SIMONS 狩り日記  (00. 11. 1.〜 11. 30.)
 
                                      



'00. 11. 21. (Tue)
 過日、DM で「大漁でしたぁ」という情報をもらったので久しぶりに御茶ノ水へ。この区域に数店ある大手中古チェーン「D」の中で一番広いフロアを持つ駅前のHビルに向かう。ここはオープン当初に行っただけで久しぶりだが、メールでの話しではAOR / CCM がざくざくだったらしいので「二匹目のドジョウ」狙いでちょっと期待していたりする。まずは1Fのアウトレットセンターでバーゲン品をチェックするが大したモノなし... 「もう残り物なしかな」と思いつつ、2Fの中古センターへの階段を登っていく。しかしこの手のチェーン店では、同じ様なジャンルのアイテムのストックをある程度まとめて店頭に出す傾向があるので、誰かが何か見つけた時は結構「狙い目」だったりする。一度で見つからなくても、何度かチェックしてみる事はかなり有効なので覚えておいて欲しい。案の定、このフロアでは大当たりで M. Landau の奥方として知られるシンガーの2枚のアルバム Vonda Shepard / S.t. ('89 Reprise), Vonda Shepard / By 8:30 ('99 Jacket)、数ある邦楽カヴァー物の中で内容・レア度ともに最上級に位置し、W. Wiebe, J. Williams, B. Champlin らのL. Vo が聴ける V.A. / Goody's ('92 BMG Victor)J. Porcaro Works の中でもなかなか見つける事の困難な1枚といえる John O'kean / Solid ('91 Circa) といった美味しい CD をゲット。そして「今日の1枚」は前回の SIMONS でも大変な数のオーダーを頂いた CCM の名盤 & レア盤 Russ Taff / S.t. ('87 Word) !!!... 最近はネット通販でもかなりの高値を付けているので、こういう形での思わぬ入荷は嬉しい限りである。しかし反面、発売元のバンダイ・ミュージックの撤退で投げ売りされていた Eric Tagg / Through My Eyes ('97 ID Net), Ken Navarro / Smooth Sensation ('97 ID Net) などを見ると「安価で買える」という喜び以上に「こんな売り方してて大丈夫だろうか」という音楽業界に対しての不安感の方が先立つ。作品を世に出す事も大切だが、それを「文化」として根付かせる関わり方の様な物も考えていかなければ単にブームとしてのとらえられ方で終わってしまう... 本音では「いつでも買いたい時に買いたい物が入手出来る」「いつでも聴きたい時に聴く事が出来る」というのが一番いいと思うが、今後はネットでの音楽配信なども絡んで来るので興味深く見守っていきたいものであろう。それまではせいぜい頑張って「狩り」しなくては(何じゃ、そりゃ)。


'00. 11. 18 (Sat)
 以前も書いたが「新規オープン」が美味しいのは中古屋もパチンコ屋も同じ... という訳で(?)、今日オープンするのは大手古本チェーン「B」の「H店」。JR 山手線の原宿駅を降りて竹下通りを通り、明治通りに面した一等地にある店舗を見ると「中古屋も市民権を得たなぁ」と感慨深いものがある(そんなに大げさな事ではないが... 笑)。到着したのが夜になってからだし、狩りの常連さんで「今日行きます」と言っていた人も何人かいたのでそんなに期待はしていなかったが(ウソ、実は期待満々... 爆)、新規オープンなのでバーゲンコーナーもさほど無くちょっとガッカリ。それでも邦楽の棚で L.A. ミュージシャン勢揃いの 山本達彦 / Next ('90 Alfa) の初回ハードケース入りをゲットし、洋楽の方へ移動... ここでも苦戦は続き「やっぱり根こそぎ持って行かれちゃったかなぁ」などと思っていたら何と最後の最後にアルファベットの <W> の所に超レア盤となっている Chris Rainbow / White Trails ('79 Vital Spark) なんぞを見つけてしまう。一度 CD化した時にはすぐに廃盤となってしまい、LP はネタ物としてかなりの高値で売買されているのでなかなかお目にかかれない1枚なのでこれだけでもかなりの成果だろう。店員が良く判っていない店ではこうしてアーティスト名とタイトル名が間違われて並べられている所も少なくないので、「これは」と思うアイテムについてはその辺に気を付けて見てみるのも無駄ではないのでは。
 調子に乗って、こちらもつい数日前にオープンしたばかりである「B」の「都電W駅前店」へも言ってみる事に。本当に都電の終点駅の真ん前に位置しているのにはびっくりしたが、小さい店の割には枚数もまずまずでバーゲンコーナーも充実している。まだ「その筋の方」のチェックは入っていない様で(笑)、各ジャンルのCD がそれなりに並んでいる。時間もさほど無かったのでざっとしか見られなかったが、それでも SIMONS での人気アイテムである Mr. Mister / I Wear The Face ('86 RCA)、そして私の大学の音楽サークルの先輩である 角松敏生 プロデュースで自身も参加している Jadoes / Before The Best ('87 Columbia) といった珍しいアイテムを入手。これからもここのオープンは要チェックでっせ、皆さん....


