インターネットには、いろいろな活用法、楽しみ方がある。すでにプロバイダーと契約している人は、自分なりの楽しみ方を見つけているだろが、まだインターネット始めていない人は、面白そうだなという興味は持っていても、本当のところどんな利用法があるのか、疑問に思っているかもしれない。今回は、僕自身の体験を交えながら、インターネット利用法のひとつ、旅行情報の収集について紹介しよう。カナダ旅行にインターネットを活用
97年11月夫婦でカナダ旅行をした。 僕もうちの奥さんも鉄道旅行が好きだ。日本国内でも、東京から札幌まで寝台特急の「北斗星」に載ったこともある。カナダ国内でも鉄道旅行をしてみたいと考えていたが、実際にどんな路線があって、どのくらい列車が走っているかなかなかわからなかった。 海外の鉄道・バスのダイヤを調べる
早速、「VIA Rail Canada」のサイトに飛んでみると、大陸横断列車のダイヤが、予約状況までわかった。しかも、その場でクレジットカードを使って切符を買うこともできる。詳しく見ていると、地図には鉄道線路が記入されているが、貨物しか走っていなくて、旅客列車は走っていないところがあることもわかった。 国内旅行に関する情報も豊富にある僕は、パック旅行ではなく、自分でスケジュールを立てる「個人旅行」をすることが多い。しかし、自分でスケジュールを組むといっても、市販のガイドブックだけでは、どうしても情報不足になる。下手すると、パック旅行とそれほど変わらないことになってしまう。せっかく自分だけの個人旅行をと思っているのに、手間とお金だけかかって、内容はパック旅行と同じというのでは面白くない。 自分なりの満足できる旅行をするために重要なのは、事前の情報収集だ。と言っても、特に海外旅行となると、ガイドブックや旅行雑誌以外に、情報を集める方法はなかなかない。そんなとき役に立つのが、インターネットのホームページだ。インターネットでは、自治体や企業だけでなく、そこに住んでいる人もホームページを開いて、地元に住んでいなければわからないような観光スポットや、美術館、博物館、おいしいお店の情報を載せている。旅行してきた人が、体験に基づいた役に立つ情報を公開していることもある。 インターネットは、海外だけではなく、国内の旅行でも役に立つ。この記事を書くのに、Yahoo! Japanで「旅行」というキーワードで調べてみたが、以前に比べて、飛躍的にサイトの数が増えていた。各県別に分類された旅行に関するホームページの一覧を見ながら、説明を読んでみても、面白そうなところがたくさんある。 どのページも写真満載で、旅に出かけずに気分だけ味わうこともできそうだ。情報収集というだけでなく、ホームページをいろいろ見ていくだけで、テレビの旅番組を見ているような楽しみ方ができる。これも、インターネットの面白いところだ。 すでに、インターネットを始めている人にはミミタコの話だろうが、こんな便利で役に立つものが、パソコンを買ってプロバイダーと契約するだけで利用できる。パソコンは20万円以下で最新機種が手に入るし、月々かかる費用は、電話料金も含めて、数千円から1万円くらいだ。パソコンは苦手という人には、テレビとつないでゲーム機感覚でインターネットの見られるウェッブTVのようなサービスもある。 もちろん、インターネットには、旅に関するもの以外にもいろいろな楽しみ方がある。この機会に始めることを考えてみてはどうだろう。 |
| 無数にあるインターネットのホームページは、検索サーバーを使うことで、ひとつの大きなデータベースになる。この話は、以前この連載でも書いたが、それ以外にも、インターネットには、新聞記事、百科事典など、あらかじめ作られたデータベースを提供しているページもある。 ホームページ全体からは、思いもかけないデータが拾い出せる面白みがあるが、紙の百科事典を引いたり、過去の新聞記事を検索するのは、もっと確実に必要な情報を集めることができる。 以前は、オンラインデータベースは、ニフティサーブなどのパソコン通信で使うものだった。しかし、インターネットが普及して、ホームページで検索のできるオンラインデータベースも増えてきた。 僕は、『ニフティサーブ・オンラインデータベース徹底活用マニュアル』など、パソコン通信のオンラインデータベース解説書を書いていることもあって、インターネットで有用なデータベースが増えているのには、注目していた。今回は、百科事典、新聞記事データベースなど、インターネットで使えるリファレンスについて紹介しよう。 オンライン百科事典は役に立つ
日本では、平凡社の世界大百科事典など、百科事典のCD-ROM化が進んでいる。CD-ROM百科事典は、従来の紙の事典に比べて、場所をとらないし、キーワード検索が簡単にできるという利点があるが、最新の情報が入れられないという点では、インターネットのホームページにかなわない。 アメリカの新聞のサイトを楽しむ
