赤岳に登る(01/07/16〜17)

★印あたりが行者小屋
クーラーが故障、修理が3日後、これは山に行くしかない・・・。

いつか登ってみたいと思っていた八ヶ岳のど・こ・か、ということで出掛ける。

早朝出発、まず茅野側の美濃口の八ヶ岳山荘に車を置き、所要時間2時間の南沢づたいに行者小屋まで歩き、そこから1時間の阿弥陀岳の中腹の花畑を目標に。体力に自信がないので、カメラはデジカメだけ、食料と水は一杯!(*^_^*)。
コメツガやシラビソなどの針葉樹林の間を沢沿いにゆるやかな登山道をのらくらと行者小屋に向かう。途中花は、オサバグサ(シダの葉っぱにランのような小さな花でユニーク)がたくさん。シロバナヘビイチゴ、ゴゼンタチバナ、クルマユリ、ミソガワソウ、ヤマオダマキ、ヤマブキショウマ、シモツケ、ヤグルマソウなど。
コマドリとミソサザイが沢に沿って、間隔を保ちながら、最低コマドリ6、ミソサザイ10羽以上はいた。
ゴゼンタチバナ ミヤマミミナグサ
行者小屋には3時間かかって到着、ウソが歓迎してくれた。
回りを見上げると、いきなり険しい山々がそびえていて圧倒される。
少し休んで、阿弥陀岳に向かう、緩やかな登りで1時間とある、楽勝!。
花も見ながら、1時間30分ぐらいで尾根(中岳コル)にたどり着く、このあたりが森林限界。右手に阿弥陀山、左手に中岳が連なる。
阿弥陀岳から斜面を後ろ向きで降りてきた、中年のご婦人と男性、若い女性の3人組にお話を伺う。お花はあまりなく、険しく、ルートがはっきり分からないので、一人ではやめたほうがいいだろう、それよりも赤岳のほうが登り易く、お花も一杯あると勧められ、連行された。
阿弥陀岳を少し登り、ミヤマハンショウヅル、チシマギキョウに感激して、頭上のキンバイらしき、黄色い絨毯を双眼鏡で眺めて、さあ、中岳から赤岳へ。
ミヤマハンショウヅル
2:00出発、中岳には尾根づたいに登る、途中ハイマツに混ざってハクサンシャクナゲ、密やかに咲いているコケモモ、ハクサンシャクナゲは見下ろすとたくさん咲いていた。
コケモモ

登っていると突然、先ほどの老紳士が「こちらにたくさんお花がありますよ!」、と呼んで下さる。キンポウゲが一面、シナノキンバイ、ハクサンイチゲ、他、クロユリ、「写真を撮ってあげましょう」、ということで、お花畑の真ん中にボソッと立ち、私のデジカメで撮っていただく。そこでしばらく遊んでから又登り、中岳に到着、先ほどの一行はもう中岳から鞍部に降りている。
中央が地蔵仏 クロユリ ミヤマダイコンソウ、後ろに赤岳山荘
私もずりずりと降りると、そこはコマクサの群生、キンバイ、チシマギキョウなどたくさん咲いていた。夢中でお花の写真を撮って、ふと赤岳を見上げると、石ころゴロゴロの斜面にギザギザなスイッチバックの道が続いていて、その上はいきなり切り立った岩山になっている。
コマクサ ミヤマシオガマ ミヤマツメクサ 中岳から赤岳を
ちょっとうんざりしながら、うだうだ休憩して、仕方なく、ごろごろの斜面を登り始める。
とぎれたところで先ほどのご一行に合流、一緒に休憩する。青い空、連なる山々、湧き上がる雲、素晴らしい展望が広がっている。案内していただいて感謝、おやつまで頂く。
標識にあと30分と書いてあった。これからは鎖を伝う岩登り、すごい、向かいの切り立った岩の斜面にも花が涼しそうにそよいでいる。ミヤマダイコンソウ、チシマギキョウ、チョウノスケソウ、イワベンケイ、イワウメ、コバノコゴメグサ、クロクモソウ、ミヤマウイキョウ、ミヤマツメクサ、ミヤマオダマキ、ミヤマシオガマなど。
ミヤマオダマキ ミヤマウイキョウ 遠くに富士山 チョウノスケソウ
ちらちらと花を眺めながら、実は汗だく、ゼイゼイしながら這い上がる。
ここでおしまいか、と思うと、方向を変えて又険しい道が続く。
イワベンケイとミヤマミツメクサ
4:30頂上に立つ!
感激!っ、涼しい風が気持ちいい。お地蔵さんにお礼を言って、頂上小屋へ。
泊まりの手続きをして、休憩、5:30に夕食。
夕日を見るため7:00頃から外で待つ、寒い、雲が多く、夕日は雲を帯状に染めただけ。ここでデジカメの電池がないことに気づく。持ってきたのは充電前の電池ばかりで、宿にはないしアウト(^^;)。だましだまし2枚シャッターを切る。
赤岳からの夕日

就寝が8:00、ぐっすり。

翌日
朝4:30に今度はご来光を見るべく外に出る。夕日と反対側なのは当然なのだけど、何だか面白い。又雲が深く、下からわき上がり、朝日にわずかに空が染まっただけで終わる。だましだまし2枚シャッターを切る。
5:30 朝食、前日のご一行と一緒に今日の予定などをお聞きしながらいただく。
6:00 みなさんにお別れし、宿を出発。一路下山なので、赤岳から赤岳展望荘に向かうごろごろの急な岩の道をもやで見通しも悪い中、足元だけを見つめ降りる。下からウグイスやルリビタキ、カヤクグリの声がして、イワヒバリは道の脇でせかせかと歩いている。
展望荘でデジカメの電池を売っていた、良かった。買ったついでにコーヒーを飲んで、もやが晴れるのを待つが、テレビの天気予報は曇り。仕方なく出発。
少し行くと、地蔵仏、ここから一気に行者小屋まで降りれるはず、地蔵さんに無事をお願いして、下を覗くとすごい崖、躊躇していたら、うまい具合に、私の3倍も大きな荷物、その上飛ばないようにいかつい三脚を担いでいるおじさんがひとりでやってくる。お先にどうぞ、としておいて尾行する。なんとか急な崖も梯子段も無事やりすごし森林に入るが、それでもかなり急坂になっていた。
ルリビタキ、ホシガラスの声が聞こえ、ヒガラ、キクイタダキ、メボソムシクイ、ウソと同じ面々。

行者小屋に着いて、水を汲む。ここの水はすっごくおいしいという評判で、ペットボトル3本に満たした。
降りた山を見上げると、すっきりと晴れている、何だ〜!。
ここから2時間。来た道を戻る。途中まで沢は枯れていて、途中から水がいきなり流れている。ミソサザイ、コマドリの声が始まり、黙々と歩き続ける。

以上、出会った人たちのおかげで遭難もせずに無事に下山することが出来た。


戻る