ワールドカップ観戦記(第1-3日,11/2-4)

(11/2分を除きCSフジ739,721)

第1日(11/2)
ロシア対アメリカ
イタリア対韓国
日本対アルゼンチン

第2日(11/3)
ロシア対韓国
イタリア対アルゼンチン
日本対アメリカ
ブラジル対ペルー
クロアチア対チュニジア
キューバ対中国

第3日(11/4)
アメリカ対アルゼンチン
ロシア対イタリア
韓国対日本
キューバ対ブラジル
クロアチア対ペルー
中国対チュニジア


第1日

ロシア対アメリカ

スタートはいきなりロシアがサーブレシーブミス、ゴディナのアタックに持っていったところをブロックされる。その後、ティーシェンコのサービスエースで逆転、さらにゴディナのサーブがネットイン、チャンスボールをソコロワが決めた。2ブレークで4-2とリード。ただし、ロシアのスタートはよくなかった。サーブレシーブが今ひとつで、サイドからの攻撃をブロックされる場面がかなり多かった。5-4からソコロワ、アルタモノワが相次いでシャットで一時逆転。この後、スコットの移動攻撃を相次いで止めて、さらにゴディナのアタック、サンスも止めてロシアが4連続ブレーク、12-7とロシアがリードする。しかし、14-10からはソコロワのバックアタック、ゴディナのフェイントがブロックされ、2ブレーク返される。どうも波に乗りきれない印象のロシア。それでも次第にリードを広げ、最後はソコロワの速攻で25-20。

第2セットは序盤、アメリカにアタックミスや反則が続き、ロシアが4連続ブレークで5-1とリード。この後も相手のサーブレシーブのミスでもらったチャンスをソコロワが決めたり、スコットのライト攻撃をブロックするなどで、ロシアがリードを広げる。このセット、アメリカのブレークはロシアのサーブレシーブの乱れからサンスがフェイントを決めた1回のみ。完璧な展開で25-17ロシア。

第3セットはロシアの出足が悪い。ベリコワのオープンがシャットされ、サンスのエースで3-1。この後も、ティーシェンコが2度止められるなどで、一時は11-8アメリカリードとなった。しかしその直後、スパイクミスや反則からアメリカはあっけなく崩れてしまう。ハーリーのクイックが2度シャットされたのをはさみ、ソコロワのクイックも決まり、ロシアが6連続ブレーク。この後も、ゼメイティスのアタックミス、途中ゴディナと交代で入ったガモワのアタック(さすがに軽くブロックの上を超えている)などで、ロシアがリードを広げる。23-18から、ソコロワのクイックを初めてシャット。アメリカチームが最も盛り上がった瞬間だった。最後はサンスがセンターから無理な体勢で打ったところ、ベリコワにブロックされた。25-19でロシア。
なお、この大会では、試合ごとにMIP(Most Impressive Player?)が選出され、トロフィーとバボちゃん人形が贈られる。この試合のMIPは、18得点決定率75%のソコロワが当然のごとく選ばれた。

結果自体は順当というか、アメリカにはロシアに対抗する糸口がない。強烈なサーブでまず崩されてしまうし、ロシアの高いブロックに対抗する力も技術もない。同じ北米大陸のチームでも、カナダのほうがロシア相手に面白い試合ができるかもしれない。カナダのベテランエース2人は、高いブロック相手にブロックアウトをとるすべを心得ているからである。
この試合、アメリカはゼメイティスに代わり昨シーズンブラジルリーグで活躍したスコットを入れてきた。しかし、それほどチーム力が上がったようには思えなかった。トスさえきちんと合えば、ゼメイティスのほうがむしろきれいなアタックを打つくらいである。

一方のロシアとしても、試合には難なく勝ったもののいくつか不安の残る内容だった。

スタメンおよびサーブ順(特記なき限り第1セット)
ロシア: 9 ティーシェンコ → 6 ゴディナ → 5 ソコロワ → 3 ベリコワ → 8 アルタモノワ → 10 バシレフスカヤ
アメリカ: 8 タガロア → 1 サンス → 10 ハーリー → 16 ノリエガ → 18 ウェストン → 17 スコット

       RUS - USA
         3 - 0
1st     25 - 20   18 min. 8-7 16-13 21-16
2nd     25 - 17   18 min. 8-4 16- 9 21-14
3rd     25 - 19   19 min. 6-8 16-13 21-16
Total   75 - 56   55 min.

