曲がるな!
=ヘラクレスオオカブトの角曲がりを減らせ=
by ピーコ



 それでは早速ご覧頂こう。

折れ曲がった!んが、またすぐ伸びた。
 胸角はジャバラ状のものが伸びていくといった感じだけなのであるが、頭角はこのように伸びたと思ったら折れ曲がったりする。
 折れ曲がってもすぐにまた体液が送られてきて伸びる。このようなことを繰り返し、蛹化は完了する。

 このように角が折れ曲がったり伸びたりするのにも個体差があり、伸びきった後に一度だけ折れ曲がっただけのものもいれば、何度も折れ曲がったり伸びたりを繰り返しながら角が伸びていくものもいた。後から思えばその時の気圧を計測しておけば良かったのであるが、観察していた時にはそこまでは考えなかった。また、飼育ケースを叩くなどのストレスを与えると体液を送るのを中断し、折れ曲がるようにも感じられた。
 体液を角に送り込むところを観察してみると「懸命」という言葉がピッタシのように思える。ほんとに大変そうなのである。

 ついでに上の画像の個体が羽化した時の画像も紹介しちゃおっと。蛹の期間は24℃前後の温度で54日間であった。

 そろそろ羽化してる頃かなと思って見てみたら、ありゃま
 うかうかしてたら羽化してた。(←お決まりね。(^^;;)

 左の画像でおわかり頂けると思うが、暴いた蛹室から羽化直後に出てきてしまっていたのであった。んが、翌日には勝手に蛹室に戻っていた。また羽化直後の成虫はとても重く、その体重を支えきれないためであろう、クワガタのように蛹室内で仰向けとなって寝ているところをよく見る。
 通常でももちろんのことではあるが、このように蛹室を暴いてそのままにしておく場合には飼育ケースを保湿しておくことは更に重要なことである。虫にとって良くないことはもちろん、マットが乾燥して縮んでしまうと当然蛹室も狭くなってしまい上手く羽化できないことが想像できる。上の場合ではビニールに爪楊枝で数ヶ所穴を開けたものをケースと蓋の間に挟んでおいた。

 

 えーい、もひとつついでに(もういいって?(^^;;)別の個体の蛹化時にも同じ現象を観察&撮影することができたので紹介してしまおう。

ハイ、曲げてー
伸ばす!
 この個体は体の大きさのわりに角が長いのがおわかり頂けると思う。そのためもあるのであろう、蛹化時には角に体液を送るのに相当苦労していたのを覚えている。頭角は何度も折れ曲がっては伸びるといったことの繰り返しであった。それで無事に羽化するかどうか心配したのであるが、蛹化後57日目に無事に羽化してくれた。蛹の間の飼育温度は前出のものと同じで24℃前後であった。最初のページトップの右の画像はこの個体である。サイズは14cmあるかないかってとこである。まだまだだぁ〜ね。

 さて、角曲がりを減らすといったことからは脱線してしまったが、次のページでは話を元に戻し、蛹室の頭部側がプラケ側面から見えてしまったり、観察のためや蛹室に問題があるなどの理由から、前蛹から人工蛹室へ移す必要がある場合のあっしなりの人工蛹室の作り方や考え方について書いていきたいと思う。



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