バーバラがんばれ - 応援するこれだけの理由

全国数千万の「まともな」ファンのみなさん、本気で怒らないでください


1.プレーを見て興奮できる

現在、日本人選手に、「この人のプレーを見ているとわくわくする」という選手がいるだろうか。ところがバーバラならわくわくするということがあるのだ。特に見てほしいのはバックアタックである。「バックアタックは、こうして打つものだ」と言っているようだ。残念ながら、日本人選手では比較にならない迫力である。


2.所属するチームが強くない

バーバラの力なら、どんなに強いチームでもエースアタッカーがつとまる。とにかく間違いなく世界一のエースアタッカーなのだ。ロシアにでも生まれていれば、金メダルメンバーになれる可能性も非常に高い。国籍を変わるのは簡単ではない(しかし実例は少なくない)けれども、Vリーグで優勝が味わいたいのなら話は全然簡単である。もっと強いチームに移ればよいのだ。しかし彼女はあえてそれをしない。彼女がいなければ全然弱いはずのチームで、ただ一人のエースとして打ちまくり、どんなに強いチームにも立ち向かう。
だからこそいつかはバーバラに大きなタイトルを取ってほしい、と思っている。みなさんも、このような選手は自然と応援したくなるのではないだろうか。


3.かっこいい

これは画像で見てほしい。日本人だと大きくなりすぎると不細工になることが多い(もちろん例外は少なくない)けれども、バーバラはそうでもないし。


4.バーバラは21世紀のエースアタッカー

バーバラは間違いなく21世紀最初の世界のエースとなるだろう。もちろん年齢的にも来世紀の最初が最盛期である。しかし、「21世紀のエース」とは、それだけを意味するのではない。

これからのバレーボールは、後ろからも前から打つのと同様に打ち、そしてサーブもアタックと同様に打つ、という流れになるだろう。すでに男子バレーはそうなっているし、女子も限りなくそれに近づいていくだろう。そしてそれは現時点ですでに見ることができる。それはバーバラのプレーそのものだからだ。つまり、
バーバラは、現時点で21世紀のバレーボールを体現している
のだ。来世紀のエースアタッカーの姿が、すでにここにある。


5.発想の転換 - バーバラこそVリーグの主役だ

将来のプロ化を視野に入れ、鳴り物入りで(?)始まったVリーグだが、人気は年々低下する一方である。この最大の原因が、日本バレーの弱体化が白日の下にさらされたことであることは、間違いない。また、スター不在も深刻である。

だからといって、わけの分からない芸能人のショーで客を呼ぶのは全くの筋違いである。私の知る限り、95年のワールドカップでフジテレビが初めてそれを行って「ブレイク」したらしいけれども、オリンピック出場を賭けた最終予選、あるいはグラチャンに、アイドルなど入る余地はどこにもない。世界選手権ともなればなおさらである。グラチャンでは、さらに絶叫するだけのアナウンサー、全然関係ないゲストが加わった(しかもアナウンサーの絶叫とゲストがまたあわない。常識的に考えればあの絶叫についていけるほうがおかしいと思うが。)。しかも解説者であるはずの元バレーボール選手が(誰とは言わないが)またやたらと絶叫する。これはエスカレートするばかりで、98年の春高バレーにまで「絶叫応援」が登場した。さらに、daisuke氏のレポート*によると、

春高バレーの決勝にV6を呼んだうえ、中高生にただ券を配りまくったところ、V6目当ての女子中高生で会場が埋め尽くされ、アリーナ券を持っていないと選手の父兄ですら入れないという事態が発生した。もちろん父兄のみなさんがこれでおさまるはずはなく、会場は騒然とした雰囲気になった。試合開始から1時間も後になって、立ち見で入場させた。しかし、それも前売り自由席券を持っていた人だけで、当日券目当てのファンは結局入場できなかったらしい。
* 独断と偏見の女子バレーのぺえじ、「独断と偏見の女子バレー日記」、1998/3/26「日本バレー協会の大失態」

これを読んだときは、本末転倒もここまできたものかとため息しか出なかった。バレーボールのファンも、選手の関係者(この場合は父兄)も、そして選手自身をも、あまりにもバカにしている。
今度の世界選手権はいったいどのようなことになるのだろうか。今から懸念される。

もういい加減にしろと言いたい。そのようなことを続ければ、心あるファンほどますます離れていくだろうし、まともなバレーファンが育つはずもない。

幸いにして、Vリーグには、オリンピックあるいは世界選手権でメダルをとった国からたくさんの選手が来ている。世界一といわれるプレイヤーも何人も来ている。その優れたプレーで客を呼ぶしかないはずである。そしてそれをなるべく広くアピールして多くの人に見ていただく。
「本当のファン」、すなわちバレーボールという競技そのもののファンを育てるためには、遠回りに見えるが「本物」を見ていただくしか方法はない。私はそう確信している。

他の競技では、日本人が世界のトップに立っているものならともかく、そうでないものについては、日本で世界一のプレイヤーを見る機会は非常に少ない。例えばマルティナが日本に来るのは一年に一度である。大リーグにしてもゴルフにしてもバスケにしてもアメフトにしても、一年に一度すら、そのようなチャンスがあるかどうかわからない。
日本で行われるリーグにこれだけ豪華メンバーが集まるのはバレーボールだけ、と断言してもよい。女子では現在世界最強といわれる両エースがいる。第3回まではロシアのレギュラーがほぼ勢揃い、3年前にはルイスもきた。男子でも、世界一のオランダチームのエース二人が来日している。これをどうしてもっと積極的にアピールしないのか。

その中でも、リーグの主役と呼ぶことができ、なおかつ最も主役とすべき選手はバーバラである。集団競技では、誰が世界一のプレイヤーと断定するのは難しいないし不可能であることが多い。しかし、バーバラは、次の2点で他の選手を全く寄せ付けない。断然世界一なのである。

これに加え、バーバラには、リーグの目玉として非常に有利な条件がもう一つある。

バーバラは、Vリーグでしか見られない。

Vリーグ女子で、今まで大きな活躍をしてきた選手は、バーバラを除けばロシア(アルタモノワ、モロゾワ、チューリナ(バトフチナ)、ティーシェンコ)あるいはキューバ(ルイス、カルバハル)の選手が多い。これらの国の選手なら、オリンピックあるいは世界選手権、あるいは日本で大きな国際大会があれば、テレビで見ることができる。しかしバーバラはそのようなわけにいかない。グラチャンとかワールドグランプリのように、大陸のトップの国しか出場できないような大会では、クロアチアが出場するのはまず絶望的だ。今度の世界選手権にはクロアチアは出場を決めたし、順当ならオリンピックにも出場できる力は持っているけれども、日本と直接対決することがない限り、放送されるにはベスト4くらいまで進出しなければならない。デンソーエアリービーズ以上のバーバラのワンマンチームであるクロアチアが、そこまで進出するのはやはり非常に難しい(世界で最悪のワンマンチームはおそらくクロアチアのナショナルチームである。その次にひどいのがエアリービーズ。)。
注: ただし、イトーヨーカドーのガブリエラ・ペレスにも同じことが言えそうである。彼女は本来ペルーの選手だったが、イタリア人と結婚しイタリア国籍を取得している。今度の世界選手権はペルーのチームに登録されたが、国籍の問題で結局出場さえできなかった。

したがって、Vリーグ女子で誰を見るべき、というより見てもらうべきかと言えば、誰よりも真っ先にバーバラを見てもらうべきなのだ。その意味でもリーグの主役なのである。

さて、ここまで読んでもまだバーバラを応援する気にならない?
やはりだめか。

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