8/9 信越オオクワ 山ごもり編(4/4)


00/8/11

信越方面

【ヤナギを求めて・・・】

さて、そろそろ疲れてきたので採集も今日までにしよう。

今日は行く場所が決まっていないのだが、またここで決断を迫られる。新規開拓をするか、マイポイントを回るか・・・ 正直言って惨敗が怖かったので、後者を選択しようと思ったのだが、採集記もおもしろくないのでマイポイントに近目の新規開拓をすることにした。いつでもマイポイントへ逃げ込めるようにしたのだ。(^^;)

目をつけた場所へ向かって車を走らせていたのだが、途中から道が地図と全く違ってきて、とうとうわからなくなった。どうなってんの??? 肝心な山へ入る道がないので、仕方なく引き返すことにした。どうしようもない。時間がもったいなかった。

このままマイポイントへ向かうのもシャクなので、去年クワ道さんと新人K君と3人で開拓した場所へ、もう一度行ってみることにした。最後の最後にアカアシが採れた場所だ。

ヤナギの数は少なく、その少ないヤナギにも何もいない。ある程度の標高からヤナギがなくなることはわかっていたので、Uターンして山を下りることにした。それにしても、今日も強烈な快晴だ。気温もめちゃくちゃ高く、これでは高山系のクワガタはあまり期待できない。

下りながら、さっき見ていたヤナギをもう1度見てみると、何やらクワガタのようなコブのようなが見えた。はるか上の方だったので、一旦デジカメで撮ってみることにした。

画面中央に影

こんなのではわからない。(^^;)

思いっきりズームしてみた。↓

これは???

見てみてびっくり!なんとヒメオオが写っている。(^^;) しかも、♂が2頭同じ場所についている。この山にはヒメオオはいないと決めつけていたので、嬉しい誤算だった。さっそく網を思いっきり伸ばしてネットイン!

2年越しの新規開拓成功!

別ラベルのヒメオオを思いがけなく追加することができた。

それではそろそろマイポイントへ向かうことにしよう。


【暑い!!】

今日は特別暑い。路上を歩いているクワガタも多いが、死んでいるモグラやミミズ、ヘビが非常に多い。地面の温度が上がり過ぎるので、みんな燻り出されるのだろう。これでは全くヤナギのクワガタも期待できそうにない。いたとしても、見つけにくい場所に隠れているに決まっている。

まずはアカアシの木に向かう。r.matsudaさんが2ペア採集した木で、昨日はここでヒメオオまで採れた。確実についていると思われたが、ここでボーズを食らってしまった。これは厳しい!

次はミヤマの木だ。ここは予定通り、たくさんのミヤマがついている。

ミヤマの木

写真ではわからないが、中央の枝と下の枝に合計8頭のミヤマがついている。この右側にもたくさんついていたが、採集不能なので数えるのはやめておいた。

ミヤマばっか

ひと網で4頭のミヤマをゲット。しかし、やはり一人では苦しい。

さらに標高を上げて、アカアシ多発地帯に突入するのだが、これまた数がめっきり少ない。直射日光に弱いのか、暑さに弱いのか、見える場所にはほとんど姿がない。

樹上で交尾するアカアシ

本当は至近距離で写真を撮りたいのだが、なかなかそういうシチュエーションがない。たまにはアップでアカアシの写真も撮ってみたいものだ。

でも、この写真もなにげにお気に入りだ。遠くでもピントが合うところがいい・・・

さらに先を行くと、ヒメオオの♀が路上を歩いていた。たまには写真でも撮ってやろう。

ヤラセなし。路上のヒメオオ♀

不思議なことに、路上を歩くクワガタの近くで、その種類がいたためしがない。ヒメオオが歩いている場所のヤナギでアカアシは採れるが、ヒメオオは採れない。それどころか、歩いている場所の近くの木でクワガタが採れること自体、ほとんどない。


【不毛】

本当に今日は虫が少ない。相変わらず路上にはクワガタとモグラの死骸がごろごろ落ちている。

また不毛地帯に突入。念入りに見ていくが、やっぱりクワガタはいない。

かなりの時間を費やして、やっとアカアシを見つけることができた。数ペアがついている。やれやれ。

そんなアカアシたちをネットインさせていると、いつの間にやらヒメオオも混ざっていた。(^^;) このヒメオオ、なんとなく大アゴの形が珍しいような気がしたので写真に撮っておいた。先端の内側への曲がり方が激しいような気がするのだが、気のせいだろうか?

