８／２６ 信越オオクワ ４連発編（３／５）
00/8/26
新潟県某所
【何となく・・・】
ヒメオオでのリベンジを誓いながらも返り討ちに遭ってしまった二人は、眠い目を擦りながら灯下採集に出発した。
なんせ、昨日が勝負だと言っていただけに、気合があまり乗ってこない。それでも身体は勝手にポイントの方に向かってしまう。なんと哀しい習性か。
日没までにやや時間があったので、近隣の町村を新規開拓することにした。今まで見逃していた場所に、案外いい外灯があることに今ごろになって気づいた。とりあえず、既存のポイントで夜中まで勝負して、余裕があったら戻ってこようということになった。
まずは、いちばん期待しているポイントに直行だ。
・・・・・が、採れたのはノコが2頭だけ。（ＴoＴ）
本当にどうなってしまっているのか？？？ 期待外れも甚だしい。
気を取り直して昨日最初に行ったポイントを見回る。昨日はそこそこ採れた場所も、今日は完全にボーズだ。
？？？
わけがわからない。飛んでこない理由はわからないが、去年同様に虫の飛ばない時期だということにしておこう。それにしても納得いかない。
今日は数を稼ごうと思ったのに、本当に惨敗している。
本当は、この既存ポイントで1時くらいまで粘ろうと思っていた。
しかし、この虫の飛ばないぶりに辟易して、完全にやる気をなくしてしまった。ほんとに何をしに来ているんだろう？
ゴールデンタイムと言われる時間に、すでにオオクワポイントを離れ、さっき下見しておいた町村に行ってみることにした。哀しい・・・（ＴoＴ）
有望外灯がガンガン並んでいる！
さあ、やるでぇ〜〜〜〜〜！！と空元気で挑む。(^^;)
外灯の下は・・・・・？
無数のコオロギだ。（-_-;）
あれだけコオロギがいて、どーしてクワガタがいないの？？？
次は？
・・・・・コオロギ。（-_-;）
次は？？
・・・・・コオロギ。（-_-;）（-_-;）
次は？？？
・・・・・コオロギ。（-_-;）（-_-;）（-_-;）
コオロギ好きな人にはたまらない光景だろう。
黒いのはすべてコオロギ
ちなみに上の写真、後ろの壁にもびっしりついている。
これだけ虫がいて、クワガタは1頭もいないのだ。
結局、ノコをちょっとだけ採って、早々にこのエリアは諦めることにした。
このエリアで勝負をかけに来たのに、こんな時間に諦めることになるとは夢にも思わなかった。
ここまでで採れたクワガタは、二人合わせても20頭くらいだ。虚しすぎる。（-_-;）
こうなったら、昨日シーズンイン宣言した場所に大移動をかけるしかない。ここがすべてだ。
ここでr.matsudaさんから電話が入った。昼間のうちに見つけておいた場所で50頭以上のクワガタを採集したらしい！これはさすがである。こちらは惨敗の報告。（-_-;）
そして、これから行く場所に同行することになった。(^o^)
コンビニで待ち合わせをして、軽く食事をしてから出発だ。
ポイントが近づき、いつも必ずミヤマかノコがとまっている壁をチェックする。今日はコクワだった。(^^;)
と、その時、前方からいきなり車が走ってきて、ぴた〜〜〜っと目の前に止まった。
一瞬何が起こったかわからなかったのだが、クワ道さんとポンカンだった。
しばらく話をしていたが、なんとクワ道さんは南会津で57mmのヒメオオを採集したという。昨日は53mmのアカアシを採ったというのは聞いていたし、完全に負けました！というところだ。
さらに、某所でアカアシを190頭以上採ったということだ。強烈な数字だ。
そして、カンはオオクワの♀をきっちり採集していた。これで完全にとどめを刺された。
最初から勝負にはならないが、こっちの成績は酷すぎる。アカアシ51オーバーなんぞ、どこかへ消え去ってしまった。
それからみんなで、昨日見つけておいた外灯を見に行くために大移動をした。
急峻な山道を時間をかけてたどり着いたのだが・・・・・
なんと、とある事情でこの外灯がルッキング不能となっていた。（ＴoＴ） なんてこった！！！
ここまで来て、こんな状況になってしまったら、もうどうしようもない。みんなはこれからネグラに移動するというので、解散して新人K君と二人でさらに頑張ることにした。
みんなと別れてからヤナギ爆弾に向かったのだが、考えてみれば我々よりも先にポンカン道が入ったということは、ほとんど虫も残ってないということである。
期待はできないだろう。となると、今夜は昨日以上の惨敗を喰らうことが確定となってしまうのだ。
これではいけないと思い、一通りルッキングを終わったら、去年から気になっていた外灯に行ってみようということになった。前回単独でチャレンジしたが、あまりにも怖いので引き返した場所だ。今日はこのくらいしないとダメだろう。
とりあえず、やっとの思いでヤナギ爆弾の場所に到着した。
結果はあまりにも悲惨。去年オオクワが転がっていたあたりには何にもいない。それどころか、クワガタの姿すらなかった。
