ログハウスの設計その2

では、具体的に設計してみましょう。ログハウスでは太い丸太を使うので、設計の基本単位は在来工法の尺(303ミリ)ではなくメートルモジュールを使います。つまり、在来工法では3尺(910ミリ)や6尺(一間・1820ミリ)を多く使い、床面積も5間*6間=30坪などと考えます。しかし、ログハウスでは内法(うちのり)を少しでも大きくとりたいので、3尺(910ミリ)ではなくメートル(1000ミリ)を使うのです。

今回は11メートル*6メートルのログハウスを設計してみました。日本に輸入される丸太は長さが12メートルまでが限界ですから、あまり大きなログハウスは屋根の方向によっては棟木などを継がなければなりません。その点、このプランは6メートル方向に棟木がかかりますので屋根の出を大きくしても、まったく問題ありません。長手方向のログ壁の長さは11メートルにおさえました。ノッチ(丸太の交差部)からの残りを50センチづつと考えると、これが一本の丸太を通して使う場合の限界です。

一階部分は丸太であまり細かく部屋を区切ると、手間と丸太の本数がかかるうえに、室内が狭くなってしまいます。ログハウスでは基本的に日の字や田の字または目の字型を考えれば良いでしょう。


山の住宅基本プラン(図面は次ページ)

 山の住宅基本プランは、夫婦子供一人で考えました。このプランの特徴は左右対称であるので玄関の位置も変えられます。二階は壁の位置を決めて子供部屋を作ります。

基礎はコンパネ一枚分の高さの布基礎とし、コンクリートで土間を作り高さ1800ミリ程度の地下室を作りました。寒冷地では基礎の外側にウレタンフォームなどで断熱をすると効果があります。又土を盛り上げると地熱によりかなり温度は一定に保たれます。この場合、注意することは地下室の防水と湿気対策です。

山の家なので暖房だけを考えますと、経済的で丸太によいと思われる暖房として温水式の暖房を薦めます。窓の下などにパネルヒーターを設置して温水を通して暖め、あとは薪ストーブを併用します。二階は一階の暖房熱だけで十分です。

次に建具の性能についてですが、気密性の良いもの、ガラスはペアーガラス以上のものを薦めます。断熱材は性能の良いもの基礎断熱温水暖房の場合は床の断熱材はいりません。

ログハウスの丸太の壁は暖まりにくいが、冷めにくい特性をもっています。適度な換気と優れた断熱性能により、四季を通して快適に過ごせるものと思います。

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