何となく違うヒメオオ

それからしばらく、クワガタの姿が全くなくなってしまった。逆光で見にくかったのもあるし、疲れていて見つけられなかったのもあるし、そもそもいなかったのかも知れない。

天気もなんとなく悪くなってきて、ガスも出始めた。気温も下がったようなので、そろそろクワガタも出てくるかな〜と思った頃、この林道で初めて、ヤナギ以外の木でクワガタを見つけた。この木は檜枝岐にもあり、発生初期によくヒメオオがついているのだが、はっきり言って名前を知らない。どなたかご存知の方はご教示いただきたいと思う。ヤナギ類だと勝手に決めつけているが、どうなんだろうか?

何の木?

さらに数km進むと、また同じ木についているのを見つけた。

ペアだ

この木では別の枝にもう1頭ついていた。またまた難しい局面に立たされた。

仕方なくペアの方から狙うことにした。これは無難にネットイン、別の枝の♂は?・・・落ちてない。よかった。(^^;) これも何とかネットインした。この木についていた♂はいずれも51mmジャスト!ここで初めての50オーバーの個体を同じ木で同時にゲットした。

それにしても、ほんとに路上の死骸の多さにうんざりする。9割方は死骸だ。時々歩いているやつを拾いながら林道を行く。

またヒメオオが歩いている

ヤナギも見ぃの、他の木も見ぃの、路上も見ぃの・・・目がいくつあっても足りない。(^^;)

今日は思ったほど採れなかったが、50オーバーのヒメオオも採れたし、そこそこ満足して山を下りた。いまだにアカアシの50オーバーは採れないままだ。(;_;)


【アウト!!】

温泉につかって、日も暮れてきたので、最後の灯下採集に出かけることにした。今日は時間がないのでヤナギ爆弾は捨てて、ゆうべオオクワが採れたエリアともう1つのエリアを中心に22時くらいまで勝負をかけることにした。

今日はさすがに昨日のような悲惨な事態は起こらなかったのだが、こういう時に限って思いっきり明るい月夜なのだ。昨日は時々雲に月が隠れる時間もあったのだが、今日は完璧な快晴で、はっきり言って空が明るい状態だ。要するに日没していないのと同じ状態で、これではほとんど期待できないだろう。

案の定、クワガタの数は極端に少なく、採れるのはノコ、ノコ、ノコ・・・。ドルクス系は皆無であった。

全くやる気がなくなったので、新規開拓に走ることにした。これまで聞いたこともないような地名を数ヶ所回ってみたが、気配なし。カメムシ退治の薬を散布する関係で、クワガタにも影響が出ているのだろうか? それにしても、真っ暗な夜道を一人で走ることに、全く抵抗を感じなくなってしまった。

極小ミヤマ

今日はサクっと諦めて、帰途につくことにした。

帰りの高速はなんと1時間で目的のインターまで到着した。いつも6〜7時間かけて帰っているこの道は、こんなに早く帰ることができるらしい。(^^;) akeちゃんの家に寄って、持ち帰ったクワガタをオオクワもろとも全部もらってもらった。(^^;)


一度やってみたかった「山ごもり」というやつをやることができた。なかなか楽しい経験であったが、やはりたった一人というのはちと淋しいものがある。何km走行したかは計算していないが、90リットル給油できる車に毎日2回ずつガソリンを満タンにしたとだけ言っておこう。

結果はあまり出ないが、頭でっかちになるよりは、フィールドに出ていた方が断然楽しいと思う。

(もっと頭も使えよ!!>俺(^^;))


【今回の成果】

コクワ:11♂♂、27♀♀

スジ:3♂♂

アカアシ:35♂♂、27♀♀

ヒメオオ:14♂♂、6♀♀

オオクワ:1♀

ノコギリ:38♂♂、44♀♀

ミヤマ:19♂♂、26♀♀

合計:251


本稿は2000年8月9日付で掲載した採集記に加筆・修正したものです

2000.9.5

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