期待を裏切られ続けた二人は、もう完全に人生の搾りカスと化してしまった。ここもダメなら心のよりどころはない。気になる1本外灯の開拓でもしようと山を下りることにした。
山を下りながら、去年から見続けている外灯で立ち止まり、周囲をルッキングする。ポンカン道が通ったあとだけに、何も残っていない。
通過しようとしても、行動が完全にROMに書き込まれているので、勝手に身体は車を降りて、去年から決められた行動をとり続ける。(^^;) ルッキングする場所も全部同じだ。虚しい行動を何度も繰り返してきた。今年は手抜きのルッキングが多いのだが、さすがに去年から習慣づいている行動は、そう簡単には治せない。
その一連の行動を、今夜も飽きずに繰り返す。
花壇の上、あそこの壁、その横、隣の小屋・・・
奇跡的にノコの♀がついていた。
さらに、物置の壁、その奥のブロック・・・・・
・・・・・ん？
ブロックの上に向こう向きで虫が乗っている。一瞬大きなクワガタに見えたが、次の瞬間ガムシに見え、さらに次の瞬間クワガタに見えた。近づいてすぐ採ろうと思ったが、シデムシだったらどうしよう？などと考えてしまい、先によく見ることにした。
そして、ライトに見事な点刻が映し出された。
やった！！！
心臓がバクバクしてくる。呼吸困難だ。(^^;)
去年、最初に目をつけながらも一度もオオクワが飛んでこなかった外灯、それを何度も何度もメゲずに繰り返し見続けてきた。この外灯でオオクワが採れるなんて、感無量だ。期待していなかっただけに、驚きも大きい。とうとうここで採れた！！ 何回目で採れたのかを数えるのも面倒なくらい通った場所だ。それも山への行き帰りに見ているので、少なくとも1日につき2回はチェックしている。3往復した日もあった。
うれしい〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜！！！
写真を撮ることも全く頭になく、そのオオクワを手にした。37.2mmの♀だ。
山の上で見つけていた生体、死骸はすべて40mm台の後半だったのに、採れたのはこのサイズ。(^^;) でもそんなことはどーでもよろしい。とにかくうれしい。
そして・・・・・
そして今日は仲間がいる！ 待ちに待った握手がついにできるのだ。1月の握手はクワ道さんに気配を悟られて失敗した。そういう意味では去年の9月以来の純正握手ということになる。(^^;) ここで新人K君に「純正握手」というやつを見せつけてやろう！(^^;)
まずは緩んだ頬を叩いて元に戻す。(^^;)
呼吸を整え、心臓を止め、いやいや止めちゃいけない。(^^;)
とにかく気配を殺す。もともと今日は大惨敗でオオクワの気配なんぞ微塵もないので効果は抜群だ。(^o^)
さあ、行くぞ！(^o^)
ルッキングをしてるふりをしながら、さりげなく新人K君に近づく・・・
笑いそうになるが、ぐっっっっっと耐える・・・
目が合った！ 今だ！！
目を見ながら、真顔でそぉ〜〜〜〜っと下から右手を出した。
新人K君の目が見る見る開かれていく・・・・(^o^)
「まじっすか〜〜〜〜〜〜？！！！」
力強くうなずく。(^o^)
もう一回、ぎゅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っと手に力を入れた。
その後のパニックぶりはご想像にお任せしよう。
やっと、やっと握手ができた。これまで4連発で受けるだけ、これはこれで楽しいのだが、自分が採った時には誰もいなくて虚しい思いを何度もしてきたので、ここで喜びは一気に爆発した。採ったその場でストレートに喜びを表現できるのが同行採集の最大の魅力だ。相乗効果で喜びは何倍にも膨れ上がる。
そして、奇しくもここはクワ道さんに最初に握手攻撃を受けた、その場所なのだ！
ピッカピカの新成虫。どうしようもなく嬉しい。時間はすでに午前2時を回っていた。こんな時間にも飛んでいるのだ。
一気にテンションを盛り返した二人は、たった1本の有望外灯を目指して移動を開始した。
ところが、地図どおりに進んでも、道は途中から砂利道の林道になったりして、こんな真夜中に走るにはあまりにも無謀な挑戦であることを思い知らされた。
周囲数kmには、外灯以外には何もなく、民家も何kmも離れている。
何本かの道を入ったり、脱輪ギリギリで強引に進んだりしていたのだが、ついに途中で断念した。次回は必ず行ってみたいが、こんなところを一人で走る勇気はない。いつになるかはわからないが、ここは絶対に行っておくべきだろう。
もう午前4時を回ったというのに、二人はここからさらに新規開拓に走った。
今日も長野県まで大移動をして、町中のダムなんぞを見て回った。
町中のダム
ノコが数頭飛来していた。上の方に有望な灯があり、ここにはいずれクワ道さんが登ってくれるだろう。(^^;)
それからさらに夜明の水銀灯でノコを何頭か追加して、とうとう二人は力尽きてしまった。
これにスジを入れて8目だ
明日に備えて仮眠を取ろう。