2000年度 採集記(単独新規開拓編:序章)

新規開拓の準備 - るどるふ流 -

最近、私は新規開拓を中心に行うようになった。もちろん実績のある有名な多産地へ行けば、それなりにクワガタの数は採れるし、本命のオオクワガタでさえ採集できる可能性が高いだろう。実際に私も過去に何度か訪れ、いろいろと楽しい思いをさせていただいた。現に今でも足を運んでいるほどだ。反面、そのような有名ポイントは多数の採集者が訪れるため、オオクワゲットをめぐって競争めいてくるのは否めない。年々激化している印象も受ける。

できれば私はマイペースで採集したい。自然とそう思うようになってきた。そして、クワガタがどのような条件下でどれほど採れるのかなど、ゆっくり検証してみたいのである。本音を言えばオオクワだって独占したい。やはり、そのためには競合者のいないマイポイントがどうしても欲しい。という気持ちのもと、各地を奔走しているわけなのだ。

今回は新規開拓を行う際の準備について、今までの少ない経験から述べてみた。これから新規開拓を考えている方に、少しでも参考にしていただけたらと思う。あまり参考にならないか...。

一応、オオクワガタの灯下採集、ヒメオオ・アカアシのヤナギ樹液採集を前提に書くが、どんな採集方法でも基本は変わらないだろう。

余談:私の真似をして本命を採集できなくても責めないでくださいね。あくまで、私なりのやり方を紹介するだけです。

まずは候補地の選定である。行く場所が決まらなければ、採集も何もあったものではない。ただ、一度は韮崎や南会津などの多産地へ足を運び、実際にチャレンジしてみることをお勧めする。それが最低限のベースになるからだ。

余談:のっけから新規開拓というのはけっこう厳しいかも。

私の場合、各県の地図をざ〜〜っと見る。上記の多産地を参考にして、ある程度のエリアをいくつか挙げる(他の方の採集記なども参考になる)。そして、詳細な地形図(国土地理院発行:5万分の1など)を入手し、標高、植生、河川の有無などを調べていく。この際、当該地の市町村役場に聞いてみるのも手である。採集禁止エリアでないことも確認しておきたい。そして、最終的に数時間以内で移動可能な2〜3個所のエリアに絞り込む。

余談:目的のエリアが観光地などの場合、旅行代理店にあるパンフレットの写真も参考になることがある。ヒントはいろんなところに転がっているのだ。

行く場所が決定したら、次は予定日の気象状況、最高・低気温、月齢を調べ、さらにアクセスルート、巡回ルートなどを具体的に決定していく。林道へ入る場合は整備状況(がけ崩れの有無、車で通れるかどうか)なども要チェックだ。いずれにしても、初めて行く場所なのだから、ありったけの情報を集めることである。

出撃当日はなるべく日中に現地へ入り、ロケハンをすることが重要である。実際の植生を自分の目で確認しておく(地形図の記載と食い違うことも珍しくない)。植林など完全な針葉樹林であった場合は、早々に諦めて他の場所へ移動したほうがよい。2〜3個所目星をつけておくのはそのためだ。

灯下採集をする際には、街灯と森林の位置関係がカギとなる(遮蔽・障害物があったり、あまりに離れているとクワガタが飛んでこれない)ので、明るいうちに見ておく。地元の方(子供など)に、クワガタが採れるかどうか聞くのもポイントである。

あとは、いざ採集、実践するのみ。この際、すぐに採れないからといって『どうせ自分には採れないだろう』とか『ここにはいないだろう』と思わず、簡単に諦めないこと。時間を変えて何度も執拗に隅々まで探してみることだ。可能なら、数日にわたりチャレンジしてみることも必要だろう。

以上のようなプロセスを踏み、今回はあるエリアを選定した。ある方からの情報が元になっている。このエリアに関してはかなり入念に下調べをしておいた。およそ半年もの間、行きたいと思い続けていたエリアなのである。やっとのことで出撃の日を迎えることができた。

それでは、満を持して出発しよう。

採集記