スコーピオンの封印・5


「2人は音楽に興味があるの?」
「はい。私はバイオリンをやっていて、絵里奈はピアノを習っていました。」
「ふうん。やっぱり2人は気が合うわけだ。」
「いえいえ。それほどでもありません。」
 『いえいえ。それほどでも。と言いたいのはわかる。だって私と絵里奈は中学の時、同じ音楽部に入ってて、高校も同じだった。2人で音楽関係の高校に通ってストレートで大学まで行ったんだ。
「へえー。高校も一緒なんだ。」
「はい、そうです。あっ、シートベルトつけないとね。」
「先輩これですか?」
「うん。そろそろ離陸するのよ。」
 絵里奈は今回が飛行機に乗るのは初めてだから、私がいろいろ教えてあげないとね。午後5時50分。飛行機は離陸はした。横で絵里奈が『うわー!』やら『こわいー!』やら、大騒ぎしている。初めてだもんね。私も最初はそうだったから・・・。
 しばらくたって私たちはベルトを外し、おしぼりとジュースが配られた。ヒカルくんはワインのロゼ、私はビール(おいおい、人前でか?)、そして絵里奈はまだ未成年(でも家では結構飲んでるらしい)なので、コーラを頼んだ。
 意外なことに、ヒカルくんは氷をもらって、グラスの中に氷を入れてワインを飲んでいる(ヒカルくんだから出来るんだよね)。『あんまり冷えていないから』だって。
 それを見て私と絵里奈はうっとり。だってヒカルくんの横顔がカッコイイんだもん!それに本人が目の前にいるとなると・・・あ〜〜〜幸せ(はあと)。
「先輩、顔がニヤけていますよ。ついでに目がハートです。」
「えっ?そう?」
「はい。もうバレバレです。」
 顔は苦笑いだったけど、心の中はムンクの叫び状態だった。
 しばらく、私たちとヒカルくんはしゃべることがなかったので、ゲームボーイはやるわMDを聞くわと、個人でいろいろなことをしていた。そんな時、ヒカルくんが私の肩をたたく。
「ところで女神ちゃん。あのことは絵里奈ちゃんに言ってないよのね?ほら、パソコンのこと。」
「はい。言っていませんけど・・・。」
「OK。」
「先輩、ヒカルくん、何を話してるんですか?」
 ドキッ!思わずヒカルくんと私はびっくりした。MDをしていたから、言ってることがわかんないと思ったけど・・・。絵里奈は地獄耳だからなぁ。とにかくその場はごまかして、絵里奈の気をそらせた。。。
 はぁ。良かった。もしわかってしまったら・・・(^^;;;血の気が引いちゃうわ。食事の時間がやって来た。チキンかビーフを選ぶことになってるんだけど、絵里奈がどっちがいいか迷ってる。
「絵里奈、早くしなさい。他の人が待っているよ。」
「わかりました。じゃあビーフ。
「かしこまりました。」
 ビーフを目の前に、絵里奈が嬉しそうにお肉をほおばっている。私はチキンの方を選んだ。少し絵里奈のおこぼれをもらって・・・。ヒカルくんはどっちかというと、絵里奈と同じビーフが好き。赤ワインを片手に、おいしいビーフを食べている。
 食事も終えてスリープの時間。話題の映画を見ながら、のんびりとくつろぐ私たち。一方ヒカルくんは作曲作りに励んでいた。人気ミュージシャンは大変なのである。特別に見せてもらった。
 大変だなぁ。だけど、パソコンの中で言ってたあの言葉が気になる。ヒカルくんは、もうあのことを忘れているかのように、曲作りに励んでいた。もう忘れてしまったのだろうか。

「女神ちゃん、起きてよ。そろそろ時間だよ。」
「えっ?今何時ですか?」
「ハワイの時間で午前7時。」
 あっ、もう赤道越えたんだ。あれからパソコンの中で言ってたヒカルくんの言葉の意味を考えていたら、いつの間にか私は眠ってしまっていたのだ。目をこすって窓を見ると・・・。
 なんと窓の外には、青い海が広がっていたのである。私は絵里奈を起こし、窓を眺めさせた。すると絵里奈もキャーキャー騒ぎ始めた。絵里奈にとっては海外は憧れだったから・・・。
 ハワイに足を踏み入れた絵里奈。あまりの暑さに、思わず日傘をさしてしまったらしい。絵里奈はお嬢様だから肌が白い。そのためかすぐにシミができてしまうのだ。私は平気なんたけどね・・・。
「あっつーい!!」
「ホントだ。早くバスに乗ろう。」
 ファンの人達は先に降りてしまって、バスに乗ってしまったため、ヒカルくんと私と絵里奈が乗っていた。添乗員さんもいたんだけど、絵里奈はヒカルくんとしゃべっていた。私は添乗員さんとおしゃべり。
 添乗員さんは、ファンの子たちにモテてたらしい。写真を一緒に撮ってくれだの、様子はキャーキャーしていたとのこと。さすがに眠る時間には静かになってたらしいけど・・・。
 飛行機を出て、まずは入国手続きをする。私たちはすいてる所を狙って入国手続きをした。英語で話しかけてくるので、絵里奈は戸惑いぎみ。私は少ししゃべれるので、私が通訳したけど・・・。
 空港を出る前に、地元・ハワイの女の人から、レイ(これは、ハワイでしかもらえなくて、 花を糸でつなげて観光客の首にかけてくれるののである)をもらい、いざ観光へ出発!!!
 50人くらい乗れるバスに揺られながら、私たちは観光を楽しんでいた。あらっ、カメハメ ハ大王の像が立っている。ファンたちは写真を撮りながら大騒ぎ。話によれば、外国の観光が 初めてという人が多いらしい。

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