カブト馬鹿奮闘記(14)/世紀末の奮闘


亀有カブト




「クワ馬鹿」が「くわ馬鹿」となって月刊から季節毎の発刊 となったのだがそのパワーは衰えるどころか前にもまして 強くなったような気がする。充電期間が増えたからだろうか?
「カブト馬鹿」も同様にパワーアップした世紀末の奮闘ぶりを 披露するのでこれからもどうか温かく見守っていただきたい。


しばらく休みの間にいろいろな事があった。

順に紹介していこう。


1.冬カブトの試み

1)動機
冬にクワガタが温室でゼリー食っているのにカブトが冬に居ないってのは やっぱり淋しい。
冬に元気なカブトが居たっていいじゃないか。
何とか早く羽化させて真冬の元気なカブトを近所のガキ共に見せて 自慢したかった。
しかしその様な面白い発想をしたのはもう夏も終わりで春カブトの 子は人に上げちゃったり、ほったらかしで他のと混ざったりで残って いるんだかなんだか解らない状態。仕方がないから冬までみんな 普通に育ててオスメス同定が出来たら1つがいを取り出しそいつらに 細工することに決めた。

2)作戦
今までおとなしくまじめだったからかも知れないが、私の飼育実績では 暖かい室内で育てても成虫の発生は早くても春だ。だからただ単に 加温して羽化を早めるのではなく、何か刺激を与えてから加温したら どうかと考えた。
餌交換をいろいろやるとクワガタもそうだが早く羽化するケースがある。 しかしそれだけでは所詮春止まりと考え、一度寒さにあてる事にした。 寒さにあてないと花が咲かないチューリップの球根の事を連想し思いつ いた考えだ。
寒さにあてる事が何らかのスイッチになる事を期待し、幼虫にはしばらく 寒さに耐えてもらう。その後、少し暖かくし、慣れた頃に温室で 一気に加温し、早く羽化してもらおうと言う作戦なのだがはたしてうまく 行くか?

3)実験開始
冬が近づき外の気温が10度を下回る事が当たり前になった頃オスメス 1ペアをミニプラケに放り込みベランダに放置した。
1ヶ月のつもりが忘れて1ヶ月半ほど出しっぱなしであわてて、室内の 一番室温の低い所に保護した。そこで約1ヶ月置いて活動が確認できた頃、 温室へ移動。
温室の温度はだいたい28〜30度。しばらくその状態で飼育していると だんだん餌の食いが良くなってきて、メスが温室投入後、約2ヶ月で 蛹化した。
残念ながらオスはまだ前蛹だ。


メスの蛹


前蛹のオス


もうちょっと早く蛹化すると思っていたが甘かった。ひょっとすると寒さに あてたのは余計だったのか?
よく分からないが、3月中には成虫になるはずなのでとりあえず近所のガ キ共に見せびらかすことは出来るだろう。
次回はこいつらの子を春から目一杯加温して今度こそ真冬の成虫カブト発生を 目指してみよう。






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