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雑感

7月2日 うさんくさいだけじゃあね・・。

 今日は朝から商法。手形法のうち手薄なところをすることに。しかし暑くて進まない・・。予定の範囲を縮小して残りは会社法の残りと一緒に明日回しに。泣いても笑ってもあと17日である。


 ところで、三浦和義被告に無罪判決が下った。そう、あのロス疑惑事件の、である。

 この人については言動がとにかく突飛で、目立ちたがり屋なせいか、毀誉褒貶(というか、ほとんどがおとしめる方ばっかりだけど)かまびすしい。今回の無罪判決についても、被害者の親が、「裁判所は三浦被告がどういう人間なのかよく見て判断してほしい」と言っているくらいである。

 しかし、被告の人格と、その人が有罪かどうかは別問題である。一見人格高潔な人が、ふとしたことから殺人を犯すことがあるのの逆で、一見いかにも怪しい人だからって、殺人者とは限らないのだ。それに、疑惑の渦中に置かれた人が黙り続けていたら、どんどん追い込まれてしまうのが今の日本の現実のようにも思う。そういう状況下ではこの人のように積極的にマスコミに自らの立場を主張していくというのは必要なことであり、非難されるほどのことではないのではないか。確かに、「出る杭は打たれる」ということわざをわきまえた方がよかったのではないかという感じを起こさせる人ではあったけれども。

 そもそも、今回の訴訟、よく一審で有罪判決が出たものだと思う。第一審判決は、三浦被告を共謀共同正犯、即ち、自らは殺害行為をやっていないが、殺害の共謀=計画に加わった者として有罪としている。その際、実際に殺害行為を行った者が誰かを特定せずに、三浦被告にその誰だか分からない者との間で共謀を行ったものとしているのである。こんな事実認定あっていいのかと、刑事訴訟法選択の私の友人は嘆いていた。新聞に載っていた元検事の人の話では、起訴するかどうか検察内部でも議論があったということを言っていた。それだけ、証拠に関して不完全だったのだろう。一審の有罪判決は、三浦被告がやったに違いないというマスコミの眼に毒されたのではなかろうか。今回の判決については、やっぱり東京高裁はまともだね、という感を受けた。

 今回の判決で興味深いのは、マスコミの報道に対しても、疑惑の対象となる人がいかにも有罪であるかのような報道をしがちであると批判している点である。まあ、無罪というよりは、「犯人はあいつだ!」と言った方がインパクトがあるから、報道もついそういう方向に流れるんだろうけど。でもこれについては、「なんか、攻撃対象を間違っていないか?」という気がする。憲法で習ったことだが、マスコミが報道の自由を享受するのは、それによって国民がいろんな情報を知り、国政に対する批判検討能力を養うことができるという点にある。こんなスキャンダルを追うことよりももっとやることがあるのではないか。もっとも、何でもかんでも役所を叩けばいいというものでもないが。

 果たして検察は今回の事件について最高裁判所に上告するのだろうか。そこまで面子にこだわらなくてもいいのではないか、と思うのだが。


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