研究テーマ->メディアアート->オリジナル・アートワーク->MusicPlant
ここでは、メディアアートの作品「MusicPlant」を紹介します。 
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MusicPlantの概要

Music Plantは、PCと電子楽器を使用したメディアアート作品です。電子ピアノで任意の曲を弾くと、その曲を元に別の曲が生成されてプレイバックされるという不思議な装置です。
演奏を始めるとモニター上に映し出されたバーチャル植物が成長していきます。この時、植物の形は固定ではなく、その時々の演奏を反映したものになっています。電子ピアノのキーを1つたたくと枝が1つ増えますが、音階上の音と枝の伸びる方向との間に、ある法則が割り当てられています。なお、2音同時にキーを叩いて和音を演奏すると、枝が2つ同時に伸びるようになっています。
演奏を止めてしばらくすると植物の再描画と曲bのプレイバックが始まります。再描画のパターンは、外側の枝から描画していくパターンと内側の枝から 描画していくパターンの2つがあります。
枝が描画される際、枝に割り当てられた音が鳴りますが、この音は、その枝が生成された時の音と同じではなく、ある法則に従って変換が行われています。
外側から枝 を描画していくパタン―ンでは、その枝が生成された時の音と同じ音が鳴るので、描画の過程で演奏される音楽は、元の音楽をリバース再生したものになっています。植物の根元から枝を描画していくパターンでは、時間的な経過は、同一のものですが、再描画の時に出される音は、元の音程を裏返したもの(高い音を低い音に、低い音を高い音にする)になっています。例えば、メジャーコードは、音程を裏返すと、マイナーコードになります。これは、短3度と長3度を積み上げた和音(メジャーコード)は、長3度と短3度を積み上げた和音(マイナーーコード)へと変換されるためです。曲全体では、長調の曲は短調の曲に、短調の曲は長調の曲に変換される仕組みですから、明るい音楽は、暗い音楽に、暗い音楽は明るい音楽になってプレイバックされます。
いずれのパターンでも、元の演奏が音楽的なものである程、 再描画の時に返ってくる音楽も音楽的なものになります。でたらめに演奏した場合は、再描画の時に返ってくる音楽もでたらめな感じなものになります。

この作品の全体、あるいは描画部分を「Music Plant」と呼んでいます。音の演奏順を逆転、あるいは音程を反転させる仕組みを「Music Mirror」と呼んでいます。

この作品は、2000年に発表した当時、MicroSoftのDirectXという技術を描画に使用していました。2023年に再発表する再DirectXの技術はサポート終了となっていたため、同じコンセプトのもと作品全体を再作成しています。旧バージョンの内容は、MusicPlant 旧バージョンのページでご覧いただけます。

コンセプト 
(1)音の履歴を、形として表わすことにより、音楽の構造を視覚化する。
(2)音程や音の演奏順を逆にしても、元の音楽の本質的な部分が受け継がれることを示す。
音の反転 (Music Mirror)

 

下の図で説明しているような垂直方向の反転や、水平方向の反転を行います。
水平方向の反転は、時間軸を反転させます。このため、最初の音符は最後に、最後の音符は、最初に演奏されるようになります。
垂直方向の反転は、音程を反転させます。ちょうど、楽譜を鏡に映してみたように、高い音は、低い音に、低い音は、高い音にして演奏されます。 ただし、反転によって、音が高すぎたり、低すぎたりして不自然にならないように、オクターブを上下させる操作をしています。
元のメロディ

垂直方向に反転させたメロディ

和音も反転されます(C△はFmになります。特定の音(下の例ではCの音)を中心に反転させます。実際には、Fmの音は1オクターブ下になります。)

水平方向に反転させたメロディ

音階を垂直方向にミラーリング

垂直方向の反転(動画)

 

水兵方向の反転(動画)

 

植物の成長 (Music Plant)

鍵盤を叩くと、1つの音に対して1つの枝が植物に加わり、演奏を続けると植物が成長していくようになっています。
音階上の音(ドレミファソラシと#、bを含む音)には特定の角度が割り当てており、同じ音(オクターブ違い含む)を弾くと同じ角度の枝が伸びるようになっています。
このため、植物の形は、曲の中のそれぞれの音の出現頻度を反映したものになっています。
短焦点プロジェクタの使用

短焦点プロジェクタ

 

キーボードの前に置いてある白い装置が短焦点プロジェクタです。
展示の様子

2023年 改定バージョン 演奏しているのは耳をすませばというオリジナル曲です。

旧バージョン 演奏しているのは舗道の雪という オリジナル曲です。
色々な曲

猫ふんじゃった
展示の際にも、何人かの人が「猫ふんじゃった」を演奏してくれましたが、不思議な事にプレイバックで元の曲の一部が流れるような気がします。
説明が難しいのですが、ペンタトニックを使用して、フラクタル音楽のようなアルゴリズム的な手法で作曲されているからではないかと思います。
写真
展示記録
2023/11/16〜19 みかのはら〜と(京都府木津川市加茂町)
2023/11/4〜5 NT東京
2023/09/23 みんなの学校ごっこ2023(東山区いきいき市民活動センタ)
2023/09/16〜17 NT富山
2013/01/19 〔FINNEGANS WAKE〕1+1(二十五年たたみEXHIBITION 新春お茶の間大興行) http://youtu.be/CkXr1y_no2g
2013/01/13 〔FINNEGANS WAKE〕1+1(二十五年たたみEXHIBITION 新春お茶の間大興行) http://youtu.be/I4krxolp7fA
2012/02/17 Katakamuna(ライブイベント)

2002/08/17〜

静岡文化芸術大学 メディアアートフェスティバル

2002/07/13〜2002/09/10

神戸ファッション美術館 「鉄腕アトムの軌跡展」
(NeuroCubeと組み合わせた改造版)
2000/02/05〜2000/02/26 神戸元町 アートスペース Forecast
2000/02/12〜2000/02/20 大阪道頓堀 SUMISO