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久しぶりの更新になります。４月から司法修習が始まり、もう２か月近くになります。
司法修習って何か、についてはこちらのページをご覧ください。私と同期で同じクラスの人のページです。
この司法修習、今年から１年半に短縮された反面、教える内容は落とさないようにしようということで、カリキュラムがかなり詰め込まれるようになりました。修習生の多くは「こんなはずじゃなかった！」と言っています。私も同感です。
でも、まわりの友達に話しても誰も同情してくれません。まあ、残業なしで（宿題はあるけど）４時50分に講義等が終わるのは、残業が当たり前だった公務員時代を思うと楽ですし、カネをもらってロースクールに通っているといういい身分といえばいい身分ですからねえ。
司法修習の内容自体は、カリキュラムを別にすれば、工夫されていると思います。教官（スチュワーデス物語を思い出した。←さむっ）はみなさん熱心に講義してくださいますし、個人的には、内容も分かりやすいと思います。噂を聞いていても、私たちの組は教官に恵まれていると思います。いやマジで。
てなわけで、通常の講義の方はまあよいのですが、起案というのがなかなか大変です。起案というのは、与えられた事例を基に、判決書、起訴状、訴状などの案を作成し提出するというもので、研修所の教室で作成する即日起案と、自宅で作成し翌朝提出する自宅起案があるのですが、今期はほとんどが即日起案です。即日起案の場合、限られた時間の中で資料を読み、文章をまとめあげるのはホント大変です。うーん、事務処理能力はまあそこそこあるだろうと自分では思っていたのだが・・。
その他、修習について、また寮生活（私は現在寮生活を送っています。）について感じたことはかなりあるのですが、それはまた別の機会にします。
話は変わりますが、通信傍受法案が先週末に衆議院の法務委員会を通過してしまいましたね・・。うーん、公明党は何を考えているのだろうか。公権力が盗聴を行う権限を持つっていうことがどんなことなのか、分かっているはずじゃないの？警察にもたくさん創価学会員を送り込んでいるから自分たちは大丈夫なんて思っているんじゃないだろうな・・。それとも上層部が自民・自由党サイドにヒミツを握られて脅されているとか・・。
だいたい、盗聴っていうのは、会話の一部だけを聞くって言うんじゃ意味がないんだよね。会話っていうのは前後の文脈を併せて聞いて初めて意味が分かるっていうのが通常なんだから。そうすると、犯罪に関連する部分だけ聞いて残りは聞きませんなんてことがホントにできるのかはなはだ疑問。
それに、修正案では対象となる犯罪を絞り込むっていうけど、そんなもんあまり意味がないのでは。理由なんていくらでも考えつくのよ、役人は。また、当初に説明された目的とは別のところで法律が適用されるなんていうのは、破壊活動防止法なんかの例をみれば明らかだと思うが（そういえば破壊活動防止法の改定を法務大臣が示唆していたが、あれも変だ。破防法のように人権侵害の可能性が高い法律は即刻廃止すべきだと思う。オウムについては、現在活動中の団体に過去の教団の犯した行為についての賠償責任をきちんと負わせる方向で対処すべきなのだ。）。
あと、麻薬や覚せい剤犯罪の密行性が高いことも法制定の理由に挙げられているけど、だからって盗聴をすぐに認めていいの？他の捜査方法では本当に見つけられないのか。怠慢なだけじゃないのか。それに、盗聴を認めたからって必ずしも見つけられるとは限らない。だいたい、盗聴されている可能性があると知ったら、電話やＥメールも注意してやるから、犯罪検挙に役立つ度合いはそんなに高くないのでは。その辺は悪いヤツほどよく気づくものだろう。今日受けた刑事系の講義でも、悪いヤツは現場にすぐ分かる証拠を残さないものだと講師の人が言われていた。逆に、密行性のある犯罪っていうことは、やっている可能性があるかどうかもなかなか分からないっていうことだから、警察の主張のとおり、盗聴を行う「相当の理由」があるって認めるしかなくなるんじゃないか？そうしたら盗聴は事実上野放しだ。プライバシーなんてホントなくなって、国民は電話をしたりＥメールを出すにも萎縮しなければならなくなってしまう。
麻薬・覚せい剤事犯というのは刑も厳しい。覚せい剤は暴力団の資金源ともなるし、人を狂わすものだから、厳罰をもって臨むっていうのは理解できないこともないけど、上述のような理由から、取り締まりのために盗聴までやらせる必要性があることか、と思う。
今日の夕刊で、委員会の強行採決に反発して民主・共産及び社民の３党が審議拒否をしたと出ていた。ことがことだけに安易な妥協はせず、この法案成立阻止に全力を尽くしてほしいと思う。