ビージーズのレコード探し第4回を書いたのは、97年6月16日。1年以上間が空いてしまったが、久しぶりに第5回をお届けします。
ビージーズの中古レコ−ド探しも、最初は行った店行った店で未所有のものがどんどん見つかったが、当然ながら、集まってくるにつれて目当てのものを発見するのは難しくなっていく。そんなことや、東京から福島への引っ越しで忙しかったこともあって、ちょこちょこ中古レコード店を覗いてはいたものの思うような成果は上げられず、新しい店もあまり開拓できなかった。
これで、何としても欲しいのは、「BunburyTail」「Andy Gibb / Shadow Dancing」「Robin Gibb / Sicret Agent」「ノスタルジア」「第二次世界大戦」、という感じになった。もちろん、集めるにつれて、別ジャケット、テイク違いなど、欲しいアルバムは、どんどん増えていく。ゴールはまだまだ遠い。
第4回の最後には、こんなふうに書いているが、このうち、「Andy Gibb / Shadow
Dancing」「Robin Gibb / Sicret Agent」「第二次世界大戦」は、店で見つけたり、ホームページを開いたことで知り合ったビージーズ・ファンの方から譲ってもらったりして、手に入れることができた。
それでもやはり、「集めるにつれて、別ジャケット、テイク違いなど、欲しいアルバムは、どんどん増えていく。ゴールはまだまだ遠い」。
福島に引っ越して、中古レコード店を回るチャンスは少なくなったが、東京に出かけた9月17日、たまたま仕事の都合でたっぷり空き時間ができたので、精力的に、池袋→高田馬場→代々木→新宿西口と回った。まだ一度も行ったことのない地域なので、ある程度の成果は上げられると思ったが、予想以上にレアな盤を見つけることができた。
一番の成果は、高田馬場の「タイム」で「The
Music for UNICEF Consert」のLPを見つけたこと。これは、1979年1月9日に、ニューヨークの国連会議場で開かれたチャリティコンサートの実況盤で、アンディ・ギブの「I
Go for You」、アンディとオリビア・ニュートン=ジョンのデュエットの「Rest
Your Love on Me」、そして、ビージーズの「Too Much Heaven」が収録されている。なかなか見つけられなかったのだが、800円という安さで日本盤を買うことができた。
「タイム」は、盤質のチェックの厳しいところで、「検盤なさいますか」と聞かれた。中古レコード店でそう訊ねられたのは初めてだ。多少盤質が悪くてもどうせ買うので、「けっこうです」と言ったが、そうしたら、「悪いところがあったら、おっしゃってください」と付け加えた。良心的な対応に感心した。
代々木の「ヒーロー・レコード」では、「アイディア」の米盤を1050円で購入。うちに帰って日本盤と比べてみたところ、ジャケット表は合成した顔で同じだが、ジャケット裏の写真が違うことを発見。こういうのは、買って実際に手にしてみないとわからないところ。「アイディア」には、この2枚のほか、英ステレオ盤、英モノラル盤、RSOからの再発盤(合成した顔ではなく、電球のジャケット)があるので、できれば手に入れたい。ここは洋楽シングルも豊富で、今回は見つけられなかったが、機会があればまた覗いてみたい。
ここまでは、午前中。打合せを挟んで、午後は新宿西口の店を回った。ご存じの通り、新宿西口、JR中央線・新宿駅・大久保駅間の西側の一帯は、恐らく日本で一番中古レコード店の密集している地域。一度行ってみたいと思っていたが、なかなか実行に移せなかった。ようやく実現して、レア盤が見つかるだろうかと期待が高まる。
ただし、結果から言うと、新宿西口はビージーズのレア盤探しという点では、あまりいいとは言えなかった。全体にヒップホップ、ラップ、レゲエという最新のものを扱う店が多いようなので、『レコードマップ98』(学芸書林)で調べて、60〜80年代のロックを扱う店に絞って11軒回った。しかし、ロックといっても、ビートルズ、ストーンズ、ツェッペリン、クリーム関係や、プログレ、ウエストコースが中心で、ロックの中ではある意味で異端、ポピュラーやボーカルのコーナーに入れられることもあるビージーズに、スペースを割いている店は少なかった。
