Massy's Selection A.O.R. Must CD Item    




Crackin' / Special Touch ('78 WARNER)         推薦度 : ★★★☆
ファンキーでソウルフルなバンドサウンドが好きなら、このグループに注目です。75年に「Crackin'」でデビューして以来、これが4枚目のアルバムになります。名プロデューサー P. Bunnetta & R. Chudacoff が在籍していた事でも知られていますが、A.O.R. ファンには何といっても L. Smith が歌っていたバンドとして認識されていると思います。前作同様、プロデューサーは M. Omartian でかなり A.O.R. 度の高い洗練された作品に仕上がっています。それでいて彼ら独特のグルーブ感が失われていないのはさすがだと思います。惜しむべくは、Crackin' 自体が「早すぎたサウンドテイスト」を生かし切れずに、このアルバムを最後に活動を停止してしまった事です。今聴いても決して古くないサウンドをどうぞ。

Steve Perry / Street Talk ('84 CBS)           推薦度 : ★★★☆
誰ですか、「これって産業だろ」なんて言ってる人は。確かに Journey は産業ロックですけれども、このアルバムはどう聴いても A.O.R. としか考えられないですよ。その要因としてまず挙げられるのは、R. Goodrum, B. Cuomo, C. Krampt ら豪華なソングライター達の存在でしょう。自身も素晴らしいソングライターである S. Perry ですが、彼らとのコラボレイトによって今までとはまた違った魅力が引き出されています。全米 No1 ヒットとなった「Oh Sherrie」や名曲「Foolish Heart」などは一度聴いたら忘れる事はできません。加えてM. Landau, W. Wachtel を中心とした L.A. のセッションマンのサポートも絶妙で、極上のA.O.R. アルバムに仕上がっています。是非一度、偏見無しに聴いてみて下さい。

Peter Cetera / Solitude Solitaire ('86 Warner)     推薦度 : ★★★☆
自他共に認める Voice of Chicago だった P. Cetera の脱退は衝撃でした。一時の低迷を、名プロデューサー D. Foster の手腕で切り抜けた Chicago でしたが、結成当時からバンドの中心だった彼は思うところがあったのかも知れません。ソロアルバムとしては2枚目となる今作は、M. Omartian がプロデュースを担当し J. Porcaro, D. Huff, R. Parker Jr, A. Grant, P. Leim, C. Thompson... といったミュージシャンが参加しています。当時超売れっ子だった M. Omartian の仕事は素晴らしいの一言で、彼の長所が十分に発揮されていると思います。C.C.M. フィールドのミュージシャンが多いのも、ピーター自身が敬虔なクリスチャンなのでうなずける所でしょう。スマッシュヒットした <Grory of Love> は涙モノですよ。

Vapour Trails / S.t. ('79 Warner)            推薦度 : ★★★
ついにこのアルバムまでCD化されてしまいました。このアルバムやアーティストを知らない人でも、洋楽ファンなら一度は必ず耳にしているでしょう。そう、懐かしの「ベストヒットUSA」のオープニングに流れていた曲 <Don't Worry Baby> (サーフサイドフリーウェイ) が収録されているのがこの作品なのです。イギリスで活躍していたセッションミュージシャンの彼らを L. Carlton がプロデュースして出来た今作は、西海岸系のサポートミュージシャンの起用もあってかなり爽やかなウェストコースト・サウンドに仕上がっています。ところどころに Eagles や Steely Dan 的な色も匂わせていて、聴き応えのある1枚だと思います。でも、やっぱり <Don't 〜> から聴いてしまうのは悲しい性ですかね(笑)。

Jack Wagner / All I Need ('84 Qwest)          推薦度 : ★★★
80年代半ばになると、A.O.R. 系アルバムのリリースも激減して「これ」という作品も少なくなっていくのですが、そんな中でもキラリと光っていたのがこのアルバムでした。自己のレーベルを起こして有望な新人を発掘していた Q. Jones が、TV俳優として活躍していた J. Wagner に白羽の矢を立てたのでした。当時、売り出し中だった 新進気鋭の C. Magness & G. Ballard をプロデューサーに配し、T. Keane(Key), P. Mastelotto(Drs), M. Thompson (G), D. Faragher (B) ら A.O.R. 系のサポートミュージシャンを使っての楽曲はまさに王道を行く曲揃いでした。加えてタイトル曲の <All I Need> は全米ポップチャート2位まで上がる大ヒットとなり、当時の輸入盤屋ではかなりの好セールスを記録しました。85年にリリースされた次作「Lighting Up The Night」も同時にCD化されましたので是非2枚揃って聴いてみて下さい。