Will Success Spoil Rock Hunter? ★★☆

1957 US
監督:フランク・タシュリン
出演:ジェーン・マンスフィールド、トニー・ランダール、ジョーン・ブロンデール

上:ジェーン・マンスフィールド


「Will Success Spoil Rock Hunter?」は、ジェーン・マンスフィールド主演作品の中でベストであると見なせます。彼女が演じているキャラクターの芸名は、恐らくリタ・ヘイワース+ジーン・ハーローをもじったものと思われるリタ・マーローであり、明らかに彼女はプラチナ・ブロンドのジーン・ハーローをパロっていると考えられるとはいえ、ここにいるのは紛れも無くジェーン・マンスフィールドその人です。同時に、トニー・ランダールの作品でもあり、彼の小市民的なキャラクターが存分に活かされています。それに加えて、ジョン・ウイリアムズ、ジョーン・ブロンデール、ヘンリー・ジョーンズといった実に手堅い面々が脇を固めています。広告会社に勤めるロック・ハンター(トニー・ランダール)が、口紅の宣伝に大スターのリタ・マーロー(ジェーン・マンスフィールド)を起用しようとして、逆に彼自身がリタ・マーローの「lover boy」として有名人になってしまうというストーリーが繰り広げられ、成功は果たして彼をダメにするであろうかというタイトルはそこに由来します。特筆すべきは、冒頭のテレビコマーシャルのパロディです。驚くべきことに50年代の半ばに製作された作品の中で、早くもテレビコマーシャルのパロディが行われているのは、コマーシャリズムの国アメリカならではのことでしょう。しかも、50年代の作品とは思えない程、洒落た呈示のされ方がされているのにはもっと驚かされます。恐らく、冒頭のこの部分だけを取り出せば、80年代の作品と称しても、誰もが信じるのではないかとすら思われます。いずれにしても前述したストーリー展開と合わせて考えてみると、コマーシャリズム批判、マスメディア批判の萌芽があちこちに見出され、単にジェーン・マンスフィールドの胸の大きさのみがウリである作品ではなく、むしろ現代的な社会風刺すら含まれる興味深い作品に仕上がっています。


2001/04/14 by 雷小僧
(2009/01/16 revised by Hiroshi Iruma)
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