Suzuki Media / Horai Tsushin
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No.11 -2001.7.3


 久しぶりに新しいパソコンを購入したので、ご報告します。だいたい新しいパソコンを買うとうれしくて、誰かにいろいろ話したくなるものですが、少し我慢してお付き合いください。

//////////////ペンティアム3、850MHz、ハードディスク30GB//////////////


 今回購入したのは、ソニーのVAIO、PCG-R505R/AK。B5サイズだが、1.7kgと軽く、フロッピーディスクドライブやCD-ROMドライブは外付けになる。本体の下にフロッピーディスクやCD-ROMドライブや各種インターフェースを備えたドッキングステーションを付けることもできるが、キーボード部分の下が厚くなるのはあまり好きではないので、代わりにUSBハブという、USBポートとつなぎ、USBポート、シリアルポート、パラレルポートなど各種のポートを持つ「USBハブ」を購入した(1万円弱)。現在自宅で使っているプリンターは古いタイプでシリアルポートの接続なので、こうしたUSBハブのようなものが必要になる。

 どのノートパソコンを買うかはすぐに決まった。VAIOに決めたのは、うちの奥さんがPCG-R505R/AKよりもう少し小型のPDG-C1を持っていて、その外付けのフロッピディスクドライブとCD-ROMドライブがそのまま使えるから。ほかのメーカーのパソコンでも使えるだろうが、同じVAIOのほうが何かと便利だろうと考えた。
 僕の場合、ノートパソコンを選ぶ場合、持ち歩けるというのが重要なポイントになる。今、ノートパソコンはDVDドライブやCD-ROMドライブを内蔵し、3kg近くあるモデルが主流だ。あれだと、自宅で省スペースで使うにはいいけれど、カバンに入れて持ち歩くのは難しい。福島から東京へ行くときに持っていく(しかも、そのカバンを持ったまま書店やレコード店を廻り打合せをする)ためには、1.5kg程度が最適だ。

 VAIOで1.5kg程度というと、選択肢はほとんどない。僕が今回買ったPCG-R505R/AKが店頭価格約25万円。前述のドッキングステーションを付けたモデルがPCG-R505R/GKが約30万円。この2機種は、「ペンティアム3、850MHz、ハードディスク30GB」だが、下位機種のPCG-R505R/ABWは、「セレロン、650MHz、ハードディスク15GB」とCPUの性能が落ちるし、ハードディスクの容量も少ない。しかもABWには、僕には必要のないCD-ROMドライブも付属している。ABWは20万円と安いが、5万円払っても、「850MHz、ハードディスク30GB」を選ぼうと考えた。

 25万円のノートパソコンを買ったというと、「高〜い!」という反応の人がけっこう多い。ノーブランド品ならデスクトップPCがカラープリンター付きで、10万円で手に入る時代だ。性能が高いとはいえ、25万円は高いかもしれない。しかし、現在使っているノートパソコン、「松下電器のレッツノートAL-N2」は、今からすると「ペンティアム、166MHz、ハードディスク2.1GB」と非力だが、23万円くらいしたし、当時は高性能のノートPCだった。ノートでもハードディスクはギガバイトの時代かと感心したものだが、PCG-R505R/AKはハードディスク30GB、こんな薄い筐体に何で30GBものハードディスクが入ってしまうのか、不思議だ。

 今回、ノートパソコンを買い換えたのは、ひとつ大きな理由がある。レッツノートAL-N2は、多少調子が悪いところはあるが、まだまだ使えないことはない。普通ならノートPCは壊れるまで使うのだけれど(ノートPCは持ち歩いているとハードディスクに負担が大きいようで、2〜3年するとある日突然立ち上がらなくなることが多い)、今回は駄目になる前に新しいのを購入することにした。
 詳しくは、次回、次次回の蓬莱通信に書くが、8月から12月まで5か月間、短期間だが、オレゴン州のポートランドに行くことになった。そうなると、今のパソコン環境をどうやってポートランドへ持っていくかを考えないといけない。
 今までも、福島から東京へ行くとき、あるいは、ほかのところへ行くとき、パソコン環境をどうやって持っていくかは常に問題だった。デスクトップPCとノートパソコンの2台を持っていると、両方を同じ状態にするのはけっこう大変だ。1泊2泊の短期間の旅行ならメールが読めればいい程度で我慢するが、少し長期になると、ホームページの更新、メールマガジンの配信、原稿の執筆など、やらなければならないことが増えてくる。

