ログハウスの施工11
室内の様子

 キッチンです。これはI型です。機能的にいうと、シンクの一番手前に冷蔵庫があるとよいのですが、少し離れた背中側に置かれます。

キッチンのレイアウトはやはり、レンジの位置がポイントになります。普通は壁際に作ることが多く、防火上と機能性から、ログ壁の手前に新たに壁を起こしてタイルや石で仕上げます。その壁に吊り戸棚をつければ、セトリングの問題もおきません。

シンクと向き合った、ワーキングユニット(作業台)です。写真のような吊り戸棚もセトリング対策をしなければなりません。

ゆったりとしたトイレです。右の袖壁の裏側に小便器、左の袖壁の裏側に手洗いがあります。スペースに余裕がありますので、車椅子でも通れるように大きなドアをつけています。窓の上部に板の部分が広くとってありますが、ここに換気扇がつきます。器具が遅れているためにまだ取り付けていません。小さな換気扇などはログ壁を抜くのは大変なので、窓部分に組み込むのが楽です。ユニットバスの換気は上にあげて妻壁の下部で外に出しています。

和室の押入です。木製の建具も良いのですが、やはり、開けたてが重いのが難点でした。ここは、襖にするか、あるいは敷居にVレールを埋め込むべきだったかもしれません。和室なので、鴨居のつく高さでセトリングスペースを取っています。

リビングか見た和室です。八畳間ですが、ログ壁芯?ログ壁芯が4500ミリの中に、押入を作っていますので、畳はやや小さめになっています。座卓は樹齢数百年の米杉の一枚板です。手前のリビングとの間の建具は解放感と通風を考えて観音開きにしてあります。

リビングの吹き抜けです。棟木の高さは7メートル近くあります。黒く見えているのは下にあるストーブの断熱二重煙突です。

リビングに作られた折り返し階段です。セトリングは一番上でとっています。丸太を使った階段は手間がかかり、スペースも多くとりますが、ログの雰囲気を作り出します。

吹き抜けを見下ろしています。リビングは採光と通風を主に考えています。住宅は一時、高気密、高断熱が流行しましたが、やはり、通気断熱が日本の気候に最も適しているようです。ログの場合、吸湿素材である材木を大量に使うのですから、できるだけ自然の恵を受け入れたいものです。この住宅ではおそらく、70?80立方メートルの材木を使っていますので、吸放出される水分は10t以上になります。

階段上部より、フリースペースを見ています。掃きだし窓の向こうに軒天井が見えています。この住宅の屋根は壁芯より2メートル出ています。この屋根の大きさがログを守ります。

また、手すり子は小径の丸太を180ミリピッチではめています。内法は130?140ミリになり、幼児の頭も通りません。

二階の部屋です。ベランダの出口にはロータリー網戸をつけています。外部ドアにはこの網戸が便利です。この部屋の採光は主にベルックスの天窓でとっています。

二階のもう一つの部屋です。ここは屋根の谷がありますので、少し面白い形の部屋です。ログの場合、二階は屋根裏の形になりますので、平面図だけでは実際の部屋の大きさを想像しにくくなります。設計の段階でこの点を良く考えてレイアウトをしなければなりません。

ログハウスは収納に苦労します。別荘と違い、住宅の場合は特に気を使います。この部屋には隅に収納をつけてみました。内部は斜めになっていますが、意外に収容力があります。