rain、危機一髪!
木生昆虫館の前で

木生昆虫博物館の前で

左がrain、右は昆虫館の方

7月のとある日、近畿支部のWASHIさんから梅田の昆虫展のバイトの誘いを受けました。 ところが、そのついでにとんでもないことも言われてしまった。 <台湾に採集に行ってみないか?>私はバイトの事や大学の課題の事で頭がいっぱい でしたので、適当に<台湾ですかぁ、気候もよさそうだし、いいかもしれませんね>そう軽く流しました。しかし、これが後になってあんな恐ろしい体験をするきっかけ になるとは考えもしませんでした。しかし、私の知らぬ所で着々と計画は進んでいた のです... 

バイトも佳境にさしかかった8月のある日、突如、思いもせぬ災いが私を襲いました <rain君ちゃんと台湾行きの準備進んでる?>とWASHIさんが話し掛けてきたのです。 最初は何の事か分からず、冗談だろう...そう考えてました。しかし、周りの方々 みなさんが、なぜだか私の台湾行きが既に決まっているかのような口調で <タイワンオオ、お土産にお願い>、<じゃあ、俺はシェンクをおねがいするよ> などとおっしゃるのです。冗談ではない!今、誤解を解かねば台湾に送り込まれ てしまう!!と、誤解を解きに行ったものの、時すでにおそし。 <言葉なんて全然分かりませんよ?><大丈夫、簡単な挨拶ができれば何とかなるし、 日本語も一部の人には通じるよ>と、あっさり返されます。<ですけど、お金が...> なんとか食い下がります。しかし無情にも<なんのためにバイトしたの?台湾に行く ためでしょ?>もはや、選択はただ一つ<.......分かりました、台湾に行って きます>こうして、半ば強制的に台湾に送り込まれたのでした......


<海外での一人旅なんて大丈夫なの?>と家族には心配されました。事実、私も移動とか 言葉はどうすればいいんだろう?出発直前まで、その事で悩んでました。 しかし、そんな心配はまったくの杞憂で、初日こそ移動にてこずりましたが、すんなり バスの切符が買えました。うろおぼえの中国語で<ここに行きたいのですけど....> と言うだけでは相手は首をかしげるばかり、それならばと、紙に行き先を書けばビンゴ!

こんな、感じで多少時間がかかったものの、9月のある日、はじめて来た台湾で、思って いたよりも、すんなり南投県にある目的のホテルに着けました。 チェックインの時にも簡単な中国語で<私は日本人です>といえば、日本語 で話しかけてくれると言う感じで特に難しくはなかったです。

翌日、台湾で有名な昆虫館、木生昆虫館に行きました。丁寧な説明を受けて館内をまわる と無論、クワガタの標本もおいてあります。しかし、ラベルがやや古いものが多く、 現在でも果たしてそこで採れるのか疑問でした。お土産コーナーで買い物した後、 館長としばらくお話をしました。<シェンクを採ったら、捕まるよ?わかってる?> と、しっかりと釘を刺されてしまいました。

翌日は、あの羅氏の所を訪れました。台湾のバスはほんとに、安全で速く安く、どこへ でも行けて大変便利です。羅氏の自宅はややへんぴな場所ではありましたが、まわりは 森に囲まれており、<ここなら何か採れるかも>と思える場所でした。 錦吉昆虫館の中に入ると、親切な方が中国語で何か話しかけてくれました。しかし、私は <すみません、私は日本人です>と、お決まりの文句しか言えません....学校で習った 中国語なんて役に立たないやん!自分が勉強していないのを棚に上げて勝手なことを考えて いると、その方は奥に入り誰かを呼んできました。 もしや...と、思っていますと羅 錦吉氏そのお方でした。

<おおっ、写真で見たのと同じお顔や!> 互いに自己紹介を終えた後、2階の標本室に案内してもらいました。その質もさること ながら、ラベルが新しく細かく書いてあります。すると羅氏が、<死んだものだけど ミヤマヒラタの♀いる?>と渡してくれました。<これは、どこで採ったものです?> と聞くと氏は流暢な日本語で<この辺りだよ、パイナップル畑があるから探してきたら?> と勧めてくれました。いても立ってもいられず、すぐに表へ出て10歩も歩かないうちに道路上に茶色いものをみつけました。

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