新宿中村屋 ルパ

 リストの最初にどの店を載せようか迷ったのだけれど、その歴史に敬意を表してこのお店。中村屋では昭和2年からカレーを出してるんだとか。インド独立運動の志士であったボース氏が中村屋創業者の娘さんと結婚し、義父と共に作り上げた味なんだそうである。中村屋のカレーを指して「恋と革命の味」なんていうことがあるけれど、そんなエピソードからきていたわけだ。
 新宿東口にでーんとそびえる中村屋ビルの2Fにあって、いつも混雑してる感のある人気のお店。いかにもって感じのチキンカレーを食べさせてくれる。
 一応、商品名は「インドカリー」ってなってるけれど、インド料理ってほどスパイシーじゃなく日本っぽく食べやすくなっていて、何というかカレーのスタンダードの感さえある。
 薬味が何種類か楽しめるのも嬉しい。食い意地の張った僕はついつい出されたラッキョウやピクルスを全部食べちゃうのであった。

新宿中村屋 ラヴォール

 二子玉川の高島屋地下にあるお店。名前の通り中村屋系のカレーを出してくれるのだが、けっこういろんなアレンジがあって面白い。
 おすすめは和風カリー。山菜やキノコを鳥肉と炒め、和風だしのカリーソースでまとめて刻み海苔をかけてある。この海苔の風味がカレーによく合っているのだ。カレーの味もしっかりとしてるし、さすがの中村屋、やることにそつがない。

モンスナック

 紀伊国屋本店の地下にあるカレースタンド。新宿中村屋のすぐ近所(新宿通りを挟んだ斜向かい)にあって30年以上も営業を続けてるというだけでも、味について信用できちゃいそうな気がする。
 スープっぽい感じのカレーソースで、最初はちょっとイマイチかなあと思うのだが、食べていく内にスパイスの奥深い味が広がって、僕は一時期癖になってしまったもんである。おすすめはやっぱりポークカレーかな。ランチタイムはメニューの中の一品が日変わりで値引きになっている。

トマト

 荻窪にある欧風カレーとシチューのお店。34種類のスパイスを1週間煮込むとかで、確かにすごく手の込んだ丁寧な味がする。店名の通りトマトもふんだんに使ってあるようで、トマトの酸味とスパイスの香ばしさが解け合ったルウは絶品。僕の知ってる欧風カレーの中ではトップかもしれない。メニューによってスパイスの調合なんかも違うらしいので、数多いメニューを一通り試してみたいもんである。
 お勧めはチキンカレー。骨付き地鶏肉がどかんと入ってんのが嬉しいのだ。無論、ポークやビーフもうまいし、タンカレーなんてのもいい。まろやか系が好きな人はトッピングでチーズを頼むってのもいいんじゃなかろうか。
 あと、この店の付け合わせに出てくるタマネギのマリネが実においしい。特製のタレにタマネギを漬け込んで作るんだそうだが、これをチキンにたっぷりかけるとうまいの何のって。

夢民

 横浜カレーミュージアムの小野館長のおすすめ店。高田馬場からちょっと大久保方面にいったとこにある。いつも行列ができてる店らしく、明るい色彩にいろどられた店内にはカウンター席と共に順番待ち用の席ができている。
 おすすめはポパイカレー。ホウレン草とトマトと卵のカレーで、ちゃんとホウレン草やトマト本来の味や食感を残しながらスパイスの香り高いソースが全体をまとめている。煮込まれて全体が溶け合ったカレーもいいが、この店みたいにそれぞれの素材がいきてるのもいいね。
 ベーコンエッグカレーとか野菜カレーなんてのもうまいし、それぞれのメニューのバリエーションとしてチキンやポークやビーフを追加することもできる。トッピングに福神漬とキュウリの漬物とスライスオニオンがあるのも嬉しい。いろんな味を試したくなるから行列ができちゃうんだろうな。

スパイスの秘境

 本店は名古屋にあるのだが、横浜カレーミュージアムにも出店していて関内でも食べられるお店。比内鶏だったか名古屋コーチンだったか、とにかく凄くいい鶏を使ってるのだそうで、評判にたがわず美味。辛いだけじゃなく、タマネギやフルーツからくる甘みが広がってるのが僕には嬉しい。
 やはりご自慢のチキンの旨みを味わえるチキンカレーがおすすめだけど、ポークカレーもまた違った煮込み具合でうまかった。さらにまろやかめなのが良ければチーズカレーなんてのもいい。
 あと、テーブルの上におかれてる白い容器に入ったキャベツ漬け(ざく切りキャベツがスパイスと一緒に酢漬けになってる)も美味かったなあ。

