ポートランド日記 |
10月2日(火)──63日目 今日は一日部屋にいて、仕事ほか。明日までに英語のスピーチのアウトラインを出さないといけないが、なかなかテーマが決まらない。 インフォメーションスピーチ(5分)といって、人に情報を伝えるようなスピーチをするのだが、テーマが難しい。聴衆は同じクラスの学生、つまりポートランドで勉強している外国人。彼らが興味を持って聞いてくれるテーマじゃないといけないから、日本のこととか、僕が関心を持っていることだと(たとえば、ヒュー・ロフティングのドリトル先生の物語とか)、その内容を説明するだけで時間がかかってしまう。 いろいろ考えて、ポートランドに来てから行ったことのある場所で、一番印象的だったところのひとつ「サタデー・マーケット」について話すことにした。 ポートランドには、他にも、「ファーマーズ・マーケット」など、住民にも観光客にもうれしいものがいろいろあること、そられを結ぶ交通システムとして、MAX(電車。一部路面)とかストリートカー(路面電車)があること、それらを含めて、都市計画がよく考えられていることを話そうと思う。 日本のことを書くと、英語でどう表現するか難しいところもあるが、ポートランドのことなら、そんなこともない。取りあえず、明日のためにアウトラインを仕上げた。 教会の英会話のジョーさんから電話があって、木曜日の打合せをする。「天気がいいから、海のほうか、フッド山のほうへ行きましょう。9時に迎えに行きます」と言うが、こちらは、どちらも行ったことがあるし、そんなに遠くへいくつもりはない。それに、木曜日(4日)は、I先生が日本へ帰るので、レンタカーで空港まで送っていくことになっている。早朝だが、寮に帰ってくるのは、10時過ぎになりそうだ。 これだけのことを、一度しか会ったことのない人に、しかも電話で、英語で説明するのは難しくて、四苦八苦したあげく、レンタカーを返したところで電話したら、ジョーさんがダウンタウンまで迎えに来てくれることになった。向こうは好意で遠くまで連れてっていってあげると言っているので、むげに断るわけにもいかない。それに、つたない英語でこちらの状況と気持ちを的確に説明するのは難しい。お年寄りで暇だから付き合ってくれるというのもあるだろうけど、よく知らない人と車にずっと乗って英語で話すと思うとちょっと憂鬱だ。 Cが、マクドナルドハウスのことで知り合いになったワタナベさんに電話して、オレゴン・シンフォニーのコンサートにお誘いする。11月10・11日・12日の3日間、バート・バカラックのコンサートがある。 カーペンターズの「クロース・トゥ・ユー(遙かなる影)」やディオンヌ・ワーウィックの「ウォーク・オン・バイ」、B.J.トーマスの「雨にぬれても」など数々のヒット曲や映画音楽を書いた作曲家。もし、名前を知らない人でも、メロディを聴けば絶対に聞いたことがあるはずだ。 そのバート・バカラックがオレゴン・シンフォニーを指揮して、自分の曲を演奏する。たぶん、自分でピアノも弾くだろう。このコンサートはぜひ行ってみたいと思っていた。インターネットのチケット予約ではすでにいっぱいのようだが、窓口に直接行けばまだ空席がありそうだ。チケットが取れれば、一緒に行くことにした。 |
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