ホテルのモーニングを食べてから8時頃出発する。
国道202号を西に走り、今宿で北に向い県道54号に入り、糸島半島を一周する。途中に元寇の防塁跡などあるはずだが気付かず、そのまま通り過ぎてしまう。
半島の西岸に入りしばらく走っていると二見ヶ浦というところがあって、バイクを停めて見てみると、鳥居の向うに夫婦岩が見える。まるで伊勢の二見ヶ浦のようで、ふと地図で場所を確認すると、ここは福岡市西区だが、すぐ先は糸島郡志摩町で、地名からこの辺りは、三重県の伊勢志摩と何らかの関係があるのかも知れない。ふとそういうことを思った。 |
所々工事中だったが海岸線を快走し、糸島半島を一周して再び国道202号に出た。
JR筑肥線と併走する。列車には小学生がたくさん乗っていてこちらを見ている。手を振っているので、手を振り返すと喜んでいる。他の小学生もみな窓際に来て手を振ってくる。しばらくずっと手を振りながら片手運転で国道を走ることになった。
日本三大松原のひとつ虹の松原に差し掛かる。延々と松林が続いていて、その松林の中を抜けて国道が通っている。走っても走っても松林が続いている。8kmほど続く松原はさすがに長い。
松原を抜けると眼前に唐津城が見えた。手前から見ると唐津城は、唐津湾に突き出た小高い丘の上に建っていて、まるで絵のような風景の城だった。 |
国道204号に入り松浦半島の東端を走る。天気も良く、海も静かだ。
途中、立神岩に立ち寄る。海岸には黒々とした石が転がっていて、そのうえに大小の奇岩がそそり立って豪快な風景を造形している。先端は祠になっていて、地蔵が安置されていた。 |
松浦半島先端の港町、呼子には11時頃着いた。
浦には漁船がたくさんひしめいていて、港に面した屋台には干しイカが吊るされていて地元の買い物客で賑っていた。港の奥にはこいのぼりが豪快に飾られていた。
港に面した店でイカの造り定食を食べる。出てきたイカはまだ生きていて、げその部分はうごいて少し気味が悪いほどだ。身の部分が透き通っていてこりこりとして美味しい。げその部分は後でてんぷらにしてくれた。柔かくてこれも美味しかった。 |
しばらく休憩した後、名護屋城跡に向かう。
豊臣秀吉が朝鮮侵略の基地に使った名護屋城は、今では所々石垣が残るだけだが、その当時の再現図を見ると、大阪城や伏見城に匹敵する規模の城で、各大名の陣屋がこの周りにひしめいて、一大海上都市のようであったという。
秀吉が夢見た朝鮮侵略は失敗に終わり、その後城は廃棄されたが、海に面した本丸跡に石碑が恨めしげに立てられていて、「太閤が睨みし海の霞かな」という句がなにやら滑稽だった。 |
その後、国道204号を快走して伊万里市に着いた。市街地への入り口にあたる橋には伊万里焼のモニュメントが誇らしげに飾られていた。
国道498号で佐世保に抜ける。展望は良かったが、前に遅い車が連なっていて走りは楽しめなかった。
佐世保市内に入ると車の量が増えて、国道35号は渋滞している。渋滞に我慢できずに、佐世保大塔インターから高速に乗る。武雄JCTで長崎自動車道に入り、給油のため川登SAに入りしばらく地図を見て行き先を考える。
時間があれば熊本まで行って、阿蘇からやまなみハイウェイを通って帰りたかったが、もう3時過ぎで時間が足りないのであきらめて、大分道に入り、日田から中津に抜けて帰る事にする。
日田インターで高速を降りて、国道212号を走る。交通量が少なく走りやすい道で、高速並みのハイペースで飛ばす。 |
耶馬溪には5時前に着いた。まず3700体の石仏があるという羅漢寺に行ったが、もう時間が遅くて拝観できなかった。あきらめて青の洞門に行く。
川沿いに切り立ったように巨大な岩がそそり立っている。その前を川が静かに流れ、白鳥が優雅に泳いでいる。
青の洞門は、250年程前、この付近は大岸壁が道を遮る交通の難所で、人々は鎖を伝って通行していたという。転落して死傷する人も多かった。人々が難渋するのを見て、禅海和尚という一人の僧侶が、槌と鑿で一人大岸壁に立ち向かい、その姿に感動した村人の協力もあって、30年かかってこの洞門が完成したという。
その後も徐々に掘り広げられ、今では車も通れるようになっているが、付近には昔のままの、手彫りの洞門も残されている。 |
パーキングで何気なく地図を見ていると、すぐ近くに国道500号というのがあったので、記念?に走ることにする。
国道500号を走る。走り始めは2車線の良く整備された道だったが、途中から一車線の山道になって、さすがは国道500号と変に納得しながら走って行く。
峠のトンネルを越えると下り坂で細かいカーブが連続するがすぐに平坦な道になってそのうち国道387号との合流点に達した。その後国道387号を宇佐に抜け、国道10号中津バイパスを走る。日が沈んで回りはだんだん暗くなってくる。
淡々と国道10号を走って、小倉に着いたのは8時頃だった。地図を見てこれからの予定を考える。明日には家に帰らないといけないので、このまま走り続ける事にする。
関門トンネルを通って対岸の下関に入り国道2号を東に進む。長距離トラックが国道をハイペースで飛ばしている。夜は気温が下がって少し肌寒い。
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小郡の辺りまで来たが、もういい加減疲れたので、どこかテントを張れる場所がないか考えたが付近には適当な場所がない。仕方ないので高速に乗って適当なSAかPAでテントを張ることにする。
山口南インターより山陽道に乗る。少し走ったところに佐波川SAがあったのでそこに入る。SAでは長距離のトラックが停車して仮眠している。人も少なく、テントを張るのに絶好のロケーションだ。
SAの芝生の上でテントを張る。今日一日で12時間以上走って疲れていたせいか、すぐに熟睡した。
翌日は朝6時頃に目が覚めたが、日が高くなり暖かくなるのを待って 8時過ぎに出発し、そのまま山陽道を淡々と走って家に帰った。 |