ニュースとはいっても、かなり私見が入っています。バレーボール日記をかねている側面もあります。
ダイエー存続へ(98/3/12 - 5/3)
ラリーポイント制ルール、いよいよテストに(98/2/12, 4/23)
象印廃部(98/3/28)
住金、譲渡断念(98/3/26)
実業団3位チーム昇格確定(98/3/9)
25分ルール、撤回へ(98/2/6)
バーバラがブラジルへ?(98/1/24)
クロアチア世界選手権出場決定(98/1/12)
ダイエー存続へ(98/3/12 - 5/3)
現在のダイエー・バレーボール部は黒鷲旗を最後に休部し、6月から「オレンジアタッカーズ」として再スタートすることが、5月2日の日本協会常務理事会で認められた。現在のダイエーバレーボール部の選手はそのまま新チームに移籍する。そのチームの運営は、結局、ダイエーグループの広告代理店である「ダイエーコミュニケーションズ(略称DCC)」が引き受けることになった。選手は全員プロ契約になる方針である。結果的に、「ダイエーグループの子会社が運営を引き受ける」という、存続の話が出た時点でもっとも可能性があると考えられた形に落ち着いた。存続の動きが出てきたのは、第4回Vリーグで優勝した直後からである。Vリーグ優勝を果たした当日夜の祝勝会で、グループ内から存続を望む意見が相次いだ。それを受ける形で、中内会長自身、「ダイエーとしては無理だが別な形での活動が考えられないか」と、検討するように指示したという。
ダイエーは、当初、新たに運営会社を設立しチーム自体を法人化する計画を出していた。しかし、入場料収入やテレビ放映権料がチームに還元されない現状では、独立採算のプロ球団は困難と判断し、DCC社がバレーボール事業部を新設しスポーツマーケティング事業に乗り出すという形を取ることにした。
ダイエーがプロ化の計画を提出したとき、JVAは経営基盤の不安定さに難色を示し、結論を先送りしてきたが、その問題は解消された。JVAもこの案に好感を示し、新チームのVリーグ残留は特に反対もなくすんなり決まった。ただし、休部発表に伴いNEC関西の昇格をいったん内定し、それがこれによって取り消しとなるため、ダイエーに注意とし、再発防止のための規定を作るという。
もちろんこの人気もあり実力もあるチームが存続することは、バレーボールファンとして、そして何よりダイエーの選手にとって、非常に喜ぶべきニュースである。
しかし、私としては、ダイエー休部が発表されたとき、これをVリーグ全体にとって一つの大きな転機にしてほしいと考えていた。ダイエーには、本来全日本クラスの選手でありながらこれまであまり出番のなかったような選手が何人もいるはずである。そのような選手が休部により別のチームに移籍すれば、大きなチャンスが訪れることになる。また、ダイエーの戦力が各チームに分散すれば、チーム力の差が縮小し、一方的な試合が減り優勝争いも面白くなるのではないかと期待していた。
全体として上向きなら、1チームか2チームだけがやたら強いという状態でもうまくいくかもしれない。しかし、日本チームは下降線、やたら目立つのは2〜3人の外国人選手、そのうえ一方的な試合が多く優勝争いも見えているというのでは、「バレーを見ることそのものが三度の飯より好き」という本当のバレーファンか、勝負以外ではっきりした目的(バーバラが見たい!!とか)のある人間でもなければ、バレーボールに目を向けようとするはずはない。
新チームをVリーグのチームとして認めるか地域リーグ(あるいは実業団)から出直しさせるかも、本来問題となるはずである。しかし、この件の経緯を振り返ってみる限り、問題となっていたのはほとんどダイエー側の財政計画だけで、それさえクリアできれば新チームはV存続、ということだったようである。NEC関西は初めから眼中になかったということである。
ダイエーの選手・スタッフには、このごたごたにめげずに今まで以上に頑張ってほしい。また、実業団3位でのV昇格は本来あり得なかったとはいえ、この問題で否応なく振り回され、挙げ句の果てに昇格見送りとなったNEC関西も気の毒である。この問題でNEC関西がぐらつくようなことがないように願っている。
今回の騒動でいろいろと後味の悪いものが残ることは、間違いない。初めから、成績が悪ければ廃部でよければ存続、というつもりだったのだろうか。なぜ最初から(1月の休部発表時点で)この構想を出さなかったのだろうか。そうすれば、NEC関西に昇格内定を出すこともなかったはずである。疑問が残る。
