ついに解明か!?ブータンの赤

Sep.10.00' BAJA


今年年明け早々、知り合いからHOTなニュースが飛び込んできた。
ブータンの赤の秘密がわかったかもしれない。」というのだ。
彼が言うにはその秘密は菌床にあるという。従来使用されてきた
ヒラタケ、オオヒラタケ、カワラタケといった菌種とは全く異なる菌を
接種した菌床であるらしい。しかもその効果はオオクワ全般でみられるという。とりあえずその菌床を送るので是非飼育して感想を聞きたいとのことであった。

数日後、菌床が届いた。早速開封し、菌床をチェックしてみた。
問題の菌床
提供者との約束でモザイクなしの画像は紹介できないが、きれいな細かい菌糸で表層は覆われている。確かに従来のキノコの菌糸とは異なるようで、菌糸の繊維が非常に細かい。半信半疑ながらも福島県産オオクワ1令幼虫4頭で飼育を開始した。

菌糸の調査をするため、知り合いに菌糸を電子顕微鏡で撮影してもらった。
菌糸の電子顕微鏡画像
 

菌糸の特性と菌床の性質調査も同時に依頼した。その結果、ここでは詳しく書けないが、この菌床を構成する菌は2種類存在し、表層の菌膜を形成する菌と内部に主に存在する乳酸菌系の2種が共生状態にあるらしいことがわかっている。

今年7月、♂73mmが羽化した。
羽化した♂73mm

羽化したての成虫の上羽は皆赤みを帯びているものだが、とりだした個体の上羽は明らかに通常とは違う深みのある赤色をしていた。画像は羽化後、3ヶ月後の状態であるが、上羽は深みを帯びた赤のままである。他に羽化した2♂(73mm、72mm)1♀(47mm)も同様に上羽は深みを帯びた赤色をしている。

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