国立科学博物館レビュー(1)   〜天体観測の歴史再発見〜   Takane astronomy club



天文ファンならずとも一度は訪れてみたい上野の森に包まれた国立科学博物館‥ 公式サイトや展示物の解説でその歴史について調べてみると、次のような記載があります‥ 

日本館の1階では、時空を超えて‥移り変わる季節と多様な自然の中で培われた細やかな観察眼と、日々の生活の中で育まれたものづくりに対する独創性。現在に伝えられている当時の文献、作品、道具あるいは装置などは、私たちの科学と技術に関わる活動の跡を雄弁に語ってくれます。

国立科学博物館の公式サイトはhttp://www.kahaku.go.jp/index.phpです。最新の情報はここで確認してください。


 国立科学博物館

National Museum of Nature and Science

〒110-8718 東京都台東区上野公園 7-20

開館時間:通常午前9時から午後5時(入場は午後4時30分まで

休館日:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)年末年始(12月28日〜1月1日)

掲載内容は2016.11.03現在です。

 


国立科学博物館「日本館」(旧:本館)は2007年にリニューアルオープンしました。




国立科学博物館上野本館には、昭和6(1931)年に竣工し、平成20年に国の重要文化財となった日本館と、

平成14(2002)年に建築された地球館があります。11月3日は入館無料でした。


 

 
日本館を上空から見ると、建築された当時(昭和5年)の最先端の科学技術の象徴である飛行機の形をしています。

吹き抜けのドームとステンドグラスで彩られた歴史のある建築物の雰囲気を生かしたレトロでモダンな展示室も見どころです。






司天台全図(浅草天文台)


日本で継続的に星の観測をするようになったのは、江戸時代後期、幕府天文方の浅草天文台からでした。





星座之図 文化10年(1813年) と 星の高度を測る測量器具


 

 



天文成象図(てんもんせいしょうず)1699(元禄12)年

江戸時代初め、日本人の宇宙に対する知識は中国から輸入された星図に依っていた。自ら天を観測し、日本独自の暦や天球儀などを製作した渋川春海は1699年、それまでの中国星座の中に自ら考案した星座61個(星数308個)を加えて独自の製図『天文成象図』として刊行した。座標軸として赤道座標が用いられ、中国由来の星座と春海考案の星座が色分けされて示されている。




天文成象図


 

 

 

 



太陰太陽暦


太陰太陽暦では、月の朔望によってひと月が決定されていました。




貞亨暦(じょうきょうれき)1729(享保14)年版:渋川春海(1639〜1715)により、観測に基づいて日本の経度・緯度に合わせてつくられた、日本で初めての国産暦。1685(貞享2)年より施行された。


 

 



天球儀

紙張子製天球儀実物(江戸時代後期(19世紀)ごろ):谷津家に伝来した紙張子製天球儀で球部のみ残る。経緯度線は距線のほか、西洋流に10度ごとの赤経・赤緯線が記される。黄道は記載を誤っている。




左:紙張子製天球儀実物(1690(元禄3)年):渋を施した紙張子製で、やや小型の天球儀。旧名張藩・藤堂家に伝来した。銅製地平環の裏面に制作年や渋川春海の星図に基づいて製作したことが記されている。

右:黒漆塗天球儀実物(18世紀後半ごろ):旧宮崎延岡藩主内藤家に伝来した黒漆塗の天球儀。星の明るさにより大小の差がある。製作者・製作年代は不明だが、江戸時代後期18世紀後半ごろと見られる。


 

 



トロートン20センチ屈折赤道儀

トロートン・アンド・シムス社製/口径20cm屈折赤道儀(明治13年)重要文化財。日本に初めて導入された本格的な天体望遠鏡。

幕府から暦の作成を引き継いでいた明治政府によって、当時の内務省地理局に新たな観測用望遠鏡がイギリスから輸入・導入された。それがこのトロートン社製口径20センチの屈折赤道儀である。選定などの経緯については判っていないが、後に内務卿となる大久保利通がヨーロッパ視察の途上発注したものとの説もある。

その後天体観測及び暦の編纂が文部省の所管に移ったことに伴い、この赤道儀も麻布に設置された東京天文台(後の国立天文台)に移動されている。天文台が三鷹に移転された際にも同行したが、昭和の初期に新しい大型望遠鏡が設置されてその役目を終えた。




トロートン20センチ屈折赤道儀 と 遠眼鏡(とおめがね)実物(江戸時代後期):望遠鏡は、その発明から間もなく日本に渡来した。しかし、本格的に用いられ始めたのは、18世紀末の寛政年間ごろで、岩橋善兵衛などの望遠鏡(遠眼鏡)製作者も現れた。


 

 



和時計


江戸期の和時計技術の最高峰 万年時計(万年自鳴鐘):暦をより詳しく知るために時計が進化していった。





割駒式尺時計・八角合長掛時計など


 

 



計算機


日本初のリレー計算機 ETL-MARKU 1955年





左:虎印計算器(1924年ころ)、右:電卓からパソコンへ


 

 



月の石(実物) 


アポロ11号、アポロ17号が持ち帰った月の石(地球館地下3階)





月の石(実物) と 南丹隕石


 

 



小惑星探査機はやぶさ/小惑星イトカワの微粒子


小惑星探査機はやぶさ/HAYABUSA実物大復元模型





小惑星イトカワの微粒子を見ることができるのは世界中でここだけ(地球館2階)


 

 



スーパーカミオカンデ


ニュートリノをとらえる光電子増倍管





宇宙の膨張とその起源 〜 物質の究極の成り立ちを探る


 

 


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