茄子おやじ

 下北沢駅の南口を出てちょこっと歩き、路地をひょいっと入ってったとこにあるお店。さすがのシモキタだけあって、木目調でちょいと小洒落た店構えである。
 店名通りに野菜の美味しいカレー屋さんとして有名なんだけど、僕個人のおすすめはスペシャルカレー。肉も野菜もごてごてっと入ってるボリュームに満足感が味わえる。確か茹で卵とかもあった気がするが、いろんな具がしっかり調和してるのを楽しめるってのが好きなのである。

ゆめや

 こちらは下北沢の北口を出てちょっといったとこのお店。煉瓦っぽいデザインのビルの1階にあって、店内で輸入雑貨を売ってたりするのが下北っぽい。
 水のかわりにジャスミンティーが出てくるし、頼むとパパイヤ茶とかもある。カレーはちょいと辛口だけど、しっかり作り込んだ味わいが美味である。お茶をがぶがぶ飲みつつ食べるってのが気持ちいい。
 おすすめはテリヤキチキンカレー。鳥照焼の上からカレーがかけてあるんだけど、カレーの辛さと照焼の甘さがあいまっていい感じである。

パク森

 JR市ヶ谷駅を出て、橋を渡って曲がって坂を上ってく途中にあるお店(渋谷の道玄坂と横浜カレーミュージアムに支店もできた)。果物をたっぷり使った和風カレーの店として有名で、デリバリーやテイクアウトも可能。
 おすすめはパク森カレー。白いご飯にペースト状のドライカレーがのり、そこにプレーンのルウがかけてある。1度で2つの味を味わえるというわけだが、一度ドライカレーだけで食べたいなあと思うくらいうまい。
 それから大吉カレーってのも美味しくて、これはチキンと大根のカレー。大根の大とチキンのチキで大チキ、それをもじって大キチってことなんだろうか?

ボンディ

 神田神保町の古本屋街にあるお店。神田古書センターという古本屋だらけのビルに入ってて、2階の古本屋の店の奥に奥にと進んでくと見つかる。その隠れキャラ的立地条件と、古本屋内に漂うカレーの匂いがたまらない。
 おすすめはチキンカレー。一度焼いてからカレーと絡めているのか、ぱりっと香ばしい感触がいい味出してる。エビカレーも美味。ミックスカレーを頼めば一度でみんな楽しめる。
 カレーをオーダーすると、まずふかしたジャガイモが出てくる。それにバターをつけて食べてもおいしいんだけど、どうせだったらカレーが出てくるまで我慢して一緒に食べたいとこである。

ペルソナ

 神保町から猿楽町に向かったあたりにあるお店。欧風カレーってことで、これでもかとばかりにコクのあるカレーが楽しめる。
 バターだかチーズだかの乳製品のコクなのでそれが苦手な人にはしつこく感じるかもしれないが、ちょっと辛口で食べるってえとちょうどバランスがとれるかもしれない。メニューはいろいろ豊富だけど、僕としてはこのカレーはエビカレーあたりがいいのではないかと思う。

満天

 神保町から水道橋に向かう途中にあるお店。普通の食堂とカレー屋さんとが隣り合った格好になってるんだけど、カレー屋の方もいかにも下町の食堂って感じである。──女性にはちょっと入りにくい雰囲気かもしれないが、僕はこういう体育会系学生ご用達みたいな店が結構好きだ。
 挽肉とタマネギを使ったもったりしたカレーで、カツとかウインナーとかシューマイとかの具が選べる。値段はかなり安いのに量がたっぷりなのも嬉しいとこだ。普通サイズでも結構なもんだが、ジャンボカレーなんてメニューもあるので腹に覚えのある人はぜひチャレンジしてみてほしい。

