地下鉄に乗ってラミュット駅まで行きました。
このあたりはパリの西のはずれです。
この先にマルモッタン美術館があるのです。
王族の猟り場だった広大なブローニュの森も近くにあります。
さすがに高級住宅街だけあって、閑静な住宅街です。
真ん中の建物はレストランらしいです。
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美術館に向かう途中の公園です。
アプリコット色のプードルを連れた御婦人が
雨上がりの歩道をお散歩していました。
公園内には彫刻や子供の遊び場もあります。
西洋あじさいや日本のあじさいも咲いていました。
ただし、景色にばかり目を取られていては大変!
いたるところに犬の落とし物があるからです。 |
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☆散歩をしていたアプリコット色のプードルは黒のレインコートを着ていました。
粋なカラーコーディネートに舌を巻きました。
パリには本当に愛犬家が多く、たくさんの種類のワンちゃん達を見ましたが、
首のみのリードではなくて胴体全体を包むリードを付けている姿が一般的でした。
このほうがワンちゃんには快適なのでしょう。
でも、リードは付けていても飼い主さん達はその手を離して自由に歩かせていました。
最近は犬の糞を掃除しないと罰金が科せられると聞きましたが、
それはほとんど守られてはいないようです。
パリの早朝は、落とし物の匂いが漂っていました!
歩くのも雨の後はちょっと大変!
ジョギングをしている人達は大丈夫なのかなあと他人事ながらお洗濯の心配をするほどでした。
でも、犬のしつけは完璧で、むやみに飼い主のそばから離れないし、無駄ぼえもしないし、
電車でもそのまま乗車しても迷惑をかけず、
市場のお肉売り場の前でもリードなしできちんと待っているので感心しました。
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公園を抜けると
木々の向こうにマルモッタン美術館が見えてきました。 |
マルモッタン美術館
モネの作品が初期から晩年のものまで数多く展示されています。
ルノアール、シスレー、シニャック、などの印象派の作品もあります。
美術史研究家のポール・マルモッタンの邸宅がそのまま美術館になったそうです。
マルモッタンの収集した作品に加えて
モネの息子のミシェルがたくさんの所蔵品を遺贈したので、
他に類を見ないモネの美術館となりました。
残念ながらここは
写真厳禁でした。
受付で手荷物検査を受けて、ほとんどの荷物をクロークに預けて中に入りました。
ここにも入ってすぐに
ナポレオンの部屋がありました
皇帝の胸像や、食器、家族の大きな肖像画などが展示されていました。
中庭を見ながら奥に進むと突き当たりにポートレートが飾ってあり、
そこにはなんと髭を長く生やした優しげなモネの横に日本人の女性が写っていました。
マダム黒木の写真で、彼女の着物の帯の柄はモネの睡蓮でした!
年表の対面にある、地下に降りる階段の踊り場に
初めて見る大きな
バラの絵があって驚きました。
大きなバラの木に優しいピンクのバラが枝をしなわせて咲いている絵です。
モネの作品は地下一階に年代順に並べられていて圧巻です。
さすがに世界に誇るモネのコレクションで、ここでしか見られない作品がたくさんあります。
まず、目に飛び込んできたのは
「印象・日の出」でした。
何とも言えない淡い朝靄のような日の出です。
この作品は1985年に強盗被害にあったので、ガラスケースで護られていました。
「印象・日の出」 1873?
それに
睡蓮の絵はなんて数が多いのでしょう!
睡蓮だけではなく、彼の作品は膨大な数に上り
毎日毎日描き続けていたことがうかがわれます。
先日見てきたばかりの
リュクサンブール公園の絵もあり、
あまりにも今と変わっていない風景に驚きました。
時代だけが違うのです!
もちろんノートルダム寺院の絵もありました。
セーヌ川のほとりが舗装されていなくて
草が生い茂っているのが時代の流れを感じさせるだけで、
橋も大聖堂も変わりなくそこにあるのです。
ニューヨークのMOMAでは睡蓮の絵の大きさに圧倒されましたが、
ここの睡蓮の部屋には同じ規模の絵が何枚もあるので、それほど驚かないのが不思議でした。
睡蓮 1916〜1919年
睡蓮の絵も、今まで見たことのないものがたくさんありました。
モネの絵は光に溢れていますが、
晩年に目が見えなくなってからもなお水面の模様を描き続けた画家でした。
彼の作品は膨大な数に上るのでしょう。
ギフトショップでマルモッタン美術館の本やカレンダー、ハガキ他、
「モネの庭のリニー」という本に出てくる
リニー人形を買って表に出ました。
このリニー人形と初めて会ったのは
主人がニューヨークのメトロポリタン美術館で本と一緒にお土産に買ってきてくれた時でした。
その後、私もメトロポリタンでたくさんのリニー人形と会いましたが、
まさかマルモッタンで再び会えるとは思っていませんでした!
