目次
■無調整発振器の回路図
■無調整発振器の実験
■回路定数と部品について
■実験結果
■無調整発振器の回路図
水晶は手持ち部品の都合で10.16MHzとしました。オリジナル回路は10.7MHz。
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■無調整発振器の実験
「トロイダルコアの活用百科 山村 英穂 著」では負荷の抵抗値に対する基本波出力電力の変化について
大変興味ある実験結果が掲載されています。
基本波出力電力の計測は高価な測定器がないとできないようですが
負荷抵抗の変化で何がどのように変わるのか?手持ち部品で実験してみました。
無調整発振器の実験の様子
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■回路定数と部品について
▲L1(RFC)の100uHにはマイクロインダクターを使用しましたが問題なく発振しています。
(インダクタンスは不明、現在調査中)
▲周波数、タイプの異なるクリスタルをいくつか実験してみましたが、回路定数を変更しなくても
全て発振しました。
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■実験結果について
私はスペクトラムアナライザーを持ってませんからシンクロスコープで発振出力波形を確認します。
この実験を通して次のことを発見しました。
■コレクタ電圧のピークは電源電圧をはるかに超えています。
これには驚きました。電源が12Vの時、ピークは23Vに達しています。
■RFプローブをテスターにつないで測定してみると負荷抵抗(R4)の電圧はDC10Vでした。
相当高出力です。「トロイダルコアの活用百科」のデータでは負荷抵抗560Ωで約90mWあります。
■負荷抵抗R4(560Ω)の変わりに5kΩのボリュームを取付け、コレクタ電圧波形を見ながら
負荷抵抗を変えてみると、波形の振幅と形が変化します。波形歪みが変化すると言うことは
基本波と高調波成分の割合が変化していると言うことでしょう。
「トロイダルコアの活用百科」に負荷の抵抗値によって基本波出力電力が変化すると解説されて
いますが、なんとなく理解できました。
■RFC(L1)を560Ωの抵抗に変えてみると、コレクタ電圧のピークは電源電圧以内に収まります。
発振はしますが、発振出力が半減しています。
■RFC(L1)を2.5mHに変えてみましたが、問題なく発振します。
回路定数はあまりシビアでないように感じました。
■RFC(L1)を小さなコイルに変えてみるとたいていの水晶が3倍のオーバートーン発振を
するようになりました。(コイルのインダクタンスは不明、現在計測する手段を考えています)
■実験に使用した水晶と出力発振周波数の計測値
水晶の型式 | 水晶周波数 (MHz) |
発振出力周波数 の計測(MHz) |
備 考 |
24.5S4F | 24.574 | ||
10.16 | 10.161 | ORION | |
4.9152 | 4.9154 | パソコン用 | |
7.020 | 7.0166 | YD | |
16.740 | 16.739 | KDK | |
6I6-I | ? | 10.702 | MEW |
■2.5mHのRFC(上)と3倍オーバートーン発振するようになった小さなコイル(下)
■電源12V 10V/div 200ns/div 発振出力周波数は10.161MHz
コレクタ電圧のピークは23.7V
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