まず断っておきますが、共生菌の話、僕は全くの無知でちょっとしか知りません。
従ってクワガタの共生菌の伝搬には全然関係ないものが含まれていると思います。
これらを理解頂いた上で、参考程度にお読みください。
・伝搬
共生菌の伝搬経路にはいくつかあるようだが、まったく関係なさそうな物を除いて記述
します。
A.産卵時に卵が母虫から産み落とされる際に体内で自動的に塗布され、孵化した
幼虫が卵殻の一部または全部を後食して取り込む。母虫の産卵管と腸管が連結
してる場合が多い。(再感染型)
B.食材に対して母虫が真菌を接種して菌培養する。母虫の口腔部に菌貯蔵部を持つ
場合が多い。(体外外部共生型)
C.細胞感染による共生。この場合も感染源は母虫からであり、これらでは体内に菌細
胞という細胞に含まれ、そこから菌が卵巣に運ばれて卵細胞に伝搬されるケースや
発生段階で生殖細胞が感染し、生殖細胞が卵巣になった場合のみ菌が残り、卵に受け
継がれるケースがあるらしい。(直接感染型)
D.幼虫の後食による、後感染による共生。外界の餌に含まれる菌を摂取した時、直接
感染型類似の菌を共生する。通常、直接感染型菌を有する場合、類似菌は共生せず、
直接感染型菌を失った場合感染する。この機構は一種の免疫機構によるらしい。
ただし、近似の菌で、本来の効果を得ない菌または効果の低い菌が感染した場合、
成長の低下、致死の原因となる場合がある。(後感染型)
これらに関する物議は不明であるがゆえに尽きない。共生者の引き継ぎに関しては
過去にもいろいろと検討されている。クワ馬鹿10月号 K−sugano氏のくわ馬鹿
第1回アンケート「オオクワガタ飼育、常識の非常識」Q12バクテリアの母虫からの
受け渡しについて もそのひとつであると思う。
このQAではAの再感染型およびBの体外外部共生型の確認を主体としている。
Aの場合、卵表面に塗布された菌はかなりの密度で塗附されるものらしく、簡単な洗浄
では除去しきれないため、薬品による卵表面の殺菌が必要である。
Bの場合は卵のみを移動することで可能であり、飼育に際して当たり前の様に
行われているが、支障をきたさないようだ。
・所在
E.体内菌細胞常駐型。体内菌細胞に常駐し、その細胞でのみ効力を持つ。
F.体外共生型。体外にあってその効力を持つ。
G.体内共生型。体内にあってその効力を持つ。
H.体内外共生型。体内でも体外でもその効力を持つ。