助手席日記 (伊豆編) みなさん、こんにちは or はじめまして。 いつも、あいあん車の助手席に座っている「助手席」と申します。 今日は先日出かけた(連れて行かれた)伊豆で、コルリクワガタというムシを採ってきましたので、その時の模様を簡単にご報告したいと思います。 4月1日、この日もいつものように助手席に乗り込みます。 「どこに行こうか?」 行き先は前もって絶対決めているくせに、こんなわざとらしい会話からスタートです。 黙っていると「特に行きたい所がないなら伊豆でも行こうか。」 自分が行きたいんだから、初めからそういえばいいのに。仕方なく「はいはい、伊豆に行きましょ。」と半ばあきらめ気味に答える私です。 西湘バイパス、箱根新道、伊豆スカイライン、いつもの道をいつものように走ります。今日は昨日までの雨があがってとてもいい天気です。でも、何度も伊豆に来ているのに、いつも行くところは山ばかり。たまには、おしゃれなお店まわりもしたいのに、オノを片手に長靴履いたその格好じゃお店に入れないよね。 さて、目的地に着いたらしく、オノを持って何やらほざいてます。 「1時間ぐらいでもどるから」 ということは3時間ですね。この人のムシ採集時間は予定の3倍かかることを私は経験から理解しています。3時間も車で待たされたのではあまりに退屈なので、「私も行くよ。」と、しかたなく答えるのでした。 登山者用の駐車場に車を停めて、登山道を歩き始めます。丸太を輪切りにしたような階段が延々と続いています。かなり急な上りなのに彼はスイスイです。デパートの階段だったら絶対あんなに早く上がれないくせに。 ![]() かれこれ15分も歩いたでしょうか。ほかの登山客の冷たい視線をモノともせずいきなり足下に転がる枝を手で割りはじめました。 「こういう落ち枝にコルリが入ってるんだ」 目をランランと輝かせています。その輝いているヒトミを、たまには私にも向けなさい。 私もそれにならって同じような枝をオノを使って割ってみました。幼虫が2頭ポロリ。あれ?これがそうかな? 「ねえ、これがコルリクワガタの幼虫?」 私の声に息せき切って彼が駆けつけます。 「あっ!コルリだっ!」 ![]() ヤバイ。幼虫を見たまま凍っている彼の顔が黄色信号を発しています。先に私が見つけることは、ムシ屋の彼にとってはおそらくそうとうくやしいのでしょう。ちょっとの間黙っていればよかったですね。 しかしその後、彼もなんとか2頭の幼虫を採ったようです。私は別の木からクワガタではない変なムシを見つけました。 「これは何ムシ?」 「あっ、オサだ。こんなのまだ俺だって採ったことないのに。」 あとで聞いた話ではルイスオサムシというムシで、彼はまだこのムシを採ったことがないのだそうです。まずいなあ。 そんなこんなで約1時間半。 「もう帰ろうよぉ。」と、私の問いかけに、 「まだまだぁ。コルリの成虫を割り出すまでは帰れないぜ。」 目が血走ってます。 やれやれ、私もしかたなく次の木を割ります。 すると、 ![]() ヤパッ!これがきっとコルリクワガタの成虫だ。先に割り出しちゃったよぅ。 成虫まで私が割り出したとあっては、帰りの車内の雰囲気は推して知るべしですね。うん、これは見つけなかったことにしよう。 そうだそうだ、これは無かったことにしておこう。ポイッ。 30分後、どうやら彼も成虫を採ったみたいです。彼の本当に嬉しそうな表情の横で、私の本当の気持ちは「やっと帰れる」でした。 結局この日もムシの採集で1日が終わってしまうのでした。そして、次の日記はきっと檜枝岐編だろうなあ、と思う今日この頃です。 檜枝岐編につづく。 |