M'S CURRY

 笹塚駅を出て甲州街道を渡り、右手に注意しつつ商店街をてくてく歩いていくと見つかるお店。ちょいと品のいいカウンターバーみたいな雰囲気である。
 豚肉と鶏肉と挽肉と野菜のカレーがあって、他に幻のカレーなんてのもある。どうやら日替わりカレーよりも稀少価値があるようで、一度食べてみたいもんである。
 初めて行った時はポークを食べたんだけど、「口当たりは甘く、やがて口に辛みが広がる。全体になんともいえないコクがあり、ポークもとろちととろけていい感じ。付け合わせのキャベツ(バジルや鷹の爪と一緒に、あっさりと酢漬けにしてある)も風味をひきたて……」というのはその日の日記の記述。後日ほかのカレーも食べたけど、やっぱポークが一番である。

とんがら

 三茶の交差点近くのカレースタンド。「とんがら」の四文字と唐辛子のイラストが看板に書いてあったんだけど、もしかしたら「とんがらし」と読ませるのかなあ。
 10数種のスパイスを煮込んだってことで、カレーはぴりっとスパイシー。辛すぎってなる直前のとこで止めたって感じの寸止め感が心地いい。後味にさわやかさが残るのはタイムかなフェンネルかな?
 チキンやキーマなど数種類のカレーに加え、店内のボードには日替わりのメニューものっている。サフランライスは大盛り無料だし(汁けの多いカレーなので大盛りくらいが丁度いい)、ナンとライスのセットなんてのもお勧め。


変竹林

 小田急の代々木八幡駅&地下鉄千代田線の代々木公園駅の近くにあるお店。代々木公園からも結構近いので、公園をぶらつくついでに寄るってのもいいかもしれない。
 店構え&店内は和風な感じに仕上がっていて、歌舞伎グッズや和食器なんかがいい味を出している。壁には過去からの大福帳もずらっと下がっているので、お客さんからのコメントをぺらぺら眺めてくのもなかなか楽しい。(記帳してくと、お店から年賀状が届いたりする)
 カレーの方は、インド料理を基本に和風に仕上げてある感じである。山菜カレーの「山っ子」、シーフードの「海っ子」もお勧めだけど、僕はやはり「とんとん子」が好き。チャーシューみたいな風味のポークがごろっと入ってて野菜がたっぷりなのである。
 ちなみにチキンカレーの名前は「こけこっ子」──こういうお約束的ネーミングっていいよなあ。

スピーシィーズ

 京王線代田橋駅近くのお店。ほとんど1坪くらいしかないんじゃないかと思える小さな店なので、見落とさずに見つけるのは結構難しい。
 店内は厨房と客席が半々くらいに区切られてて、カウンターに椅子が4席。だけど4人並んで食べたらめちゃめちゃ窮屈そうである。
 様々なスパイスと野菜や果物をじっくり煮込んだカレーで、マイルドでコクがある家庭風な味。ノーマルなのはチキンカレーで、鳥肉がぐずぐずになるほどよく煮込まれてる。野菜カレーを頼むと、ここに炒めたナス・ピーマン・ニンジン・ジャガイモなんかが加わる。

ビストロ喜楽亭

 東急新玉川線池尻大橋駅下車、三宿交差点近くのお店。つぼ焼きインドカレーの店、なんて看板が出ている。──柄のついた壷というか、ちょっと深めの小型片手鍋みたいなのに入って欧風カレーが出てくる。
 数多いカレーメニューもさることながら、ここのおすすめはカレーパン。ソフトボールほどもあろうかという揚げパンの中に具沢山のカレーがどっさり入っている。味の方もかなりいけて、辛口と中辛も選べるのだ。──わざわざ群馬からやってきた人が買い占めていくっていうくらいだから相当のもんである。
 先日、ランチメニューを頼んだついでに最後の1個をゲットできた。んでカレー1皿とカレーパン1個をいただいたのだが、大食いの僕でさえかなりの満腹になってしまった。──食事のついでに食べないで、テイクアウトで持って帰った方が無難なようである。

POCKET

 中野駅南口より徒歩五分、中野通りと大久保通りの交差点にあるお店。僕のホームページの身辺雑記、「サイキンのタケウチ」に一時よく登場した。
 チキンカレーやほうれん草のカレー、イカめし風カレーやナスと挽肉カレーと、なかなか楽しそうなメニューがならんでいる。個人的にはドライカレーオムライスとかインドネシア風ドライカレーなんかがおすすめかな。話し好きのマスター特製のカレールーが実にいい感じに仕上がっていて、スパイシーでありつつコクがあってうまいのであった。
 ランチタイムはいくつかのサービスメニューが安くなっていて、夜はカレーバーなのでお酒を飲みつつカレーを食べることになる。──世界各地のビールやラムが飲めるってのもなかなか嬉しいもんである。
 ちなみにマスターは大の巨人ファンなので、巨人が勝った翌日にいくと機嫌がよかったりする。