百科事典以外に新聞記事を収録したサイトも役に立つ。新聞といっても、世界中に無数の新聞があり、目的のものを探し出すのが大変だが、そんなとき役に立つのがノースカロライナ州立大学グリーンズボロ校が作っている世界の新聞サイトが一目でわかるリンク集「News
and Newspapers Online」(http://www.uncg.edu/lib/news)のページ。 日本の新聞のサイトも充実してきた英語のサイトばかり紹介してきたが、日本の新聞も最近はサイトを開いて記事を提供するところが増えてきた。その日の記事などは、無料で読めるところがほとんど。これは、インターネットを始めた人なら、一度はのぞいてみたことがあるだろう。新聞の宅配もあるし、テレビも見られる日本国内では、それほど役に立つとは思わないかもしれないが、海外にでたときには、これが役に立つ。 また、最新の新聞記事が読めるだけでなく、過去にさかのぼって記事の検索できるサイトもある。朝日新聞は、通常の記事を見るサイトは http://www.asahi.com/ だが、そのページにある検索機能を使うと、1985年以降の全記事からキーワード検索ができる。検索すると、どんな記事があるか、タイトルと発行年月日などは見ることができるが、全文を読むためには、月5200円の利用料金を払って「asahi.com perfect」に登録する必要がある。「asahi.com perfect」には、14日間すべてのサービスが無料で使える「お試し購読申込み」があるので、興味のある人は試しに使ってみるといいだろう。 月5200円は高いと思うかもしれないが、それだけで、データベース検索は使い放題。僕が仕事の関係でニフティサーブの朝日新聞の記事データベースを使っていた頃は、1分間80円といった高い料金設定で、月に1万円以上かかっていたから、それから比べると安くなったと言えるかもしれない。 読売新聞は、ヨミネットというプロバイダーサービスをやっている(http://www.yominet.or.jp/)。ここは、YOMIDASという読売新聞の記事データベースがあるが、他のプロバイダーを使っている人なら、月700円で、記事検索サービス(3年分)やその他のコンテンツの利用ができる。過去3年と限られるが、これも役に立つサービスだ。 |
| ブラウザでいろんなホームページを見ていると、資料としてそのページをそのまま保存しておきたくなることがある。Internet
Exploler でも Netscape Communicator でも、[ファイル]→[名前を付けて保存]で、そのときブラウザに表示しているページをHTMLファイルとして保存することができる。しかし、あとから、保存したファイルをブラウザで開いてみると、画像が表示されないことに気がつくはずだ。 ちゃんと保存したはずなのに、何で? と思うかもしれないが、これはホームページの構成が関係している。ホームページを作っている人はもちろん知っていると思うが、ブラウザに表示されるページは、ひとつのファイルだけで構成されているわけではない。 HTMLファイルに含まれるのは、テキストのほか、画像やテキストなどの配置(レイアウト)の情報だけ。ページに表示されている画像や音声ファイルのデータは、それぞれ別のファイルとして存在している。だから、もし、画像も含めてページを保存するなら、ひとつひとつの画像を個別に保存していかなければならない。 ホームページの保存は手間がかかる
具体的には、それぞれの画像のところをマウスで右クリックして、開いたメニューの[画像を名前を付けて保存](Internet
Exploler の場合は、[名前を付けて画像を保存])をクリックして保存を繰り返していく。画像の数が多いページでは、けっこう手間のかかる作業だ。 自動巡回機能を使って保存する
でも、これでは、やはり不便だ。最新のブラウザでは、Internet Explolerなら、[お気に入り]→[購読]、Netscape
