Aラリー2002年
6月号


自然と伝説
大満喫コース!


徳島県美馬郡貞光町 道の駅・ゆうゆう館〜
三好郡西祖谷山村町 道の駅・にしいや 約83km



走行日 5月11日 曇り
 阪神高速、第二神明、淡路鳴門自動車道、徳島自動車道と高速を乗り継いで1CPを目指す。
 美馬インターで高速を降りて国道192号に入るとすぐ、CP1道の駅貞光のシンボルタワーが見えてきた。
 情報・案内サービス館、休憩館(レストラン)、シンボルタワー、物産センターなど施設の充実した道の駅だが、時間が無いので、名物のワニ料理も食べずにすぐに出発する。

 国道438号をショートカットして、貞光のうだつの町中を走る。二層うだつの独特の町並みが続いている。
 貞光町は古くから商業の町として栄え、特に江戸時代には葉たばこの産地として繁栄し、商売の町と言われるほどの隆盛を見たという。
 その往時の繁栄を物語っているのがこのうだつの町並みで、うだつというとお隣の脇町が有名だが、この貞光町のうだつは、二層うだつと呼ばれる珍しいもので、段になった防火壁に、立派な屋根が設けられ、正面には家ごとに異なる美しい絵模様が施された重厚で豪華なもので、当時のこの町の繁栄が伺える。

 
 うだつの町並みの中ほど、小路に入ると町指定の有形文化財、旧永井家庄屋屋敷があった。
 550坪の敷地には、18世紀後期に創建されたと伝えられているモヤと呼ばれる母屋をはじめ、蔵やネドコなどの建物群がそのままの姿で維持されている。
 周辺の町並みと、周りの山々を始めとする景観に溶け込んで、町全体の価値を高めているような気がした。
 貞光の町を抜けて国道438号に入り、剣山に向かって南下する。険しい山道が続いてゆく。
 一宇村に入り、土釜トンネル手前の橋のすぐそばに天然記念物の土釜があった。
 土釜は、そそり立つ岩盤の間を落差7mの滝が激しく流れ落ち、それが岩を浸食して穴をあけ、釜のような滝壺を造り上げているところからその名が付いたそうだ。
 川の上には木々が覆い被さり、昼間でも暗くて、その下をごうごうと水が激しく流れ、霧のような細かい水しぶきが立っていて、何やらひんやり涼しい感じがする所だった。
 土釜の下流にOPT1鳴滝があった。
 鳴滝は、落差85mという県下随一の規模を誇り、大きな竜が三段に身をくねらせたように落ちてくるようにも見える。
 昔は剣山に登る修行者が、この滝で身を清めたらしい。
 展望台から下に降りる。マムシに注意しながら滝つぼのすぐ近くまで行ってみた。
 真下から見上げると、ごう音と豪快な水しぶきで迫力満点の滝だった。
 
 国道438号を剣山に向かって走る。
 嫌になるくらい狭い山道を抜けて行く。民家の軒先をかすめて走るようなところもあって、国道を走っているというより、人の家の庭を走っているような感じもする。
 途中で時間通行制限が行われていて、30分くらい足止めを食らったりして、思うように進めない。
 標高が高くなると、霧も出てきて前もよく見えない。
 霧の中を恐る恐る進んで、なんとか剣山の麓、見ノ越に着いた。
 近くの食堂で祖谷そばを食べて、再び出発する。

 
 名高き国道439号、通称よさくを走る。狭い山道ながら意外と交通量は多い。
 しばらく走ると奥祖谷二重かずら橋があった。
 かずら橋というと、ここから下流の、祖谷のかずら橋が有名だが、あちらは行きやすいせいか観光客が多くて、まるで何かのテーマパークのようだが、奥祖谷二重かずら橋の方は、さすがに人も少なく、いかにも平家の落人の里に来たといった感じがして、秘境のムードが漂っている。
 奥祖谷二重かずら橋を渡る。
 入場料が500円で少々高いが、橋の維持のためには仕方ない気もする。
 かずら橋は、その昔、平家の落人が源氏の追っ手を防ぐため、いつでも切り落とせるようにシラクチカズラのツルで作った吊り橋といわれているが、いまでは太いワイヤーが入っていて、切れる恐れは無いとは思うが、実際渡ってみるとなかなか怖い。
 結構ゆれるし、足元の隙間からは、はるか下の方に河原が見えて、注意していないと落ちてしまいそうな気がする。
 高所恐怖症の人は、渡らないほうが無難だろう。


 OPTの旧喜多家住宅はパスして、県道32号との分岐に差し掛かったが、一旦コースを外れて、そのまま国道439号を進み、京柱峠へと向かう。
 ほとんど1車線の険しい山道が続き、所々砂利道の区間もあってのろのろと進んでゆく。またもや霧が出てきて、前がほとんど見えなくなる。
 手探りで進んで行くとようやく県境の看板が見えてきた。
 そこが四国を代表する峠の一つ京柱峠で、眺望が有名な峠だが、残念ながら霧で、眺望は全く望めなかった。
 
 
 国道439号をそのまま進む。
 ガソリンの残量が心配になってきた。
 やっとの思いで国道32号に出て、すぐの所にあったガソリンスタンドで給油する。
 国道を挟んだJR土讃線の駅には、ちょうどそのときアンパンマン列車が停車していた。
 しばらくすると、反対側の線にもアンパンマン列車がやってきて、すれ違って走っていった。
 国道32号を北上して県道45号に入り、最終CPにしいやに向かう。
 この県道45号は、何年か前に走った時には、確か祖谷渓道路といった名の有料道路だったが、今では無料になっている。
 急勾配の大きなカーブが続く道路だが、よく整備されていて、かって有料道路であったことが感じられる。
 最終CPにしいやは、隣に日帰り入浴可能な秘境の湯があって、野宿するには良さそうな道の駅だった。
 
 再び国道32号に戻り北に向かうと、有名な大歩危峡があった。
 大歩危峡には今年の3月にも来たが、そのときは桜が咲いていて非常にきれいだったが(こちら参照)、今回は川一面に鯉のぼりが張り巡らされ、この景色も見事だった。
 何度も来たことがあるが、どの季節に来ても見事な景観を見せてくれる名勝といえる。
 本当は一泊するつもりだったが、そのまま国道32号を北上して井川池田インターより高速に乗り、そのまま家に帰った。
                                                        

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