チャナ

 僕はどっちかというとビーフカレーよりポークカレーの方が好きなのだが、この店のポークカレー(チャナカレーって商品名だったかな)は本当にうまい。スパイスのしっかりなじんだポークがとろりと煮込んであって、豚肉ってのはこう料理しろっていうお手本みたいな仕上がりである。付け合わせのキャベツの酢漬けも実にうまい。
 カレーメニューに対してプラス何百円かで、季節の野菜のトッピングをつけてもらえる。いつだかそこに焼き茄子がのっかっていて、それがカレーと本当によく合っていた。──以来、自分で作るカレーにもオリーブオイルで焼いた茄子を添えるようになった僕である。
 場所は、三軒茶屋から世田谷通りを西に向かって環七のちょい手前。駅としては世田谷線の若林駅が近いようなので、そのうち東急各駅散歩で取り上げるかもしれない。

ニューキャッスル

 本格カレーに対して個性派カレーといったらここを上げないわけにはいかない。肉は入ってないのだが、トンコツスープから作ってるのでこってりしてるという不思議なカレーである。メニューが京浜東北線の駅名にちなんでるのもおかしいし(「品川」から始まって、少し多めが「大井」、大盛が「大森」とか何とか)、店のご主人のお爺さんがなんともいえない味のある顔をしている。──雑誌なんかにとりあげられることも多い店なんだけど、カレーそのものの写真よりもご主人の笑顔の写真の方が多いくらいだ。
 百人が百人うまいという味ではないかもしんないけど、何故か癖になっちゃう味である。──銀座柳通りというところにあるお店なのだが、僕は銀座近辺に行くとおしゃれな店よりこっちの方に行きたくなる。

万定

 東大の本郷キャンパスの近くにあるお店。本来はフルーツパーラーだったらしく、生ジュースもおいしい。年代物のレジスターがあって、昔の「○円△十銭」とかの単位で打ち込む形になってる。──現在はどう使ってるのかおばさんに聞いてみたら、そのまま「○千△百円」という形で対応してるんだそうな。なるほどね。
 ここのカレーの特徴は、とにかく香ばしいこと。小麦粉とカレー粉をじっくり炒めてるのかと思うんだけど、こればっかりは僕にはとても真似できない。
 本郷近辺は有名なカレー屋が多いんだけど、僕は万定が好きなので他をほとんど試したことがない。──もしも東大に通うような人生を送ってたら毎日食べられたのになー。

インドール

 小田急線の向ヶ丘遊園駅のそばにあるお店。独特のルーがおいしい。基本はポークカレーで、好みに応じて鳥のから揚げやチキンボール、ゆで卵やハンバーグなんかの具を選べる。ミックスカレーにはハンバーグ意外の具がみんな入ってるので、これを大盛で頼むのがオススメ。
 厨房を囲むカウンターの上には5種類の漬物が用意してあって、僕は甘めのタクアンが好き。福神漬やしば漬なんかもいい感じである。──それから、僕はあまり得意じゃないんで頼まなかったが、ここでは辛さを1〜100倍の範囲で指定できる。そーゆーのが好きな友人(周りに多いのだ)にこんど試してもらうつもりである。

トック

 常磐線の金町駅北口のお店。──最初食べた時はごく普通の欧風カレーかなあと思ったのだが、何故かまた食べたくなってしまう味。欧風の味の中に果物系の甘さやスパイスの香りを感じたり、豚バラの脂身がほどよくとろけてたりってのがが僕の好みなのかな。
 そんなわけで、おすすめはポークカレー。薄切りカツののったカツカレーも何だかいい感じである。
 ここではお米を自家精米してるとかで、無料で米ぬかをくれるらしい。レジの横には口直し用のスパイス(フェンネルだったかな)もおいてあって帰りに口にできるようになってるし、細かいサービスに気を使ってるとこがいいなあと思う。

  • 一覧に戻る

  • HOMEに戻る