コルリ&ミヤマツヤハダの採集(5)
by えりー


1998年11月08日,長野県Ch山
前の晩遅くまで起きていたせいもあって朝は辛かった.本当は朝早く起きて温泉宿の周囲でコルリ採集をするつもりであったが,寝坊してしまった.ちゃんと寝ていた同室のSさんは早めに起きて朝から露天風呂に云ってきたという.他のエサケリストも夜更かしをしたようでまだ起きて居ないようだった.人気がないならのんびり朝湯を楽しめるなあと思い私も露天風呂へ.小さな堰が湯の向こうに見える.朝日が立ち登る湯気に反射している.今日もいい天気だ.どうです?良い露天風呂でしょう(^^)


エサケリストの会は朝食後の記念撮影でお開き.お昼のお弁当をたのんであったのでそれをもって安達さん,Sさんとともに採集に出かける.目標はなんといってもホソツヤルリクワガタである.このあたりが西限であるようだが,予定のポイントではあるエサケリストがホソツヤルリを相当数たたき出したとのこと.まだ残っているだろうか.

安達さんが友人から聞いたというポイントは料金所手前のバス停から左の斜面.針葉樹が鬱蒼と茂り湿度はあるが,登りにくい,材を見つけにくい場所であった.昨日の乗鞍岳とも,福井とも全然違う.所変われば様変わるとは良く云ったものだ.下はコルリのマーク.湿度の多い材であることがわかるだろう.


私は6匹ほど幼虫をだしたところでポイントを変更することになった.最初のポイントから少し下におりて南向きの日当たりの良い斜面.しかし,木の種類はミズナラ,シラカバが中心であった.3人が3人ともこんなからからに乾燥した斜面にいるわけねーよなあと思っていたに違いない.しかし,いきなりからから,がちがちの材でマークを見つけたのはSさんだった.下の写真のようにひび割れがおきるくらい堅いひからびた材である.


「マークありますよ」
うそ〜とおもいながら私もからからの材を見てみたら・・・ある.しっかりある.そして,しっかり幼虫も入っているのである.材は福井では信じられないような乾燥具合で,こんな環境で良く幼虫は生きていられるものだと思った.しかし,少しでも地面に接している場所では材にはそれなりに湿度があった.マークは地面に接した側に多かった.安達さんやSさんは成虫を出していたが,私は幼虫だけであった.


ここで,お昼になったのでお弁当をたべて次のポイントに移ることにした. といっても,ここは3人とも状況をまったく知らない場所である.ここに来る途中に周りの様子は見ていたのでどこかしらポイントはあるだろうとは思っていたが,なかなか良さそうな場所が見つからない.やはり北西斜面を攻めるというセオリーにしたがって,地図上で山の西側斜面にある沢を目指してキャンプ場から側道に入った.そこは山を下りる道であったが下り坂の部分は植林ばかりで全くダメ.しかたなくうろうろまわった挙げ句キャンプ場にほど近い場所の斜面を当たってみることにした.みんな遠くから長野に来ているので,それなりの成果なくしては帰れない.ゲート前で車をおりて林道を歩きつつまず,右手の下り斜面でマークを探すが,斜面は思った以上にきつい場所のうえマークは皆目見つからない.口々にここには居ないんじゃないの〜?と云っていたが,今度は左手の登り斜面のひょいと材を持ち上げたらマークがある.さあ,居ると分かればこっちのものだ.皆本気になって斜面を登り降りして材を探し始めた.

夕日が傾くまで採集してこの日は終わり.私は結局成虫が採集できなくて幼虫を〜20ほど集めただけだった.安達さんとSさんは何匹か成虫もゲットしていたが目的のホソツヤルリではなくてコルリだったようだ..材の状況から考えてわたしの幼虫もおそらくコルリだろう.もっともコルリとホソツヤルリが同じ材からでることもあるようなので,なかにホソツヤルリがいてくれることを祈るばかりである.結果をみれば分かるように同じ場所で他の人と採集すると自分の採集レベルが推し量られる.安達さんやSさんの採集レベルにはまだまだ遠いようだ.早く追いつきたいものである.


左:S氏さん,右:安達さん.

こうして楽しかった長野での採集旅行が終わった.新しい出会いがあり,コルリもツヤハダも採れた.こういう旅行ならいつでも行きたいものである.順調満帆な小旅行だったが落とし穴は最後にあった.高速代金を浮かせるために,また,距離にしても一番近いので行きと同じ山道を引き返すことにしたのはいいが,あぼう峠で直前にいたのろい大型バスが影になって表示を見落としてしまった.どうも道を間違えてしまったらしい.飛騨高山という表示がいつのまにか消えている.ガソリンはそこをつきかけており,あと何km走れるか分からなかった.高山市街でガスを入れるつもりであったのだ.距離的には市街地に到達するほどの距離を走っていたのにルート表示も行き先表示もない真っ暗な山道が目の前に続いてた.そこで,はたと現れた表示は「神岡XXkm」.ニュートリノの世界的研究機関スーパーカミオカンデがある神岡は・・・富山県だよ〜.間違って北上してしまったのだ.いまさら亜暴峠までもどるのは大幅な時間のロスであり,まずもってガスが足りない.ここまでの道はガソリンスタンドなど影も形もない山道である.地図で確認する限りここから神岡経由で富山市までは一本道であったし2〜30kmも走れば市街地に入りそうだ.GSもあるだろう.災い転じて福となったか?市内で給油して高速にのってしまえばあとは楽ちんであった.家にたどり着いたのは午後9時前であった.こうして楽しい長野採集旅行が終わった.


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