MIB ★★☆
(Men in Black)

1997 US
監督:バリー・ソネンフェルド
出演:トミー・リー・ジョーンズ、ウィル・スミス、リンダ・フィオレンティーノ、ビンセント・ドノフリオ

左:ウィル・スミス、右:リンダ・フィオレンティーノ

実を言うとコンピューターグラフィックス等の最新テクノロジーを使用した最近の映画は、どうにも中身がスカスカだなとしか思えないようなものが多いように少なくとも私目には思えてしまうのですが、そういう技術がうまく活かされているなと思われるジャンルの1つにこの「MIB」のようなコメディ的要素が多分にあるSF或はアドベンチャーというジャンルがあります。他には「マーズ・アタック!」(1996)やもう少し最近では「ハムナプトラ」(1999)等が思い浮かんきます。半ばお遊び的な効果としてそういう技術を使った方がよりよく活きてくるというのは何とも皮肉に聞こえるかもしれませんが、逆に言えばこういう映画というのはそのような最新テクノロジーをまさにお遊び的なポイントで使用しているが故にあまりそれにドップリと漬かってその効果だけに頼っているわけでは決してないということが言えるのかもしれません。たとえばこの「MIB」の面白さの1つに、自分だけしか知らない秘密を自分は知っているんだという子供の頃よく持っていたような満足感或はそれに対する憧れをうまく喚起させるという点が挙げられます。要するに黒いスーツに身を包んだ男達というのは壮大なる秘密を共有する選ばれし人々の集まりなのです。こういうポイントが実に魅惑的に語られるのがこの映画の素晴らしさなのであり、決して最新技術を駆使した特殊効果をこれでもかこれでもかと押し付けてくるところにこの映画のエッセンスがあるわけではないのです。つまり、子供心を再び喚起するような面白さを引き立たせる為にそういう技術が使用されているのであり、その逆すなわち特殊効果をどうだ参ったかと見せる為にそういう題材が選ばれているわけでは決してないのです。そういう点及び宇宙人達のコメディ的な登場の仕方のバリエーションが実に楽しい映画であり、見る者を楽しませようという製作者側の意図がよく伝わってくる映画であるように思います。


2001/05/13 by 雷小僧
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