日本盤の中古はついに見つけることができなかったが、「VYNYL JAPAN3号店」で、ビージーズが1曲提供しているチャリティーアルバム「No
One Gonna Change Our World」を発見。これは、ビートルズの「アクロス・ザ・ユニバース」が初収録(LP「レット・イット・ビー」より前)されたアルバム。ビージーズも参加しているのは知っていたが、曲目が不明だった。ここで、「Marley
Purt Drive」であることが判明。レコードは6800円と高かったので買わなかったが、疑問がひとつ解決できた。
隣の「VYNYL
JAPAN1号店」は、ビージーズのコーナーに見たことのないLPがたっぷりあって驚いた。まず、「Horizontal」の英モノラル盤。3800円と高かったが、もう2度と見つけることはないだろうと、えいやっと購入。
ビージーズは、「First」「Horizontal」「Idea」「Odessa」の初期の4作まで、モノラルとステレオの両方をリリースしている(「Idea」「Odessa」は、イギリスでのみモノラルを発売。「Horizontal」の米盤はステレオと表記されているが、実はモノラルらしい)。CDは、すべてステレオ盤なので、モノラルは、中古盤を手に入れるしか聞くすべがない。
今回、「Horizontal」のモノラル盤を聞いてみて、非常に懐かしい音を聞いた気がした。考えてみれば、68年にこのLPを聞いたときは日本で買ったステレオ盤だが、モノラルの電蓄で聴いていたのだ。その頃の感覚を思い出すのかもしれない。
ステレオミックスとモノラルミックスは、けっこう違いがあるので、初期の4作については、ぜひ、モノミックス盤CDも出してほしいもの。
「Horizontal」英モノラル盤のジャケットは、今CDになっているものとは違っていた。メンバーが鏡に映っているイメージなので、CDでは裏焼き(鏡像)になっているが、この英モノ盤では普通の画像のまま(髪の毛の分け方でわかる)。タイトルロゴも違う。それに、手抜きなのかジャケット裏が「First」と同じデザイン。これは、モノ盤だからなのか、英盤はステレオもモノも同じデザインなのか、こんな細かいところまで気になりだした。
VYNYL JAPANは、日本の中古盤ではなく、イギリスやアメリカから中古盤を買い付けてきて売っている感じの店だ。多少値段は高めだが、これからもちょくちょく覗いてみれば、レア盤が見つかりそうだ。「One」「You
Win Again」などの、12インチシングルも、1800円と高かったが、買ってしまった。しかし、聴く価値のあるリミックス盤だった。
初期のレコードには、ジャケットにかなり違いがあることがわかってきて、中古レコード店周りの熱意がもう一度復活してきた感じだ。仙台など、東北地方の店も今後回って、成果はまた、そのつど報告します。
(1998.9.21)
Japan | UK | US | Japan reissue |
Japan reissue | |
1st | ![]() SLMP-1379 68.2 |
67.7 | ![]() SD33-223 67.8 |
![]() MW-2069 73.7 |
|
Horizontal | ![]() SLMP-1392 68.5 |
![]() 582-020 68.2 |
![]() SD33-233 68.2 |
MW-2101 | ![]() MWF-1061 79.5 |
Idea | ![]() SMP-1414 69.1 |
68.7 | ![]() SD33-253 68.7 |
MW-2100 | ![]() MWF-1050 78.10 |
Odessa | ![]() SMP-9305/06 69.7 |
69.3 | SD2-702 69.3 |
MW-9061/2 | |
Cucumber Castle |
![]() MP-2088 70.8 |
70.4 | ![]() SD33-327 70.4 |
![]() MWF-1062 79.5 |