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イタリア対韓国

初日いきなり、四強への挑戦権をかける極めて重要な対戦が組まれた。
そして第1セットは序盤から、拾い合いとなりラリーが続き、それにふさわしい熱戦となった。8-7からパク・ミキョンがライトから決めて、初めて韓国が2点リード。さらに、イタリアのサーブレシーブのミスからチャンスボールをちゃん・ユンヒが決めた。チャン・ソヨンのスパイクも決まり、韓国が3連続ブレーク、11-7。しかし、イタリアもピッチニーニのスパイク、リニエーリのサービスエースですぐに2ブレーク返し、ク・ミンジョンのアタックミスで12-12の同点。韓国はいったん17-15とリードするものの、イタリアがすぐにトグット、リニエーリのアタックで2ブレーク、逆転。トグットのアタックでもう1ブレーク、20-18イタリアリードとなった。韓国も負けず、すぐにパク・スジョンのアタック、ピッチニーニのアタックミスで2ブレーク、再逆転。そして、23-22から、ブラガリアの移動攻撃をシャットして、ついに韓国2点リード、一気にマッチポイントを迎えた。イタリアはまずブラガリアの移動攻撃で切った。この場面で、イタリアはピンチブロッカーとして1番ジョーリを入れた。そしてその後のプレー、韓国によもやのトスミス。イタリアにチャンスボール。しかし、これがまさに勝負のあや、イタリアにもセッターがいない。ブラガリアがバックトスしたところそれが直接アンテナに当たってしまい、韓国が第1セットをものにした。
しかし、内容の濃い試合だったのは第1セットだけだった。

第2セットは、3-2韓国リードからピッチニーニのアタックミスでサーブが移り、その直後にチャン・ユンヒがそのピッチニーニを狙いサービスエース。気落ちしたピッチニーニがサーブレシーブをまたミス、自分で打ったスパイクもアウト。ここでピッチニーニに代わって入ったベルティーニもサーブレシーブのミスを連発。セッターをロビアンコに代えても効果なし。ク・ミンジョンのアタック、トグットのアタックミス、トグットを止めたブロックなどで、8連続ブレーク。この後もリニエーリがシャットされたり、イタリアにミスが出たりして韓国のリードが開き、最後はリニエーリのスパイクミスで、このセットは何とダブルスコアの25-12。

第3セットも、3-2イタリアリードからチャン・ユンヒのサーブ順で、サーブレシーブがやはりぎくしゃくして、イタリアのミスで韓国が2ブレーク。次のパク・ミキョンのサーブ順でも、パク・スジョンのフェイント、ク・ミンジョンのアタックで2ブレーク追加。テクニカルタイムアウトの後イタリアも2ブレーク返すものの、12-10から、レッジェーリのクイックがミス、パク・スジョンのクイックもあり、韓国が2ブレーク。16-12からパク・スジョンのクイック、2枚替えで入ったジョーリのスパイクミスで、さらに2ブレーク追加。最後はトグットのライトからのアタックがミスとなり、25-19、韓国が予想外のストレート勝ちをおさめた。
この試合のMIPにはセッターのカン・ヘミが選ばれ、バボちゃん人形を獲得した。

