問題1-1-1 解説
この問題ではケプラーの第3法則を題材にして両対数グラフについて学びます.まず,対数グラフにはゼロという目盛りはないことに注意してください.また,「1」の目盛りの次の細い点線の目盛りは「1.1」ではなく「2」,その次は「1.2」ではなく「3」,などと注意が必要で,他の桁についても同様です.
さて, \(T^2\) が \(a^3\) に比例するならば, \(k\) を比例定数として, \[ T^2 = k a^3. \] 両辺の対数を取ると, \begin{eqnarray*} 2\log_{10}T & = & \log_{10}k + 3\log_{10}a, \\ \log_{10}T & = & {\scriptsize \frac{1}{2}}\log_{10}k + {\scriptsize \frac{3}{2}}\log_{10}a. \end{eqnarray*} よって, \(\log_{10}a\) を横軸に \(\log_{10}T\) を縦軸に取ってデータをプロットすれば,傾きが 3/2 の直線になるはずで,結果は下図のようになります.
グラフの傾きを確かめるには,
- 直線がグラフで占める縦と横の幅を測って比を取る(12.0 cm/7.99 cm = 1.50).
- 直線の傾き角を分度器で測る(tan(56.5°) = 1.51).
- 直線から外れるデータはないので,水星と海王星の2つのデータから計算する.
(log 164.77 - log 0.2409)/(log 30.11 - log 0.3871) = 1.50
などが考えられます.