少なくとも、存続が決まってよかったよかった、で終わらせては絶対にならない。ダイエーの休部が発表されたときは、ファンの誰もが、これはバレーボール界全体の危機だという意識を持ち、何をどのように改善しなくてはならないかを誰もが考えた。その空気がダイエー存続によって冷めてしまうことがあれば、かえってマイナスになりかねない。また、プロ化も、いつかは取り組まなくてはならない問題である。
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ラリーポイント制ルール、いよいよテストに(98/2/12, 4/23)
アトランタ五輪以降、時間短縮のためにルールを改正する動きが盛んになっている。このオリンピックでは3時間を超える試合が続出、生中継をしていたテレビ局から「長引くと衛星回線の使用料が高くついてしまう」と、試合時間短縮への強い要望を受けたという。98年4月のVリーグオールスターゲームで、FIVBの提案したラリーポイント制によるルールのテストが行われた。V-Stationおよび月刊バレーボール4月号からの引用になるが、その概要は次の通りである。
1ゲームの点数、あるいは1セットのゲームの数などに多少の違いはあるけれども、この案は基本的にはJVAの提案したルールとほとんど同じものである。
この案の最大の要点は、試合時間の長短の差を小さくすることにあると思われる。
現在15点先取のラリーポイント制で行われている最終セットを見ると、短くて9分、長くて13分で終わっている。この案で試合が最ももつれたとして、21点先取のゲームが4回、7点先取のタイブレーク2回、15点先取の最終セットを行うことになる。時間が長くかかったとしても、21点のゲーム1ゲームで18分、タイブレーク1回で5分、最終セット13分で、合計1時間30分〜40分となる。どのゲームも2点差がつくまで行うのでこれよりさらにもつれる場合もありうるけれども、それでも1時間40分を超えることはほとんどないだろう。逆に、試合が一方的になったとしても、1ゲームに13分、4ゲームで50分は超える。
注: 以上の議論は、各セットの所要時間の合計である。セットの間の休憩などは含まない。
選手の間では、「しんどい」という感想が多いという。ラリーポイント制では一つのミスがそのまま失点につながるので、試合が長く感じられるらしいのである。ふだんは15点先取で決着がつくため、21点が長く感じられるということもある。しかし、それだけ気の抜けない試合が続くとすれば、これはプラスであるといえるだろう。所要時間は、もつれた男子の試合でも途中の休憩なども入れて1時間46分でおさまっており、時間短縮の狙い自体は達成されている。
また、ラリーポイント制にした場合、現在より番狂わせが増えることは間違いないと思う。
全面的にラリーポイント制が導入されると、日本に有利という指摘もある。新日鐵・真鍋、NEC男子・金子両監督は、「日本は外国のジャンプサーブに崩されやすいので、失点を恐れてサーブが弱くなれば勝てるチャンスが広がる」と言う。しかし、もしサーブで崩され連続失点となった場合、ラリーポイント制ではそれを取り返すのは非常に難しくなり、即ゲームあるいはセットに直結する。したがって、これもハイリスク・ハイリターンということで、一概には言えないのではないだろうか。また、「ラリーポイントは決定力のあるエースがいるほうに有利」としばしば言われ、少なくとも第4回Vリーグについては、これを裏付ける結果が出ている*。
* ラリーポイントで行われる最終セットの成績は、女子では外国人スーパーエースを擁するチームがいずれも勝ち越している(デンソー3勝1敗、ヨーカドー2勝1敗、東洋紡3勝2敗)。男子でも、今シーズンの得点王サベリエフのいる住金が大きく勝ち越し(4戦全勝)。一方、男女とも、エースの決定力不足が指摘されるチームが大きく負け越している(男子東レ1勝5敗・女子小田急4戦全敗・東芝2戦全敗・ユニチカ1勝3敗)。
サーブ力あるいはレシーブ力がより重視され、選手の質も変わるという見方もある。このルール変更が競技の質を変える可能性もある。
このルールの別の問題は、現在のルールに比べると複雑ということである。関係者の中からも「一度読んだだけではわからない」という声が出たという。これは明らかにテレビ中継のためのルール変更である。関係者あるいは熱心なバレーファンでもすぐには理解できないものを、テレビの前の一般視聴者がどれだけ理解できるだろうか。しかし、これも理解してもらうための努力次第である。一度理解できれば、それほどやっかいなものであるとは思わない(例えばテニスにしても初めて見る人にとってはやっかいだと思う。しかも長い。)
果たしてサイドアウト制は廃止される流れになってしまうのだろうか。これも大いに議論が必要と思われる。