韓国はこの試合、相手のアタックを拾ってつなぎ、相手のいやがるコースに決めて得点するという、完璧な形ができていた。サーブレシーブミスからの失点はほぼ皆無だった。この内容なら、四強の一角を崩すこともできるかもしれない。問題は体力面である。四強との対戦が集中する第3ラウンド(11/10-12)まで、このバレーが続けられるかどうか。昨年の世界選手権でも韓国は、中国・クロアチアとのフルセットの試合で力を使い果たし、福岡での準決勝ラウンドではイタリアのみならず格下のブルガリアにまで完敗を喫した。
中国はペルー相手に、まさかの1セットダウン。孫月のみならず、李艶、趙蘂蘂とけが人が続出し、予想以上に厳しいようである。日本としては、韓国に望みを託すしかないという状況になりつつある。第3日の韓国戦は、日本としては、絶対に勝ってはいけない試合(笑)になってしまった。

一方イタリアは、見たことがないほどひどい内容だった。サーブレシーブがこれほど乱れては、試合にならない。センターとセッターのタイミングが合わない場面も続出した。この試合、ベテランエースのベルティーニが出場する時間があったが、ピンチヒッターならミフコバがほしかったという気がする。国際大会の経験豊富で、サーブレシーブもできるし、アタックの威力もリニエーリに劣らない。昨年の世界選手権ではスーパーサブ、先発はしないものの勝負所では必ず交代で出場した。
イタリアの主力選手は全員イタリアリーグに参戦しているため、合流したのはイタリア時間24日の試合を終えた後の26,7日頃。組織で戦うチームが、これだけしか合わせる時間がないというのは、ハンデとしては厳しいかもしれない。

それにしても、この試合がこの日のメインイベントのつもりで観戦に行ったのに、二重の意味で「まさか」の結果だった。

スタメンおよびサーブ順
イタリア: 7 カッチャトーリ → 2 リニエーリ → 4 レッジェーリ → 3 トグット → 12 ピッチニーニ → 18 ブラガリア
韓国: 15 チャン・ソヨン → 4 チャン・ユンヒ → 7 パク・ミキョン → 10 パク・スジョン → 1 ク・ミンジョン → 3 カン・ヘミ

       ITA - KOR
         0 - 3
1st     23 - 25       22 min. 7-8 15-16 20-21
2nd     12 - 25       17 min. 2-8  6-16 10-21
3rd     19 - 25       22 min. 4-8 12-16 16-21
Total   54 - 75   1 h. 1 min.

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日本対アルゼンチン

出発前に新聞を読んでいないので、森山の故障は選手入場まで知らなかった。しかし、私の座っている位置からでも、左足を引きずっている状態ははっきりと見えた。少なくともこの大会期間中は絶望的な状態に見えた。
これは大変なことになったぞ

そして全日本は、試合前予想した以上に寒い内容でスタートした。最初の5回か10回くらいのプレーを見たところで、凍りつきそうになった。森山に代わり急遽スタメンの鈴木洋美がサーブで狙い打ちされ、それをカバーしようとして全体がおかしくなった。日本のサーブ返球率は限りなくゼロに近い。それでも、アルゼンチンのミスで点数は離れず、日本が一時は10-7とリードした。しかし、そこで日本にサーブミス。まずコンデのバックアタックで1ブレーク。11-10から、コスタグランデのアタック、サーブレシーブの乱れから熊前のアタックがミスとなり逆転。13-12から、コンデのアタック、鈴木のブロードがミスで2ブレーク、15-12アルゼンチンリードとなった。日本もアルゼンチンのミス、あるいはブロックで追いつくには至る。しかし、そこから先行することができない。21-20から、サーブレシーブの乱れやコンビミスもあり、アルゼンチンがブロックで3連続ブレーク、一気にセットポイントを握られた。日本はそこから熊前のアタック、コンデのバックアタックをブロック、2ブレーク返す。アルゼンチンのセットポイントはあと1本。ここでアルゼンチンがタイムアウト、その後のプレーもラリーとなったが、最後は熊前の難しい体勢のアタックが止められ、日本は最初のセットを失った。

