フランス・ニュイエン
(1939- )

南太平洋
(1958)
誘惑の夜
(1962)
ダイアモンド・ヘッド
(1963)
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一口メモ


フランスはマルセイユで生まれた彼女は、フランス人と中国人のハーフのようであり、東洋を彷彿させる長い黒髪が1つのトレードマークでした。と言いつつも、一応名前に敬意を表して国籍はフランスにしましたが、フランスの女優さんであると言ってしまえば、それにはいかにも無理があります(同様に中国の女優さんとも言い切れないところでしょう)。同じく西洋人と東洋人のハーフであるナンシー・クワンと共に、かつてアジア各国が植民地化されていた植民地主義時代の最後の置き土産であると言えば張り倒されるかもしれませんね。そのような出自の共通性からか、彼女とクワンには他にも共通する点が多々あり、ニュイエンがブロードウェイバージョンの「スージー・ウォンの世界」で人気を博したとすれば、クワンをメジャーにしたのも映画バージョンの「スージー・ウォンの世界」(1960)でした。また、ニュイエンは「誘惑の夜」(1961)で、クワンは「スージー・ウォンの世界」で、それぞれウイリアム・ホールデンのお相手を務めていました。実は、お相手を務めたと言っても、クワンもニュイエンも当時既に大スターであったホールデンをむしろ振り回していたと言う方が正しく、妖精的でエネルギッシュなキャラクターが彼女達共通の大きな特徴でした。言い方を換えると、西洋人と東洋人のハーフであった彼女達は、ハリウッドから見ればマージナルな存在であったはずであり(従って外部の世界に住む完全な異邦人でもなかったことになります)、おとぎ話にたとえれば、村はずれの境界領域である森の世界に住む妖精のようなキャラクターが彼女達に割り当てられたと見なせるかもしれません。その彼女の映画デビューは、ブロードウェイミュージカルの映画化「南太平洋」(1958)であり、この作品で彼女は、シスターボーイの異名をとるジョン・カーのお相手をしていました。因みに映画バージョンの「南太平洋」は、ブロードウェイバージョンをおいそれと見ることのできなかった日本においては、かなり人気がある作品であるように思われますが、必要以上に長いことと、折角エキゾチックな舞台が設定されながら上掲画像からも分かる通り最悪とも言える悪趣味なカラーフィルターの濫用による10円ガム的なチープさが目立つため、アメリカではあまり評価の高い作品であるとは言えません。

主な出演作品


1958
南太平洋
1963
A Girl Named Tamiko
1958
大戦争
1964
銃殺指令
1961
The Last Time I Saw Archie
1971
最後の弾丸
1962
誘惑の夜
1973
最後の猿の惑星
1963
ダイアモンド・ヘッド
1993
ジョイ・ラック・クラブ

関連レビュー

現在のところありません。


2007/05/19 by Hiroshi Iruma
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