私個人としては、試合時間制限あるいは短縮のために、競技の本質に関わる変更をすることには基本的に反対である。しかし、サイドアウト制からラリーポイント制に移行することについては、一概に反対と言えない要素を多く含んでいる。
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象印廃部(98/3/28)
象印は男子バレー部を3月末限りで廃部にすることを明らかにした。全日本選手権にも出場しない。
象印は昨シーズンの実業団リーグで10勝4敗と勝率では2位ながら、張翔選手の登録漏れの問題で2試合を不戦敗とされ、勝ち点で旭化成・NTT東海を下回り4位となってしまった。監督は「Vリーグで通用するチーム作りをしたかった」と昨シーズン終了後に語っていたが、おそらく昨シーズンでVに復帰できなければ廃部ということだったのだろう。
月刊バレーボール4月号の記事によると、今休部あるいは廃部のうわさを聞かないチームを探すほうが難しいという。住金・ダイエーの休部が他のチームにも波及することが心配されたけれども、残念ながらそれが現実となりつつある。
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住金、譲渡断念(98/3/26)
女子のダイエーは存続に向けて動きが活発となる中、住友金属男子バレー部もチームごとの譲渡に向けて最後まで交渉を続けたけれども、ついに断念となってしまった。無念のチーム解散となる。12人の選手のうち、すでにかなり多くの選手に他企業からの打診があるという。
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実業団3位チーム昇格確定(98/3/9)
Vリーグ常務委員会は、3月8日、今シーズンの実業団リーグで3位となった男子NTT東海および女子NEC関西のVリーグ昇格を内定した。男子住友金属・女子ダイエーの休部による特別措置である。これで来シーズンは10チームで戦うことがはっきりした。しかし、チーム間の戦力の格差が拡大し、一方的な試合が増加するなどの懸念に対する解答は、示されていない。
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25分ルール、撤回へ(98/2/6)
グラチャンなどでテストされた25分ルールは結局やめることになったらしい。FIVBアコスタ会長が、この代わりとしてラリーポイント制を柱とした案を検討するように指示を出したとのことである。25分ルールはアコスタ会長が推進したものだが、あまりの不評に自身で撤回せざるを得なくなったようである。ラリーポイント制による代案は、JVAからも出されている。これについてはV-Stationのバックナンバーを参照していただくとよい。ラリーポイント制に移行することはどのような意味を持つのだろうか。恒陽社の行った「25分ルールに関するアンケート」にあった意見(No.7 97/10/29)だが、バレーボールの特性に関する重要な考察だと思うので、要約して引用させていただく。
6人制バレーボールの面白さは、サーブ権を持っていなければ得点が入らないことにある。ところが、サーブ権を持っている側が不利である。これは、相手にまず攻撃させてそれを耐えない限り、得点するチャンスはないことを意味する。言い換えれば、ルールで横綱相撲が求められているのである。したがって、本当に強いチームしか勝てないようになっている。番狂わせは起こりにくい。
ラリーポイントの最大の問題は、最後の1点があっけなく決まってしまうことだろう。数点差でセットポイントを迎えた場合、サイドアウト制なら逆転もしばしばある*。ラリーポイントではそのようなことはまずない。点差が開いたときに追いつくのが非常に難しいことも問題である。しかし、逆に言えば、最初からラリーポイントでやっているなら点差が大きく開くことは起こりにくいはずである。
* 2月28日追加: 2月21日、実業団リーグ女子の日立佐和対日立戦では、日立がセットカウント2-1とリードし、しかも14対10でマッチポイントを迎えながら、佐和が逆転でこのセットを奪う。しかも最終セットも佐和が取り、土壇場からの逆転で全勝を守った。古くは72年ミュンヘン五輪男子準決勝、日本対ブルガリアの死闘が有名である。ラリーポイントではこのようなことはなくなってしまう。
JVA案については、試合時間が最大で1時間30分程度とは少し短いと感じられる。試合時間は、ハーフタイム・コートチェンジ・タイムアウトなども含めて、延長戦なしで2時間にちょうどおさまる(延長戦があると2時間をこえる)というのが基本と思われる。多くの球技(サッカー、バスケなど)でこの基本通りになっている。大きな例外は野球とテニスである。野球はまず2時間で試合は終わらない。一方、テニスは、3セットマッチで一方的な試合になると1時間かからずに終わってしまう。