第2セットも最初はラマスのサービスエースなどで3-0とアルゼンチンが先制。しかし、熊前のサーブでアルゼンチンを崩したところから、流れが変わる。サービスエース2本、コンデをシャットして3ブレーク、日本が逆転。次の鈴木のサーブでも3本連続サーブレシーブミス、いずれも日本がブレークした。この後は日本に速攻あるいはコンビも出るようになり、相手の攻撃パターンもだいたいわかってきて、ブロックもあってくる。この後アルゼンチンに1ブレークも許さず、一方的にリードを広げ25-15。最後は鈴木の速攻がフェイント気味に決まった。

第3セットは、最初の熊前のサーブでネットインエースを含む2ブレーク、その次の鈴木のサーブ順でも大懸のアタックで2ブレーク。序盤から日本が優位に立つ。16-11から、相手のミスで日本が2ブレーク追加。19-12から、熊前のアタック2本、江藤のサービスエース、コンデのアタックミスで、4連続ブレーク。このセットも一方的な展開となり、25-13。最後はピンチサーバーとして大貫が出場、アルゼンチンのサーブレシーブがダイレクトで返ってしまいブロック。

第4セットも、5-4日本リードから満永のサーブ順で崩し、3本連続サーブレシーブミス(エース1本)でブレーク。9-5からはミューラーの速い攻撃を2本続けて止めるなど、序盤から日本がリードを広げ、一時16-8とした。19-11の場面でセッターを板橋から大貫に代える。しかし、そうするとブロード攻撃にも今ひとつ切れ味がなくなり、日本のサーブレシーブの乱れもあったが、サイドアタッカーが次々ブロックされた。最後は大懸のアタックが相手のブロックをはじき、勝負としては問題なく25-19でとった。
この試合のバボちゃん人形は鈴木洋美が獲得。鈴木を今大会のシンデレラガールにしようという無理な意図が見受けられた。

第2セット以降は日本の本来の試合ができた。セッターが代わると、バレーもここまで変わるものか、と改めて認識した。板橋のよさを一言で表すなら、速さもそうだが、ネットを幅いっぱいに使っていることだと思う。センターからのクイック、あるいはおとりを使った攻撃も何度か見られた。大貫だと、レフトとライトに集中してしまう。日本は正セッター交代を決断したのが大会直前だったのに、よくあっていたと思う。
第4セット終盤に大貫にセッターを交代すると、サイドアタッカーが立て続けにブロックされた。森山を欠いた現状で、もし大貫セッターに固執していたらと考えると、ぞっとする。
この大会は板橋と心中や!
しかし、急造チームだけに、一つ歯車が狂うと第1セットのように一気に崩れる可能性が大きい。まともな相手にあのような場面が出ると、おそらく試合全体の致命傷になるだろう。

アルゼンチンも大型の若い選手を多く起用している。攻撃パターンとしては、サイドにはゆっくりとしたトス、センター線はクイックが多く、欧州のバレーに近いスタイルである。初見だが比較的わかりやすいチームで、意外性はない。このチームもやはり、サーブカットからつなぎの部分をまずきちんとする必要がある。

スタメンおよびサーブ順
日本: 10 板橋 → 8 熊前 → 17 鈴木 → 11 満永 → 12 大懸 → 1 多治見
アルゼンチン: 4 ラマス → 2 コスタグランデ → 9 レ → 14 アンサルディ → 3 コンデ → 6 ミューラー

       JPN - ARG
         3 - 1
1st     23 - 25        24 min. 8-7 13-16 20-21
2nd     25 - 15        19 min. 8-5 16-10 21-14
3rd     25 - 13        20 min. 8-3 16-11 21-12
4th     25 - 19        22 min. 8-4 16- 8 21-13
Total   98 - 72   1 h. 25 min.