Communicatorでは、Netcaster というソフトを使うことで、ホームページの保存がもっと便利にできる。 Netscape Netcasterでページを丸ごと保存Netcasterのウインドウが開いたら、まず、「新規」ボタンをクリックする。「チャンネルのプロパティ」という画面になるので、「場所」の欄に、保存したいホームページのURLを記入して、「名前」の欄には、適当なものを入れる。「このチャンネルまたはサイトを次の間隔で更新」のチェックは外しておく。 次に、「キャッシュ」のタグをクリックして、「サイトを□レベルの深さまでダウンロード」を指定する。この数字は、「場所」の欄に指定したURLから、何段階下のページまで保存するかを示したもの。ひとつのページだけ保存したいなら、「1」でいいし、あまり数字を多くすると、大量のページをダウンロードすることになって時間がかかりすぎてしまうので、多くても「2」か「3」くらいにしておいたほうがいいだろう。 また、大量のファイルの保存を避けるためには、「情報を□KB以上保存しない」の設定を少な目にしてもいい。デフォルト(規定値)では、5000(約5MB)だが、特に、28800bpsや33600bpsのアナログ回線で接続している人は、もう少し少な目にしたほうがいいだろう。 「OK」をクリックして設定を終えると、Netcaster にそのホームページが、自分が付けた「名前」でチャンネルとして登録される。そこを、右クリックして[更新を開始]を選ぶと、ダウンロードがスタートする。ダウンロードが終了したあとで、そのチャンネルをダブルクリックすると、ブラウザにそのページがに表示される。 興味のあるホームページを見つけて、そのサイトをまとめてゆっくり見たいときには、このNetcasterを使うといい。あるサイトの全体を見るには、何度も何度もホームページ上のリンクをクリックしていかなければならないが、Netcasterを使えば、自動的に、しかも手動よりも短時間にホームページ全体を保存することができる。 Internet Exploler の場合も、同じように「お気に入り」の中の「購読」を使うことで、ホームページ全体の保存ができる。これについては、連載の第29回の、Internet Exploler 4.0の自動巡回についての解説で詳しく紹介したので、参照してください。 |
| 95年11月に、Windows95日本語版が発売されて、2年半。98年の夏には、次期バージョンのWindows98が発売される予定だ。すでに、β3バージョンまで配布されていて、雑誌などでも、Windows98に関する詳しい記事を見かけるようになってきた。 今回は、Windows98にどんな新機能がプラスされているかを紹介しながら、Windows95からアップグレードしたほうがいいのかを考えてみよう。 Windows95のいろいろなバージョン
Windows98の解説をする前に、Windows95についてもう一度おさらいしておこう。 Windows98の便利な機能
さて、Windows98だが、Windows95は、OSR-2で機能が強化されていることもあって、Windows3.1からWindows95のように大きく変わるわけではない。それに、一番大きな変化は、Internet
Exploler 4.0 に含まれているアクティブデスクトップですでに登場している部分だから、実はあまり目新しいものはない。より使いやすくなって、しかも安定するというのが全体の印象だ。 Windows98へバージョンアップ最初に書いたが、Windows98は、Windows3.1からWindows95への劇的な変化ほどの変更はない。どちらかというと、Windows95では未完成だった機能を強化したという印象だ。ただし、その分、パソコンのOSとして、より使いやすくなっている部分は多い。特に初心者にとっては、Windows98は、Windows95と比べてもずっと使いやすくなるはずだ。 OSというのは、パソコンを使うときに不可欠のものだ。しかし、OSを使いこなすのに、時間や手間がかかるのは、本来の目的に反している。Windows95が登場したときには、Windows3.1よりもずっと使いやすくなるのだから、多少の手間には目をつぶるしかないかと思ったが、Windows98では、それほど苦労することはなさそうだ。 OSに求められる一番のものは、安定した動作だ。いくらいろんな機能があっても、動作が不安定でしょっちゅうハングアップしているようでは、使う気にならない。その意味で、Windows98はWindows95の進化を集大成したような、完成したOSになるはずだ。 Windows95が登場したときのように、先を争ってWindows98を手に入れる必要はないだろうが、これからパソコンを買おうと考えている人は、この夏のWindows98の登場まで少し待ったほうがいいかもしれない。 また、今のパソコンにCPUやメモリー、ハードディスクの余裕がある人は、Windows98へのバージョンアップを考えてみるといいだろう。劇的な変化がないと言っても、Windows95よりはずっと使い勝手がよくなっているはずだ。 Windows98については、http://www.microsoft.com/japan/win98/ で詳しい情報を見ることができる。正式な発売時期も、そのうちこのサイトで発表されるだろう。 |
