KAJYA&名古屋のとおるおまぬけ採集記!

by kajya


Part5
 さて出発!途中、燈火を見てまわるが、雨はすでにやんでいるものの風が強く虫はあまり寄ってきていない。気温はとても蒸し暑いのだが・・・。その方の話しでは普段ならジュースの自販機一面に蛾が止まっているくらいなのだそうだ。それを聞いて今日は燈火は諦める事にする。途中、数少ないクヌギを見てまわるが噂どおり細い。車中で普通種はたくさんいると聞き、クヌギの無い高知県で普通種は何の木で採れるのか?と聞くとカシやクスノキで採れるという。じゃあオオクワだっていればそうゆう木で採れるよ!と話しをしながらそんな木を案内してもらうが何もいない・・・。そして川沿いの道を戻りながら走っていくと細いながらもカワラタケの生えた立ち枯れの木を見つける。その人に「こうゆう木が狙い目なんだよ」と説明して、明日、明るくなってから割りに来てみようと会長と話す。そしてさらに車を100m程走らせた所でとんでもない物が目にはいってきた!それは廃屋の軒先に生えた1本の太い立ち枯れのエノキだった。高さ3m直径1mくらいで全面にびっしりと黒いカワラタケが生えている。まさに吉田氏の本に「オオクワの産地でこんな木を見つけたらタコ採れだよ」と書かれているお手本の様な木だった。私も会長もこんな木が手つかずで残っているなんて・・・やはり高知のクワ馬鹿人口は少ないんだなぁ〜と痛感したのだった。場所はflycatcherさんからの情報で過去にオオクワの採集記録のある町そのもの。立地条件も川沿いで日当たりも悪くはなく雰囲気は抜群である。もうこの木にいなかったらこの地域にはオオクワはいないよ!と決めつけて、明日、明るくなってから割りに来る事にしてウキウキ気分で帰路についた。その方に御礼を言い、明日、採れたら連絡するね!と約束をして別れた。部屋に帰ってからも、私達2人はあのエノキの話しで持ちきりだった。あの近辺にオオクワが生息してたら絶対に幼虫いるよね!と。そして2人とも内心、過去に採集記録のある地域なだけに絶対にいるものと思い込んでもうすでに採った気でいたのだった・・・。そしてシャワーを浴び明日に備えて寝る事にする。そして深夜、トイレの扉の開く音で目を覚ます。そしてその直後、トイレで会長が吐いている声が聞こえる。酒に強いハズの会長がたかだかジョッキ2杯くらいのビールで吐いている??疑問に思い心配になりながらも、起きていって話しかけてしまうと、自分のせいで起こしてしまったと責任を感じてしまうといけないと思いそのまま寝たフリをする(笑)しばらくして無事ベッドに戻ってきた様なので一安心。そして朝を迎える。朝になって聞いてみると、どうも消化不良で苦しかったらしいカツオのタタキのニンニクがいけなかったのだろうか?でも胃腸の弱い私がなんともなかった訳だし・・・下痢はしたけど(爆)まぁ不可解ではあるが、ともあれもう大丈夫な様なので気にしない事にする(笑)外を見ると空は晴れている♪天気予報を聞いても今日は大丈夫そうだ!もう気持ちは昨日見た最高のエノキにいっている♪(笑)ウキウキ気分でホテルを後にしたのだった・・・

Part6
 そのエノキへ向かう途中、菓子折でも買っていこう!と話すがまだ朝9時頃の為、店は開いていない。とりあえず場所を確認しようと行く事にする。やはり廃屋の様で誰もいない。どうせ廃屋なのだからと勝手に割ろうかとも思ったが気がひける・・・。すると丁度そこにスクーターに乗ったばあさんが通りかかったので聞いてみると近くの○○モータースという所が所有者らしい。近い様なので了解をもらいに行くと快く了解してくれた。これで心おきなく割れる!と急いでエノキの場所まで行く。そしてドキドキしながらの第一刀!「サクッ!」一番朽ちていた部分は朽ちすぎていてスポンジの様だ。それでもとりあえず何か食痕は?と割っていくが何の形跡も出てこない・・・。反対側のまだやや固い部分を割ってみるがやはり何の食痕も出てこない・・・こんなハズでは・・・。全く納得がいかない・・・。こんなクワ知識のある者ならば誰がどう見たって最高のハズの木から何の食痕も出てこないのである・・・。確かに今現在1/3くらいの部分は朽ちすぎてしまってはいるが、残りの部分はそんなに悪い状態ではない。にもかかわらずオオクワはおろかコクワの食痕、果てはキマワリやカミキリの食痕さえ何も出てこないのである・・・。まるでキツネにでもつままれた様な気分だった。私も会長も絶対にいる!と思い込んでいただけにこのショックは想像以上に大きかった。しかしこれ以上割っていても仕方ないので、昨日、この木の前に見つけた細い立ち枯れを一応割りに行く。しかし、さっきの木に何もいなかったのであまり気合いが入らない。それでも割ってみるとカミキリの食痕が出てきた。その後コクワらしき幼虫を2頭GETしたのだが、それによってさらに疑問が膨らむ・・・。先程のエノキからここまではそんなに離れてはいない。にもかかわらず、こんな細い木からは幼虫が採れて、あの最高に見えるエノキからは何も発見されない・・・どうしてだ??これについては今でも疑問が拭いきれないでいる。どなたかこの疑問を解決できる方がいたらぜひ解説して欲しい。ともかく、この地域にオオクワがいるという自信が全く無くなってしまった私達は情報を得る為にこの町の役場へ行く事にした・・・


Part7へと続く(^^)