助手席日記 (檜枝岐編) みなさん、こんにちは。 5月29日、私の予想通り檜枝岐に連行される日がやってまいりました。 檜枝岐は伊豆と違い、横浜からは片道だけで4〜5時間もかかります。高速道路を使えば3時間ちょっとで行けるんですが、 「たった1時間しか違わないから」と言って、数千円の高速代をケチります。 虫研フェアーや奈良オオクワで買い物するときは簡単に数万円使うくせに。 さて、深夜に横浜を出発した私たちは、途中仮眠をとりながら檜枝岐には午前8時頃到着しました。 御池のロッジの洗面所で顔を洗います。水がとても冷たいです。 ここでトイレを済ませ、広沢林道に向かう準備をします。この先は私にとっては我慢の道が続くのです。 というのは、なにしろその先はトイレがないのです。ヒメオオクワガタが採れる辺りまで行ってしまうと、 ここのトイレまで往復するのに約1時間かかります。 夏場、暑くてのどが渇いても、これを考えると飲み物を思い切り飲めません。我慢してるんだぞ、ってねえ聞いてる? だめだ、すでにクワガタ採集モードに入っています。あーあ、いつもこれだ。 その御池から広沢へ下る国道沿いには延々とヤナギの木が続いています。 彼は何も言わず助手席に乗り込みます。私も何も言わず運転席に座ります。ここから先は車内からルッキングするので いつも運転手交代です。クワガタがいそうなヤナギの木の前ではブレーキを踏んで減速。 減速する場所を知っている自分が悲しい、そんな自己嫌悪におちいる瞬間です。 ![]() 広沢林道ではいつもまず峠まで上がるのですが、今日もコルリクワガタを採りたいらしく、 めずらしく林道に入ってからずっとルッキングをしています。しかし、なかなか見つかりません。 そうこうしているうちに見覚えのある車に追い越されました。コンちゃんさんです。 コンちゃんさんは、前夜になって行先を韮崎から檜枝岐に変更したそうです。 皆さん檜枝岐病ですね。軽く挨拶をすませたあと、コンちゃんさんはあ〜さん達と合流するため先に上って行きました。 あとを追うように私たちものろのろ上がっていきます。 すると、コンちゃんさんの車が藪の中に突っ込むように停めてあります。「こんなところでどうしたのかな?」 不思議に思った次の瞬間。 「あっ!」 ![]() 数人の人が取り囲む中、あ〜さんの車が脱輪しています。倒木をよけようとして脱輪したようです。 みんなで押したり、通りすがりの車に引っ張ってもらったりしたそうですが、状況は悪化するばかり。 最後の手段として、クレーンを呼ぶためにあ〜さん達はコンちゃんさんの車で村へ向かいました。 その間、私たちは現場で昼食の準備です。今日はクワガタ採集どころではなくなりそうですね。 お湯を沸かしてラーメン、コーヒーの簡単な昼食です。 ![]() 右からコンちゃんさん、あ〜さん、LAwinさん、あいあん 昼食を終え、待つこと何時間だったでしょう。午後2時半頃クレーン車到着です。少し冷や冷やしましたが救出作業も無事完了し、 その場で解散することになりました。 「私たちももう帰ろうよぉ。」との問いかけに、 「まだまだぁ。コルリの成虫を見つけるまでは帰れないぜ。」 いつかの展開と同じ。目が血走ってます。 やれやれ、私もしかたなくまた運転席に座ります。峠をめざして林道を上がります。 すると、あれ? 解散したはずのみなさんが私たちのあとをついてきます。 「ここまで来て手ぶらでは帰れない」そうです。本当にみんなくわ馬鹿なんですね。 もう陽も西に傾き、あたりは夕暮れの気配の中、彼は峠でコルリクワガタを採集したようです。 ![]() その後、コンちゃんさんも、あ〜さんも、LAwinさんも全員採集しました。おめでとうございます。 私は今回は見つけられませんでしたが、全然気にしていません。だって、私はムシが嫌いなんですよ。 あー、早く彼のムシ趣味熱が冷めてくれないかなぁ、と思う今日この頃です。 おわり。 くわ馬鹿99夏号 目次へ 注:「伊豆編」は「あ〜さんのクワガタ採集記」に投稿したものを「くわ馬鹿」用に修正しました |