ラトビア昆虫学会、甲虫部門
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キーワード:甲虫クワガタ属, バルト海地方、動物相

今回調査の対象とした地域は以下のようになっています。 ヨーロッパ諸国: デンマーク(DK), ドイツ(D), ポーランド(PL), ラトビア(LV), リトアニア(LT), エストニア(EE), ベラルーシ(BY), カレリア地方(NW Russia, RU), フィンランド(FI), スェーデン(S) 及びノルウェー(N) - 図.1.

図. 1. 調査地域

DK, D, FI, S, Nのような西部及び北部ヨーロッパ諸国においては、長期間に亘る集中的な人間の経済活動によって大規模に破壊され続けてきた自然環境が存在します。こうした国々には、元々の自然状態をあまり変えられる事なく残っているビオトープも存在し、これらは保護地域として指定されています。東部ヨーロッパ（特に旧ソ連邦に属する共和国）においては、長年に亘りあまり集中的ではない農法が施されて来た結果として、かなり広範囲の自然が破壊される事なく残されています。こうした国々においては西ヨーロッパに比べ、原生ビオトープがそれ程の問題を抱えているとは言えません。

クワガタ虫は倒れた木や古木の腐った部分で発生します。このように古木、枯死木と深く関わっているためにクワガタ属は古い森や公園に発生するのです。彼らにとって環境がより適している為、クワガタ属はバルト海地域の東側の国々(PL, LT, LV, EE, BY, RU)により多く見られます。
 

バルト海地域の全種の成虫の同定には何の問題もありません。しかし、幼虫の同定はそれ程簡単ではありません。T.-E.LEILER(1950)は、スェーデンのクワガタの幼虫の同定のキーとして次のようなものをあげています。私達の地域のクワガタ属のいくつかの種の肛門部の図を示してみます。Fig.2.

図. 2. クワガタ属の幼虫の肛門部（上段は尾部、下段は腹部から見た図）

K. HURKA (1978)も、クワガタ類幼虫の同定のキーを示しています。