バレーボールの場合、5セットマッチとして、最終セットを「延長戦」と考えると、問題となった時間制限「1セット25分」が導き出される。コートチェンジ、タイムアウト等も考慮すると、ラリーポイント制で15点のセットだとだいたい15分で終わる。そこで1セット25点先取とすると、だいたい1セット25分で終わることが期待される。かつて「ラリーポイント制、1セット30点先取」という豪快な(?)ルールで行われた国際試合があったらしいので、これもそれほど突拍子もない案ではないだろう。
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バーバラがブラジルへ?(98/1/24)
あるネットで流れている情報なのだが、バーバラはブラジルのプロリーグのチーム、マッピンからオファーを受けている。デンソーは今年、この不景気にもかかわらず意欲的に内定選手の採用を進めている。ひょっとすると、バーバラの退団は折り込み済みなのかもしれない。
本人が決心してしまったのならどうしようもないけれども、まだ迷っているのならとにかくありとあらゆる手を使って引き留めるよう努力すべきである。今後Vリーグの人気を高めていくために、バーバラはまたとない看板選手である(このあたりについては、バーバラを応援する理由で述べる)。ダイエーの休部が決まり、日立もVリーグ復帰がやっとの情勢である*1。NECが「一人横綱」となる可能性の高い状況で、バーバラとアルの二大エースアタッカー対決がもし今後も続けば、Vリーグ女子最大の目玉の一つとなることは間違いない。ここでバーバラを簡単に手放すようでは、悔いを長年にわたって残すことになろう。もちろん、デンソーは、現状ではバーバラ抜きでは1試合も勝てないことは保証付き(それどころか1セットもとれそうにない)だし、社員以外でこのチームのファンはまず間違いなくバーバラのファン*2なのだから、必死で慰留にかかると思うが。
*1 最終戦にNEC関西に勝ち、得失セット率の差で2位となり、かろうじてVリーグ復帰が決定した(98.3.3追記)。
*2 セッターの温水選手のファンが結構いるらしい。また、控えセッターの磐井選手のファンがいることも判明。
しかし、ある意味では、一度くらいバーバラは日本から出たほうがいい。「真の世界最強のエース」バーバラの存在を、日本以外のファンにも広く知らしめるためである。もちろん世界選手権・ワールドカップ・オリンピックなどの機会もあるけれども、世界大会でクロアチアが上位進出することは非常に難しい。
もしバーバラが日本で見られないとわかったら・・・96年6月のあの日と同じく、私は1週間くらい夢遊病者のごとくなってしまうかもしれない。
早くバレーボールチャンネルでもできないかな。そうなれば、日本にいようがブラジルにいようがバーバラを見られるのだが*3。
*3 しかし、バーバラを見るだけのために衛星デジタル放送の契約をするとは、あまりにも高くつきすぎてやはり無理である。そもそもNHK衛星放送を見られるようにすることが先である。
98.7.17追記: 各方面の情報を総合すると、どうやら今度のVリーグもバーバラは残留するようである。この話は成立しなかったか立ち消えとなった可能性が高い。正式アナウンスは登録選手発表まで待っていただかなくてはならないけれども、これは確定事項とみてよいと思う。
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祝・クロアチア世界選手権出場決定!!(98/1/12)
欧州地区予選(F組)3戦全勝、1セットも落とさず通過
98.1.9 | vs.TUR | 3-0(15-8, 15-11, 15-4) |
10 | vs.POR | 3-0(15-3, 15-3, 15-10) |
11 | vs.ITA | 3-0(15-6, 15-8, 15-7) |
もちろん、バーバラがいればこんなところに負けはしないとは思っていたけれども、非常に心配だった。これで、世界一熱いエースアタッカー、ナショナルチームのバーバラを見る機会がまたあるかもしれない!もちろん、テレビで放送されるのは、日本の試合かさもなければ準決勝・決勝くらいだから、最初のリーグ戦で日本と同じ組にでもならない限り、そこまでの道のりはまだ長いわけだが。
これで気持ちよく日本に戻ってきて、これまで以上に大暴れを!
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