この段落はかなりいい加減な推論なので、鵜呑みにしないでいただきたい。
第2,3試合を見ていて、北側(原宿側)がレシーバーのときサーブレシーブのミスを連発することに気がついた。(第2セットのイタリア、アルゼンチンがそう。)
代々一は独特な構造のため、風が舞い難しい会場として知られる。さらにレシーバーの動きを見ると、いずれもサーブが打たれてからあわてて後退して、結局そらしている。そこで、この日の試合では、北側(原宿側)から南側(渋谷側)に風が吹き、それでボールが浮き上がったのではないかと思われる。これは観客席で座っていた感覚とも一致する。(ただし、壁に当たるなどでコートと観客席で風向きが異なることもあり得る)
果たして全日本に神風は吹くのか?

さて、もう一つどうしても触れなければならないのは、世界大会初採用となるサーブのネットインである。しかし、この日の試合で、得点に関係した場面は3試合で3,4点(うちエース2)くらい。思ったほど多くはなかった。むしろネットぎりぎりを狙いすぎてミスをする場面が目立った。しかし、それがセット終盤の競り合った場面で出るような場合を考えれば、サーブのネットイン容認というのは早計だろう。

それにしても、アイドルを呼んで無理矢理盛り上げようというやり方と、黄色い歓声には、どうしても合わない。生理的に受け付けないらしいのである。あれを聞かされると、逆に全日本を応援する気がなくなってしまう。連中にぎゃふんといわせてやりたい、という気持ちがどこかにあるのだろう。アルゼンチン頑張れと、次第にそういう気分になってしまう。

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第2日

ロシア対韓国

第1セット開始直後、ゴディナのジャンプサーブで韓国が崩され、いきなり3連続ブレーク。その後も、ティーシェンコの速攻・ソコロワのスパイク、韓国の速攻が止められるなどで点差は広がる一方で、16-8ロシアリードとなる。24-15から韓国がク・ミンジョンのスパイクでこの試合初めてのブレーク。しかし、その直後に韓国のサーブミス、韓国らしさは全く見られないまま25-16でロシアがとる。

第2セット序盤は、ロシアにスパイクミス、あるいはサーブレシーブミスでチャンスボールを与える場面があり、韓国がリードする。ロシアにもシャットが出るが、11-8までは韓国が先行。しかし、ゴディナのサーブでまた韓国が崩され、実質的に2連続エース。次のソコロワにもサービスエースが出て、ロシアが先行。17-16からゴディナのスパイク、チャン・ユンヒがシャットされ、さらにチャン・ユンヒがサーブレシーブをミス。ロシアが3連続ブレーク。21-18からソコロワのサーブでまた韓国が崩される。最後は韓国のスパイクミス。中盤以降一気に差がついて、25-20ロシア。

第3セットもゴディナのスパイク、ノータッチエースなどで、出だしはロシアが5-1とリード。しかし、ベリコワのスパイクをク・ミンジョンが止めたところから、流れが変わる。パク・スジョンがセンターから打ち、アルタモノワも止められ、さらにパク・ミキョンにサービスエース、韓国が4連続ブレークで先行。ロシアはゴディナ・ソコロワのスパイクで一度は逆転するものの、韓国も追いつく。そして、19-18韓国リードから、チャン・ユンヒのスパイク、ロシアの反則で、韓国が2ブレーク。ロシアもアルタモノワのスパイク、韓国の時間差攻撃を止めて、23-23の同点。しかしここで、パク・スジョンのブロードでサイドアウトの後、ク・ミンジョンのスパイクでブレーク、25-23で韓国が1セットを取り返した。

第4セットは、最初の1点で韓国がブレークした後、その後7-7までサイドアウトが続く。しかしそこで、チャン・ソヨンのブロードが止められる。テクニカルタイムアウトをはさみ、韓国のサーブレシーブの乱れからチャン・ユンヒが止められ、スパイクミスも出て、ロシアの3連続ブレーク。11-9から、チャン・ユンヒのサービスエースとゴディナのスパイクミスで2ブレーク、韓国が追いつく。その後は一進一退の攻防が続く。19-19から、韓国にサーブレシーブの乱れが続き、チャンスボールを与えてゴディナに決められ、パク・スジョンがセンターから打ったところミス。さらに、パク・スジョンが無理に打ってミス。ロシアが3連続ブレーク。韓国もパク・スジョンのスパイクとロシアのミスですぐに追いついたが、結局この連続ミスが響いた。24-23から、韓国のサーブレシーブが乱れ、最後はアルタモノワに決められた。
この試合のMIPには、スパイクだけでなく強烈なサーブで韓国をたびたび崩したゴディナが選出された。