| 50回にわたって、インターネットとパソコンについて解説してきましたが、今回で最終回です。インターネットは日々変化しています。連載の最初に書いたことは、1年後の現在ではすでに古くなっていること、変わってしまったこともたくさんあります。 書き残したことはたくさんあるような気がしますが、今回は、僕も最近注目しているインターネットの最新情報の中から、いくつかを紹介します。 もっと簡単にインターネットする方法
この連載を読んでいる方の中には、インターネットはやってみたいけど、パソコンを買って始めるのは面倒だしお金もかかる、とまだ後込みしている人もいるだろう。そんな人のために、もっと簡単にテレビを使って、インターネットを始める方法がある。 56kモデムとISDNと衛星インターネットインターネットをするには、64kbpsという高速通信のできるISDNがおすすめ、とこの連載にも書いたが、ISDNにするとなると、TA(ターミナルアダプター)を買ったり、NTTに連絡して工事を依頼したり、とけっこう手間がかかる。最近は、56kbpsという高速のモデムも出ているが、これではダメなのだろうか。 56kbpsは、2万円以下で手に入るようになったから、取りあえずISDNを引くのは面倒だという人は、これを購入するのもひとつの方法だ。56kbpsは、これまで2つの方式が併存していたが、ようやく統一される方向になってきた。今売っているものは、統一方式に無料でバージョンアップできるから、心配はない。 ただし、56kbpsといっても、いつもこのスピードで接続できるわけではない。アナログ回線は回線の品質に影響されることが多いから、場合によっては、半分くらいのスピードしか出ないこともある。また、56kbpsになるのは、受信のときだけで、送信のほうは、33.6kbpsくらいしか出ない。 もうひとつ、ISDNにすると、基本料金が月1750円から、2380円に上がるが、それで、2回線が使えるようになる。家族のいる人は特に、インターネットを始めると、その間電話が使えないので苦情が出るかもしれない。ISDNは単に64kbpsという高速通信ができるだけでなく、アナログよりも安く2回線が使えるという魅力もある。やはり、どうせ買い替えるなら、56kbpsよりも、TAかダイヤルアップルーターを選択したほうがよさそうだ。 ISDNを使い始めると、その速さにも慣れてしまって、もっと高速にならないかと思うようになる。最近サービスがスタートしている、衛星インターネットだと、400kbpsというISDNの6倍のスピードで受信ができる。「サッとネット」というサービスで、データの受信は衛星からの電波を使い、送信は従来の電話線経由(他のプロバイダーを使う)になる。 ブラウザでホームページをクリックすると、その情報は電話線経由でサーバーに送られ、ページの画像やHTMLのデータは、衛星経由で送られてくる仕組みだ。パラボラアンテナとパソコンに組み込む受信ボードと受信用ソフトウェアが必要で、そのほか、月額基本料金5500円などがかかる。 画像や動画、音楽など、大量のデータをダウンロードしたい人は考えてもいいサービスだ。無料体験キャンペーンなどもやっているので、詳しくは、http://www.diredtint.co.jp/ にアクセスしてみよう。 ******************* 50回にわたって、インターネットとパソコンについて解説してきたが、これを全部読んでも、もちろんすべてがわかるわけではない。全部読んで実践すれば、インターネットとパソコンについてはかなり詳しくなるはずだが、それでも、知るべきことはまだまだたくさんある。便利に使いこなそうとすれば、いろんな技が必要になるし、それ以上に、どんどん新しいパソコンや、周辺機器、ソフトウェアが出てくるから、それに対応しなければならない。 僕自身も、日々雑誌やインターネットで情報を仕入れて、新しいことにチャレンジしている状態だ。この連載を書くために詳しく調べることで、疑問が解決したり、役に立つ情報に気づいたり、ということがたびたびあった。 連載はこれで終わりますが、この機会にインターネットを始められた方は、パソコンにほこりがかぶることのないよう、仕事に生活にインターネットを活用してください。 インターネットやパソコンについて質問のある方は、suzuki.yasuyuki@nifty.ne.jp(NIFTY-Serveの場合はPXH01774)まで、電子メールでおたずねください。できる限り直接回答しますし、Q&Aのページでも紹介します。連枝終了後も、質問にはお答えします。ホームページには、インターネットやパソコンに関する記事もありますので、ぜひご覧ください。 |