬頃なのではないかと思われる。実際2齢幼虫が入っていた約7cm四方、高さ約3.5cmの容器には「5/25」と記されていた。ゴライアスの幼虫飼育では、終齢初期くらいまでであれば、この程度の大きさの容器で十分飼育可能である。っちゅーよか、その程度の容器の方が、ドッグフードなどを与える際に幼虫が食い付きやすく都合が良いのである。

そーっと犬の餌に近付く幼虫当時は幼虫飼育風景を撮影していなかったため、参考までに最近の飼育風景をば。

そーっとドッグフードに近付き、ひとつ咥えてはサッ!っと後退する。その様子から、自然界においては何かを捕食しているのではないかとも思えてしまう。カブト虫の幼虫に似た形態をしているものの、動く速度はめちゃ速い。

画像の容器の仕切りひとつの大きさは約15cm×6cm、高さは約4cmであり、この幼虫の長さは11cmを超え、体重も40gを超えている。これじゃあましにも狭過ぎてかわいそう。早く広い容器に移してやらんと、、、

抱え込んで食べてるサッ!っと後退した後にドッグフードを抱え込んで食べている幼虫な図。

ゴライアスの幼虫は、「朽木マットや腐葉土なんて全く食べてねんでねーの?」と思えるほど、ドッグフードをよく食す。それでも粗めの腐葉土の中に入れておくと、腐葉土は微粒子になっていくので、やはし腐葉土も食しているのであろう。面白いことに、成虫を粗めの腐葉土を敷いて飼育していても、何故だか腐葉土は微粒子になっていく。成虫を手に乗せてみるとわかるが、噛み付かれたかのような感覚と共に、真一文字の傷を付けられることがある。腐葉土を食していることはないだろうが、噛み砕いているのであろうか。

ゴライアスの飼育で一番の問題となるのは、繭を作っているのかどうかがなかなかわからないことと、繭の中の状態が不明であるため、ついつい割ってみたくなってしまうことであろう。困ったことにゴライアスの繭玉は、とても薄くて弱い上に、一度繭玉を壊してしまうと二度と作ることはないそうである。これもひょんなことから実際に経験してしまった。とにかく暴き屋?にとっては、我慢を強いられる辛い虫である。ところがとてもビギナーズラックなことが起こったのである。

ケースの中の繭玉繭玉は飼育容器の側面から確認が出来る位置に作られていた。ゴライアスでは珍しいことらしい。

飼育容器は、良くお目にかかるプラスチックケースで、サイズは贅沢にも中。しかも単独飼育。

ケース側面より直径5mm程ではあるが、そこから繭玉の中での変化を確認することが出来た。この画像は、羽化をして蛹の時の皮で中が確認できなくなっている状態。

ただ大変残念なのは、このような機会に恵まれたにも関わらず、いつ繭玉が作られたのかに気付かなかったことである。それがわかっていれば、前蛹の期間がどの程度なのかがわかったのに...

次のページでは、特にチョコエッガーにはたまらないかもしれない画像をまじえながら進めて行くこととしよう。



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