問題1-1-2 解説

\(n\) 番目の惑星の軌道半径 \(a_n\) が \(a_0\) と \(p\) を定数として,等比数列 \[ a_n = a_0 p^n, \] で近似されるならば,両辺の対数を取って,次式を得ます. \[ \log_{10}a_n = \log_{10}a_0 + n\log_{10}p. \] 従って, \(n\) を横軸に \(\log_{10}a_n\) を縦軸に取りデータを片対数グラフにプロットすれば,直線に並ぶはずです.そして,直線の回りにデータ点が分布する様子から,等比数列による近似が妥当かどうかが判断できると期待されます.また,小惑星ケレスを除外する場合と含める場合のグラフの比較は,小惑星帯の起源を考察するのに役立つかも知れません.下図はその結果で,左と右はそれぞれ,ケレスを除外した場合と含めた場合です.

    惑星軌道半径が等比数列に従うかどうかのグラフ(小惑星ケレスを除外)   惑星軌道半径が等比数列に従うかどうかのグラフ(小惑星ケレスを含む)

やはり,小惑星ケレスを含めた右のグラフの方がデータの直線性は良いようです.右のグラフから近似した等比数列は, \[ a_n = 0.204\times 1.73^n, \] となりますが,チチウス・ボーデの数列, \(a_n=0.4+0.3\times 2^n\),の方が \(a_n\) の予測値は実測値に近いです.どちらにしろ,これらの数式には物理的背景は考えられないので,詳細な議論は不要と思われます.