韓国はエンジンがかかるのが遅すぎた。第1,2セットと、ロシアの強烈なサーブに崩される場面が目立ち、簡単にとられてしまった。第3,4セットになって、ようやく韓国の拾ってつなぐパターンが続いて競り合いになったけれども、試合を決めたのは、結局第4セット終盤のサーブレシーブミスやアタックミスだった。今や世界の強豪の攻撃に対し、ミスをせず守り通すことは不可能、と言っていいだろう。

スタメンおよびサーブ順
ロシア: 6 ゴディナ → 5 ソコロワ → 3 ベリコワ → 8 アルタモノワ → 10 バシレフスカヤ → 9 ティーシェンコ
韓国: 3 カン・ヘミ → 15 チャン・ソヨン → 4 チャン・ユンヒ → 7 パク・ミキョン → 10 パク・スジョン → 1 ク・ミンジョン

       RUS - KOR
         3 - 1
1st     25 - 16        18 min. 8-4 16- 8 21-13
2nd     25 - 20        21 min. 7-8 16-15 21-17
3rd     23 - 25        21 min. 8-7 16-15 18-21
4th     25 - 23        22 min. 8-7 16-15 21-19
Total   98 - 84   1 h. 22 min.

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イタリア対アルゼンチン

第1セットはイタリアが昨日の不振を引きずる。サーブレシーブのミス、アタッカーとセッターが合わない場面も多かった。開始直後、スカッチのスパイク、バンソンとスカッチのサービスエースで、7-4アルゼンチンリード。その後は一進一退の展開となるが、12-10からガラストリのクイックが止められ、バンソンに再びサービスエース。15-11からガラストリのクイックがミス。18-14から、リニエーリのスパイクミス2本、サーブレシーブミスからコスタグランデにスパイクを決められ、21-14までアルゼンチンのリードが広がる。その後、コスタグランデ・コンデのスパイクミス、サーブレシーブミスをダイレクトスパイクされるなどで、イタリアに差を縮められる。しかし、最後は速攻が決まり、アルゼンチンが25-22で逃げ切る。

しかし、第2セットは、トグットのスパイク2本、コンデのバックアタックのミスで、イタリアが開始直後に3連続ブレーク。イタリアのペースとなる。その後はだいたい2点ずつ点数が動く展開となる。しかし、10-8から、コスタグランデのスパイクミス、ラマスのツーもミスで、リニエーリのスパイク2本で、イタリアが4連続ブレーク。15-9から、リニエーリのスパイク、コスタグランデをシャット、コンデのバックアタックに持っていったところミス。イタリアがさらに3ブレーク。イタリアは終盤にもアルゼンチンのミスで3連続ブレーク。最後はピッチニーニがライトから決めて、このセットは25-14と簡単にイタリアが取る。

第3セット、開始直後はコスタグランデとコンデのスパイクでアルゼンチンが3連続ブレーク。しかし、その後アルゼンチンのミスからイタリアペースに変わる。4-3アルゼンチンリードから、ピッチニーニのスパイク、ガラストリのクイック、レッジェーリのノータッチエースでイタリアが逆転。その後トグットにもサービスエース、リニエーリのスパイク2本、リニエーリ・トグットのブロックなどでイタリアが15-8と一気に差を広げる。その後、イタリアにスパイクミスあるいはサーブレシーブのミスも出て、2〜3点ずつ点数が動く展開になる。17-13の場面で、ピッチニーニがベンチまで追いかけてボールをつないだが、そのときパソコンにまともに突っ込んでいた。壊れなかっただろうか?さて試合は、ミューラーの移動攻撃のミスでイタリアのリードは21-14と広がる。しかしその後、ジョーリのスパイクミス、さらにラマスがジョーリを止めて21-17。さらにリニエーリにもスパイクミスが出て22-19までアルゼンチンが追い上げる。しかし、リニエーリのスパイクで切った後、アルゼンチンにサーブレシーブのミス。チャンスボールをリニエーリが決める。最後はジョーリがライトから決めて、25-19イタリア。