でも、落ち着いて考えると、リニーはモネの庭に住む花好きの小さな女の子なのですから、
マルモッタンこそ彼女にふさわしい美術館なのでした!
とはいえ、この子の本はスエーデンのストックホルムで出版されていますが・・・。
黒いTシャツとスラックスに白いエプロンをしている我が家のリニーは
この子より少し大きいので、この子は妹になりました。
2時にタクシーを予約しているので、ホテル近くに戻り、
すぐ前のイタリアンレストランでランチにしました。
私は海のフルーツと命名されたパスタ。(魚介のパスタでした)
ムール貝、アサリ、エビが入っていてこれもまたおいしいでした。
主人はナポリタンパスタ。(トマトソースのみのあっさり味でした)
Tillyコーヒーがついていましたが、大変苦くて濃いのです。
でも、一緒についているビターチョコレートといただくとまろやかでおいしいのです。
アイスクリームはチョコとバニラとキャラメルで、アイスの上に
生クリームとスライスアーモンドが乗っていて、これもまたしっくりとマッチしておいしかったこと!
タクシーの中から最後のパリの街並みを・・・・
これでパリともお別れです。
わずかな滞在だったのに、なんだかしーんとせつないなあ。
パリを出て高速で郊外に出ると建物に対して規制がないので、
日本でよく見られるような団地風の建物もたくさんありました。
あれっ?という思いがしたのは否めません。
パリの街がため息が出るほどに美しいのは、細かい通りにいたるまで
徹底した美意識で美観を損ねない努力を続けているからなのだと敬服しました。
パリは何度でも旅したい街です。
あっという間にタクシーは空港に着きました。
早めに空港に来たのはショップでお土産を買うためなのでした。
しか〜し!
ショップがあまりないのです!
チェックインをすませるとすぐに
JALのラウンジでコーヒーやピーナッツをいただきながら新聞に目を通し、ゆっくり休憩して、
その後、免税店を見て回りました。
ゴディバのチョコやジャムや紅茶などを買ってもまだ時間があります。
フォアグラなどおいしそうに並んでいましたが高価な品なのでちょっと手が出ませんでした。
(成田に着いてから暑い中を持って帰るとなるとちょっと傷みも心配でした。
実際、チョコも溶けていました。)
空港内の出発ロビーです。
ガラス張りなので大変明るいです!
しかも、広くてゆったりしています。
絨毯が敷き詰められているので、子供達もごろんと転がって遊んでいました。
振り返ってみると
ロンドンではローライズのパンツをはいているかなりふくよかな女の子や女性が多く、
お腹がぷくぷくっと出ていてもちっとも気にしないで、
たいていがビーチサンダルを履いて街を闊歩していました。
パリではスレンダーな女の子やマダムがほとんどで、
ファッションセンスも抜群に良くて
華奢な長い足で颯爽と歩く姿が際立って美しく感じられました。
ロンドンではさまざまな国の人達を見かけました。
インド、アフリカ、ラテン、中国、イスラム、等々、本当に多国籍で、
ベールを被った人達に出会うのも少しも珍しいことではありませんでした。
パリではイスラム系の方達はめったに見かけませんでした。
中国の方達もロンドンほどは見かけませんでした。
そのかわり、ベトナム系の方はやはりロンドンより多かったような気がします。
私たちが飛行機の中で過ごしている頃、東京では震度5の地震があって
交通網がストップしていたことを帰国後に知りました。
今回の旅では、
イギリスを離れてユーロスターに乗ってパリに向かっている頃に
ロンドンでは再びバス爆破テロが起こってしまったり、
帰国前日には東京の交通網が地震のためにマヒしていたりと、
私たちは本当に運良く何も被害を被らなくてすみました。
でも、いつ何があっても不思議ではない世界状況なのだということを
どこかで肝に銘じていなければいけないと改めて思いました。
それから、今回の旅でもまた、主人が地下鉄の路線図を見て、目的地までの道のりの
計画を立ててくれたおかげで、難なく旅を楽しませてもらえたことに心から感謝しています!^0^
ありがとう!
帰国してすぐにパリがもう懐かしくなって
また飛んでいきたいと思うのでした。