ターナー・ベニスの大運河
佐伯祐三・パリの風景
サモトラケのニケ
ゴッホの Night Stars
モネの睡蓮
セザンヌの静物画


ターナー・ベニスの大運河


ベニスの大運河−1835年
油絵、91.4 x 122.2 cm
メトロポリタン美術館、ニューヨーク

今回はターナーの紹介です。ターナーといえば海、力強い波というイメージです。ですが、メトロポリタン美術館で、こんなに青く穏やかで美しい港の絵を見てびっくりしました。雲が明るい光を反射していて、輝くような日の光を見事に表現しています。

ジョン・マロード・ウィリアム・ターナー
(1775−1851)
1775年4月23日に英国ロンドンに生まれる。最も偉大な風景画家の一人で、彼の作品は10代の頃から展示会で展示されていた。ターナーの優れた作品の内のいくつかはベニスで生まれている。彼は訪れた地で、いろいろな天候での空と海の効果を研究した。


佐伯祐三・パリの風景

モラン風景 1928 レストラン
(オテル・ドゥ・マルシェ)
1927

今回は佐伯祐三画伯の紹介です。佐伯祐三の絵は、ユトリロのようです。シックな感じで、構図も落ち着いていて、大好きです。ただし、日本で描いた絵を見たことがありますが、全く違う雰囲気です。日本の風景とパリの風景の違いでしょうか。あの時代の日本の画家がパリに行ったのは、画材を求めてのことだというのが、よくわかります。

佐伯祐三

(1898年4月28日−1928年8月16日)
大阪の生まれ。1923年フランスに渡る。ゴッホに感銘を受ける。26年に一時帰国のあと、27年に再度フランスへ渡る。翌年パリで死去。ヴラマンク、ユトリロに影響を受ける。


サモトラケのニケ

「サモトラケのニケ」
BC190年頃。北エーゲ海のサモトラケ島。
大理石製
高さ3m28cm

今回は、彫刻のご紹介です。初めて見たときサモトラケのニケの美しさに圧倒されました。
船の舳先につけられていたという女神は、風や波しぶきを思う存分楽しんでいるように生き生きとしています。風の動きが衣の流れに現れていて、彫刻とは思えない柔らかな感じです。翼が、この彫刻を完璧な美しさに仕上げたのではないでしょうか。


ゴッホの Night Stars

ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ:Starry Night Over the Rhone - 1888年
パリ、オルセー美術館

このような美しく、降り注ぐような星空を見たことがありません。私にとって、とても神秘的な絵で、なぜか好きです。
ゴッホでいちばん好きな絵は、The Cafe Terrace on the Place du Forum, Arles, at Night です。(タイトルが長いので、私は、「星の見えるレストラン」と呼んでいます。)この絵でも、ゴッホの描く星は、まぶしく瞬いています。時間を超えて、変わらずそこにある宇宙を表しているように感じるので、好きなのです。

ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ

(1853年3月30日生まれ、1890年7月29日逝去)
一般にレンブラント以降で最も偉大なオランダの画家と考えられている。近代絵画の印象主義はゴッホに多大な影響を受けている。わずか10年の間に生み出された彼の作品は、見るものに対して、強烈な色使い、荒々しいタッチや輪郭を通して、精神の病に対する彼の苦悩を絶えず思い起こさせる。彼は、精神の病によって自殺している。彼の傑作には、多くの自画像と有名な The Starry Night (1889)がある。
[Encyclopaedia Britannica, 1994]


モネの睡蓮

クロード・モネ:睡蓮(雲)- 1903年
油絵、74.6 x 105.3 cm
個人蔵

日本画の影響を受けたモネが自宅に作った日本庭園の一角です。モネはこの庭園を大変愛していた様子がうかがえます。日本人には、なじみの深い原風景のようでもありながら、日本画とはまたひと味違う風情があります。日本人が改めて日本の風景の美しさを知る事ができる、文化の逆輸入のような絵です。

クロード・モネ

(1840年11月14日生まれ、1926年12月5日逝去)
フランスの印象派の画家。彼は、印象派の理想に対する正統的な貢献に関して、印象派の原画家と見なされている。彼の作品、「印象:日の出」(マルモッタン美術館、パリ)から、このグループは命名された。
晩年には、視力の低下に悩まされたが、最後まで絵を描き続けた。彼は多作であり、多くの画廊が彼の絵を所有している。
(WebMuseum : Monet, Claude)


セザンヌの静物画

ポールセザンヌ:リンゴのある静物画、1895 - 98
油絵、27 x 36.5 in.
近代美術館、ニューヨーク

りんごといえばセザンヌという感じです。一見ありふれた静物画のようですが、絵の中に四角い形が見え隠れし、キュービズムの作品ということがわかります。我が家では、この絵の絵はがきを額縁に入れて、洗面台の脇に飾ってあります。

ポール・セザンヌ

(1839年1月19日生まれ、1906年10月22日逝去)
フランスの画家で印象派以後で最も偉大な画家の一人。その作品とアイデアは多くの20世紀の芸術家や美術界の動き、特にキュービズムに影響を与えた。セザンヌの作品は彼の生前は正しく理解されなかった。彼の作品は、個人的表現と絵画自体の統合を主張することによって、印象派の範疇をはずれ、19世紀の絵画の伝統的価値観に挑戦するものだった。彼は近代絵画の父と呼ばれている。
(Encyclopadia Britannica, 1994)

 戻る