8/9 信越オオクワ 山ごもり編(3/4)


00/8/10

信越方面

【撃沈】

とにかく!!

今日だけは絶対にオオクワを採らなければならない。仲間うちで今年灯下採集を果たしていないのは自分だけだ。これまでの労力はハンパなものではない。何もかも犠牲にしてこれに突っ込んできたようなものだ。何が何でも採りたい!!

ものすごい気合を入れて、まずはいちばん有望なポイントへ向かった。

・・・しかし・・・

またまた先客がいた。そんな馬鹿な!これでは何のために気合いを入れて山ごもりをしているかわからない。今度は家族連れではないのだが、気合の入った採集者でもない。打ちひしがれて、次のポイントへ大移動をかけた。

ここは全体を通して2番目に期待できるポイントだ。一発目で拍子抜けしたので気合いを入れ直して望んだのだが、ここで全く予期せぬ出来事が・・・

ポイントに関わることなので、詳しい話は全くできないのだが、全く灯下採集は不可能な状態となった。こんな事態がよりによって今日起こるなんて信じられない。完璧なダブルパンチを浴びて、仕方なく別のポイントを回ることにした。

クワ道さんが作った歌が頭の中をぐるぐる回る。もう全く頭から離れない。

「なんでーなんでーなんでー・・・・」

何百回繰り返したかわからない。

別の場所に行ったのだが、家族連れはたくさんいるし、とうとう行くところがなくなってしまった

どうして???


【ほんまにやめちくり〜〜〜(;_;)】

ただでさえ月齢も悪く、虫も薄いのに、こんな状況ではどうしようもない。ここまで「引き」が弱いと笑えてくる。どうしてこうなのか?本当に、何のためにここにいるのか、わからなくなってきた。

打ちひしがれて、いちばん最初のポイントに大移動をかけることにした。

すでに人もいなくなっていたので、じっくり虫を探すことができた。しかし、ここでさらなる不幸が・・・

草むらをかき分けていた時に、信じられないものが目に入った。

これだ。↓

またオオクワ♀の死骸が・・・(;_;)

何と言っても、ここは夕べの2時過ぎまでボロボロになりながら探した場所である。なぜこんなところで死んでいる???

2時以降に飛んできて、その後死んだとしか考えられない。ほんとにこの「引き」の弱さは何なのだろう???

これで完璧にヘコんでしまった。今年はもう灯下採集では採れないと確信した。これまで灯下で採る自信は全くなかったが、仲間がみんなであれほどの成績を残しているだけに、頑張って採ろうという意志はあった。しかし、これで事実上の戦線離脱だ。自分には無理だ。


【ボロボロ】

例の歌を頭の中で口ずさみながら、数々のポイントを浮遊する。コクワ、ノコ、ミヤマ・・・月齢が悪いなりにも飛んでいる。

ここでクワ道さんと連絡が取れたので状況を報告する。前回一緒に惨敗しただけに、当然胸のうちはわかってくれている。一生懸命慰めてもらった。(^^;)

すでにピークの時間も過ぎているのだが、往生際悪くポイントを巡回し、惨敗を繰り返した。コクワが飛んでいるのだけが唯一の心の支えだ。コクワも飛べばオオクワも飛んでいるだろう。そんなことを無理矢理考えて、自分に鞭打った。

どうしてみんな、あんなに採れるんだろう?どうして自分だけ全く採れないのだろう?

頭の中を歌と一緒にぐるぐるぐるぐる同じ考えが回っている。あれだけのクワガタを採集しながらも、オオクワが1頭も混ざらないなんて、本当に不思議だ。

結局遠隔のエリアを4往復もしてしまった。バカだ。


【こうなったら・・・】

もう1時も過ぎたので、ヤナギ爆弾に大移動をかけて今日は終わりにしよう。こんな時間まで灯下採集をしている人間が一体何人いるだろうか?ここまでやって、よく1頭も採れないものだ。何と言っても灯下採集にかける時間は1日8時間である。素質がないとしか言いようがない。さすがにまぶたも重くなってきた。

本来なら燈火セットを用意して、自分の見つけた場所で張るのが本筋なのだろうが、自分の場合はどうしても待つことができない。待っている間に他のポイントに飛んできてたらどうしようと思うと、どうしても動いていないと気が済まないのだ。自分のセットした燈火でオオクワを採集できれば、これはまた言いようもない嬉しさがあることは想像できるのだが、今のところは全くその気はない。

未練がましく、最初のポイントをもう一回見てみる。当然何もいない。もう4回目だ。そしてその場をあとにしながらショボい外灯まで見て回った。このエリアの最後の外灯を初めて真剣に見たのだが、飛んできたばかりの♀が縁石の上をひょこひょことこちらに向かって歩いてきた。ミヤマか。

また翅を広げて飛ぼうとしたので、車から下りて採りに行った。気配に気づいて翅を一旦閉じたのだが、その翅に綺麗に点刻が並んでいた・・・

やった!!

この時の気持ちを的確に表現できる言葉は全く見つからない。これまで何万kmも走り回ってようやく手にしたオオクワ♀だ。

まさかこんな外灯に飛んできているなんて!しかも時間は1:30AMだ。こんな煌々と月の照る夜に、よくぞいてくれたものである。やっと、やっと今年初の灯下採集を果たした。本当に長かった。

さっそくクワ道さんにメールを打つ。起きていた。(^^;) たかだか37.6mmの♀が1頭だが、一緒に喜んでくれた。続けてポンカンやあいあんさんにもメールを打った。みんな起きていた。(^^;) さすがに時間が遅かったので、携帯メールのないr.matsudaさんとるどるふさんには連絡しなかった。

ポンカンは1週間で6頭ものオオクワを採集し、あいあんさんも1週間で5頭のオオクワを採集しているにもかかわらず、たった1頭のオオクワで大騒ぎしてしまった。迷惑な話だ。(^^;)

今年は本当にダメだと思っていたので、心底嬉しかった。

今年初の灯下採集個体

これでやっと例の歌からも解放され、気分よく採集を続けることができる。(^^;) さらに引き返し、そのエリアを数周したのだが、いたのはノコばかりであった。

あんなノーマークの外灯でしかオオクワが採れなかったのは複雑な気分だが、とにかく「助かった」という気分だ。これでまた見なければならない場所が思いっきり増えてしまった。(^^;)


【ヤナギ爆弾へ】

それから数十kmの大移動をして、ヤナギ爆弾の場所に到着した。ここは強烈な灯下ポイントが1つ完全に消滅してしまったので、採れる数は半分になってしまったが、これは仕方がないことだ。それにしてもびゅんびゅん風が吹いていて寒い。どうしようもないと思ったが、数十頭のクワガタを採集した。それにしても、まだアカアシが出てこない。今年はハズレ年なのか??? 

ここまでの7目

ついにここで力尽きてダウン。

今日は枕を高くして寝よう。


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