'00. 11. 4. (Sat)
 今月初めの「狩り」は SIMONS兄と一緒に秘密裏の出動となる (誰に対して秘密やねん... 笑)。催事などでパタパタした時に「ここはなかなかいいなぁ」と思った店があって、何処にあるか調べたのだが、レコードマップにも載っておらずそのままになっていた。しかし先日何とはなしにネットで検索かけたら見事に場所が判明したため、今日は実地調査となった次第だ。場所は... 秘密にしておこうと思ったが特別に教えてしまおう。西武線とJR武蔵野線が交差する秋津周辺の裏道にひっそりとあるのがその店「C」である。ちょっと迷いながらも無事到着し、店に入ってみると「何て狭いんでしょう〜」... おまけに小学生のガキんちょが所狭しと店内を占拠している。CDやLPも数えるほどしかないので???だったが「催事に出品中の為、CD&LPは暫く店に戻りません」という張り紙を見て納得。その手の品物は催事での販売が主で、店売りはほとんどしていないのだ。とは言っても、Cool Sound や Vivid の新譜が店頭に並んでいたりして店長がいかにも「好き」なんだろうなぁというのが感じられる。そんな訳でここでは特に買う物は無かったが、何故かSIMONS兄は「持ってなかったんだよな」と言いながらADLIBの「AOR ハンドブック」を見つけて喜んでいた(笑)。
 今日は他にめぼしい「狩り場」は設定していなかったのでそのまま帰路に就くが、途中でガソリンを補給しなければならない為に、新座付近で得意のカーナビ検索を行い契約しているスタンドを探しそこを目指して車を走らせる。だが「ガソリンスタンドが無い」... どうやらその店舗は閉店してしまったらしい。仕方ないので次の店を探していると、通り沿いの倉庫の様な所にに「CD」の文字が見える。2人で顔を見合わせ、当然の様にハンドルを切って店先に車を止めていたのは言うまでもないだろう(爆)。看板もろくに出ていない店で本やビデオが多いが、CDもかなりの枚数が並んでいるのでちょっと期待できそうだ。中野・高円寺・荻窪などにある「R」の値札が付いた物が多いのは流通のルートがあるからなのだろうか... そんな事を思いながらパタパタし始めるが、さほどの物も無い。値段もそれなりなので仕方ない所だが、AOR 定番モノと言える Robbie Dupree / Carried Away ('89 Village Green), 通好みの Don Ciccone / Lovers Prayer ('92 Polydor), Bourgeois Tagg / Yoyo ('87 Island) あたりが主な所か。と思っていたら突然目に飛び込んできたのが先月久々に見つけてぶっ飛んだ Pm / S.t. ('88 Warner) !!! ... こんなん「R」に置いてあるうちにちゃんと買わなあかんのに。得てしてそういう時にはお目にかかれなかったりするんだよな。しかしそれまで何年もかかって1枚やっと探したのに、1ヶ月もたたないうちに2枚も引くかぁ... 正に「一度見つけるとまた見つける」を実践してるぞぉぉぉ。更にその感触が消える前にどか〜んと来たのが、産業激レア物の1枚である Mastedon / Lofcaudio ('90 Pakaderm) だ !!! 。J. & D. Elefante 兄弟の手による名作で、中古ネット市場では50$ だ100$ だなんてとんでもない値段が付いている代物なので「何でこんな所にあるの?」と言うのが正直な感想。いずれも自分の分ではないものの、これだけあれば「C」で空振りだった無念が晴らせたので大満足... ただ一つ不満を言うとすれば、道に迷った末にたどり着いた店なので次に行けるかどうか判らないという事だ(笑)。いや、もしかしたら店自体が「幻」だったりして... 季節はずれの怪談話しじゃないんだから。(実は、私はその手の話しが死ぬほど苦手じゃ〜... ちゃんちゃん)