 そうしたことに対応するには、デスクトップPCとノートパソコンを全く同じ状態にしておけばいいのだが、普通ノートパソコンのほうが非力だから、なかなか難しい。原稿やホームページのファイルは、最近の必要なものをコピーすればいいが、メールのデータは移行が面倒なので、出かけることが決まると、数日前からデスクトップPCとノートパソコンの両方でメールを読むようにして、最新のメールはノートパソコンでも持っていけるようにしていた。
 パソコン間のデータのやりとりはケーブル接続を使う。シリアルポート(プリンター接続用のポート)を使うから速度はそれほど遅くないが、ケーブル接続はCPUをけっこう使うようで、データ転送中に両方のパソコンでほかの作業ができないのが難点だ。全部のデータの転送には数時間かかることもあるから、これでは仕事がはかどらない。とにかく、データの移動はけっこう大変な作業なのだ。

 以前、Windows CEの携帯用パソコンを使っていたときは、モデムケーブルをつなぐだけで、データが同調する機能があったし、ケーブル接続でも、ブリーフケースという同様の機能があるが、使い勝手がいいとは言えない。同期がうまくいかないこともあるし、繰り返しているうちに、どれが新しいデータかわらからなくなってしまうことがあった。
 それなら、サーバー上にデータを置いて、どこからでもインターネットで取り出すようにすればいいという考え方もある。これは、「データウェアハウス(データ倉庫)」とか、「ストレージサービス」という最新の考え方で、日本でもすでにサービスが始まっている。これは、友人や仕事中仲間でデータを共有するという使い方もあって、なかなか面白いものなので、機会があればそのうち取り上げてみたい。

 さて、今回、PCG-R505R/AKを購入して決めたのは、デスクトップは補助的なものにして、普段使うパソコンをノートにすることだった。現在使っているデスクトップPCは、すでに5年以上前のもので、元々「ペンティアム、120MHz」のものを、CPUのグレードアップをして200MHzくらいに上げてあるが、メモリーは32MHz、ハードディスクも内蔵と外付けをひとつずつ増設して7GBくらいになっているが、仕事に使うにはいっぱいいっぱいという感じだ。
 これでも、3年前なら高性能のパソコンだったのだが、ソフトウェアがバージョンアップされるに従って、どんどんCPUの遅さが気になってくる。新しいソフトウェアは、今の高性能のパソコンを念頭に作られているから、少し古いパソコンだと、CPUが遅く感じられるのだ。

「ペンティアム、120MHz、ハードディスク7GB」に比べれば、「ペンティアム3、850MHz、ハードディスク30GB」のPCG-R505R/AKは信じられないくらい高性能だ。この能力の差は、たとえば音楽CD1枚からMP3のファイルを作るのに、旧デスクトップでは、40〜50分かかったのが、5分程度ですんでしまうことからもよくわかる。
 これが、1.7kgの筐体に入っているのだから、本当に驚いてしまう。これなら、すべての作業をノートPCでやるようにすれば、旅行に出かけるたびに、デスクトップからノートへのデータを移すなど、面倒なことは考えなくていい。
 最初に買ったPCはノートパソコンだった。元々会社と自宅の両方で仕事をしなければならなかったので、ノートを選択したのだが、その後、スキャナーなど、周辺機器をいろいろと付ける必要が出てきて、デスクトップへと比重が移っていった(当時はSCSI接続なので、デスクトップのほうが便利だった)。しかし、USBポートが登場して、ノートパソコンの自由度も高くなった。
 そして、16年たって、またノートパソコンへ戻ってきたことになる。

 さて、それでは旧デスクトップはどうなったのか、デスクトップからノートPCへの膨大なデータの移行はどうしたのか、それについては、次回の蓬莱通信で報告します。
(2001.7.3)

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