ポートランド日記 |
8月10日(金)(10日目) 今日はCは休み。午前中はバスでダウンタウンまで行って、ナイキタウンでシューズを買う。来週、Cが、ポートランドから車で1時間半くらいのところにあるフッド山のふもとの子どものキャンプに行くためだ。オレゴン州にはナイキの本社があって、ナイキタウンは、日本では見ないような製品がそろっている。 そのあと、パイオニア・コートハウススクエア(ダウンタウンの中心。広場があり、催し物も行われる)の前のウェルスファーゴ銀行で、チェッキングアカウント(小切手を発行するための口座)を開く。2週間ほどで、郵便で小切手帳とATMカードが届くそうだ。 アメリカでは、電話や電気、水道などの支払いは小切手ですることが多い。請求書が送られてくると、それに封筒が入っていて、請求金額の小切手を書いて、同封して送る。支払いはこれで終わりだ。ただし、後日、銀行の口座から引き落とされるから、いついくらの小切手をどこ宛に切ったか、きちんと記録しておかないといけない。 日本のように銀行口座から自動引き落としというシステムはあまりないから、小切手の口座(チェッキングアカウント)がないと、会社の事務所まで支払いにいかないといけないらしい。アメリカに来る前に、アメリカでの暮らし方の本を何冊か読んだが、小切手口座の開き方はどの本にも詳しく書いてある。 というわけで、取りあえず、電話料金の請求が月末に来るはずだから、それまでに口座を開いておきたいと思っていた。寮の名義もC、電話もCの名義で引いたので、銀行の口座もCの名義で開いた(あとで調べてみたら、夫婦の場合は、連名の口座が開けるらしい。そちらにすればよかった)。小切手口座を開くと、アメリカで生活するんだなという気持ちが強まる。 ウェルスファーゴ銀行にしたのは、寮の近くに、元支店があり、そこにATMがあるため。ウェルスファーゴ銀行は、カリフォルニアでは第二の銀行だそうだ。 銀行での用事を終えて、サブウェイで昼食をすませて帰る。 出かける前に、シアトルの日通から「木曜日(昨日)こちらへ荷物を発送した」というメッセージが届いていたが、1時過ぎに帰ってきたら、日本から航空便で送った荷物7個が届いていた。先週の金曜日(3日)にシドニーから、通関の書類にサインをほしいというファックスがあり、それを僕らが受け取ったのが、6日(月曜)。それから、通関して木曜日にシアトルから発送して、金曜日にようやく届いた。 土日を挟んだので運が悪かったが、結局7月31日に福島から送ってから、11日かかった。その間、着る物や、仕事の本などなくて大変だった。荷物が届いてようやく、いろいろそろって不便がなくなった。 ただ、この10日間あまり、物が極端に少ない生活というのも、それなりにいいものだと思った。日本では、本やらレコードやら資料やら、あふれんばかりの物に囲まれているが、この10日間のように、何もなくてもそれなりに仕事も生活もしていける。もちろん、寮に台所用品がそろっているのと、パソコンに資料がほとんど入っていて、インターネットにもアクセスできるので、紙や本の資料がなくてもパソコン一台で何でもできるようになっているのが大きい。でも、どんどん物が増えていく生活というのも、少し考え直さなくてはいけないと思う。 夕方5時過ぎ、Sさんの車で食事へ。ポールさんとキャシーさんの家から荷物をピックアップしたあと、ブリュワリーへ。 オレゴンは地元の小さなブリュワリー(ビール醸造所)が多く、日本では見かけないビールがたくさんある。 今日行ったのは、ホーソン通りという、ユニークな店の集まった通りにある、Bridgeport Ale House(ブリッジポート・エールハウス)。Bridgeportというブリュワリー経営のパブだ。3種類のビールがあって、料理はギリシア料理ベースのもので、こちらもなかなかおいしい。僕は、ブリッジポートとブルーヘロンの2種類のビールを飲んでみた。ブリッジポートのほうが、コクがあっておいしい感じ。 店内は、子どもも含めて(子どもはビールは飲んでないけど、家族連れがたくさん来ている)人がいっぱいで、話し声がわんわんと響きわたっている。オレゴンのビールについては、もっと飲んで調べて、詳しく紹介したいと思う。 そのあと、仕上げにベトナム料理店に行って、スープ麺を食べた。人気があるようで、混んでいた。 話していたら、Sさんが僕の高校(都立青山高校)の後輩(9年下)ということがわかって、不思議なめぐりあわせに驚く。 |
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