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雑感

99年10月20日 信じられない弁護士議員

 ごぶさたしています。実務修習も第2期に入りました。弁護士修習が終わり、今は検察修習です。検察修習のはじめの方はいろんな機関の方の講義が多かったのですが、それも一段落し、今日からは一日中「捜査実務」にたずさわることになりました。

 捜査実務というのは、検事がやる捜査と同じことを、検事の手足となるという形で自ら行うのです。具体的には、被疑者や参考人の取り調べ、警察への補充捜査の指示、起訴・不起訴の検討などです。今はまだ、前述のように講義続きだったせいもあって、参考人を一人取り調べただけですが、人から事実を聞き出すというのはなかなか難しいと実感しています。

 今日は午前・午後と捜査記録の検討や捜査報告書の作成をやっていました。書類一つ作るのも、書式とか記入の仕方とか戸惑っています。

 夕方からはパトカー試乗というのがありました。パトカーに警察官と同乗して、パトロールの様子を見学するのです。私が乗ったのは第1管区、淀川以南大和川以北の区域を管轄する部署のパトカーでした。幸か不幸か、事件処理現場には出会わずにすみました。


 家への帰途で本屋に立ち寄って週刊誌のコーナーを見渡すと、「週刊プレイボーイ」にお騒がせ議員西村眞悟議員のインタビューが。ちらっと見たが、くだらなさそうなので買わずに帰った。ところが、家に帰ってメールチェックすると、この議員、核武装うんぬん以外にもとんでもないことを言っていることが判明。具体的にはこちらをご覧いただきたいのだが、男は法律で禁じられなければみんな女を強姦する生き物であるかのような発言をしている。これは女性の人権を害することはもちろん、西村氏本人以外の男性を西村氏と同列のものとして扱い、その品位を著しく害しているものだ。貴方となんか一緒にされたくないよ、西村さん。この男は以前から品位のないヤジで知る人ぞ知る存在だったのだが、政務次官になったせいで下品さが遂に広く知れ渡ったんだなあという感じである。

 しかし、法律で禁じられていなければ強姦するなんていうのは、女性に対する思いやりがもともとは無く、法律で禁じられているから姦淫しないということであり、人権感覚がゼロではないかとの疑いを持ってしまう。姦淫しないというのは、(こんな言葉は濫用されると困るのであまり使いたくないが)人倫であり、自民党や自由党が普段から強調している倫理の根本に当たるものではないか。なんか矛盾を感じる。それとも、法律で禁じられなければ何でも自由だから、法律で禁止されなければ強姦も自由ということなのだろうか。

 とにかく、こういうことを言う人が大阪選出の国会議員だというのだから呆れる。さらに迷惑なのは、このヒトが弁護士出身であるということである。大阪で弁護士として活動する際には、このようなヒトといっしょくたにして扱われる可能性があるというリスクを考えなければならないのである。ああおそろしい。もっとも、ちょっと前に時の人だった某弁護士も「女性は男が一生懸命働いている時に出産だとか子育てだとか何とか言って休むので、うちの事務所では女性は取らない。」旨の発言をして物議を醸したことがあるらしいから、女性蔑視発言は大阪の伝統なのか?そんな伝統は不要だし、今回の発言は差別の域を越えた、人格蹂躙発言で、個人的には懲戒処分になってもいいという気がする(実際には無理だが。)。

 ただ、こんな人でも選挙で選ばれた人である。次の総選挙ではこのようなヒトを議員に選んだ選挙区の人の良識が広く問われることになるのだ。選挙区の方はこのような発言の意味をよく考えて投票してほしいと思う。
 


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