ネブトクワガタ編

 冬場の採集と言えばやはり材採集がメインになってくるだろう。しかしながら最近ではすっかりメジャーになったこの材採集が採集者の増加と共に各地で著しく美観を損ねるだけでなく生息環境を破壊するというヒニクな結果をもたらしている。その材採集のメインターゲットの殆どがオオクワガタであろうかと思うが、関東平野の雑木林は、近年増加の一途を辿る採集者を満足させるほどの材をそもそも有していないのが現状である。もっとも関東に限らずともオオの二文字が見え隠れする森林は悉く例外ではないが、ただでさえ少ない生息環境をクワガタ愛好者が自らの手で壊す様な事があってはならないと思うものである。
 材採集の是非に尽いては既に本家のツリーで幾度も議題に挙げられているので合えて触れないが『材採集=発生材を割る』という図式を一度頭から消してオオクワガタ以外にもこの日本には、まだまだ沢山の魅力あふれるクワガタが存在するのだと云う事をもう一度再認識して頂きたく思うものである。
 今回取り上げてみるのはネブトクワガタである。ルリ・コルリ・ツヤハダなどもたいへん魅了的ではあるが、関東地方においての採集の難易度からしてもオオクワガタに匹敵するものがネブトクワガタにはあると思い選んでみた。
 熟練した採集フリークの方々には常識的なことばかりで、様々なご意見・ご指摘もあろうかと思うが、ビギナーにとってはその常識が解らないものである。そのために無意味な材割りをしたり樹皮捲れを剥がすなどの行為があるのではないかと思うものである。
さて、それでは早速その採集方法に触れてみることにしよう。