第4セットは、アルゼンチンの両エースに頼った攻撃が次々イタリアにシャットされ、序盤から7-1イタリアリードと一方的な展開となる。6-1の場面で、サーブがネットに当たったとたんジャッジが笛を吹いてしまい、やり直し。審判も不慣れだからこのようなミスも出る。点差が開いているので笑い話ですんだ。17-8からはレッジェーリのサーブ順で、ガラストリがプッシュ、トグットがライトから決めて、アルゼンチンにミスも重なり、レッジェーリにサービスエースも出て6連続ブレーク。最後はイタリアのブロックで、このセットは25-9と一方的になった。

放送順としては常に、日本戦の会場の第2試合が最後になる。つまりこの試合が最後だったわけだが、この日は3試合13セット全く休みなしという超強行日程。観戦する側の集中力はほとんど切れており、誰のプレーか記入していない場面が多い。

日本・イタリアとも、アルゼンチン相手に1セットダウンから3セット連取したが、情報の少ない相手だけに、第1セットは勝手が分からずにやられるという部分があるのかもしれない。

スタメンおよびサーブ順
イタリア: 2 リニエーリ → 4 レッジェーリ → 3 トグット → 12 ピッチニーニ → 9 ガラストリ → 7 カッチャトーリ
アルゼンチン: 4 ラマス → 2 コスタグランデ → 5 バンソン → 3 コンデ → 16 スカッチ → 6 ミューラー

       ITA - ARG
         3 - 1
1st     22 - 25        22 min. 6-8 11-16 14-21
2nd     25 - 14        17 min. 8-5 16- 9 21-13
3rd     25 - 19        22 min. 8-5 16-11 21-14
4th     25 -  9        17 min. 8-3 16- 7 21- 8
Total   97 - 67   1 h. 18 min.

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日本対アメリカ

CSでの放送順では、まずB会場(全日本のいない会場)の3試合を生放送、その後日本戦、最後に全日本の会場の第1,2試合という順になる。この日のB会場第3試合、キューバ対中国戦のトレーラ*をまとめて掲示板にアップすると、この試合の放送も終わっているとおぼしき時間になっている。しかし、その前何時間かにわたって、全く書き込みがない。何となく妙な予感がしながら、試合観戦をはじめた。
* 掲示板にアップするバージョンの観戦記を、このように呼びたいと思う。本来は映画業界の用語で、映画の予告編のことである。予告編には、3分程度の短い時間に、映画のハイライトがぎっしりと詰まっている。掲示板の観戦記も同様に、掲示板にアップする故の長さの制限、および時間の制限の中で、どれだけ試合の面白さを伝えられるかを追求したい、という意味合いが込められている。

試合開始からしばらくは、アメリカにサーブミスやネットタッチなどがあり、日本リードで進む。鈴木洋美のサービスエースで12-8日本リード。ところが、12-9から津雲にサーブレシーブのミス、結局スパイクミス。さらに大懸のスパイクミス、満永もシャットされ、同点。15-15から、ハーリーの速攻、サンスのスパイクで、アメリカが2ブレーク、逆転。18-16からノリエガのライト攻撃でさらに1ブレーク。終盤はスコットのクイック、ブロードでアメリカがラッシュをかけ、最後もスコットのブロードで25-20アメリカ。

第2セットは、序盤に日本のサーブレシーブの乱れ、ネットタッチもあり、5-2とアメリカリード。8-6から多治見のブロードがサンスに止められ、ハーリーのクイック、熊前のアタックミスでアメリカが3連続ブレーク。その後熊前のスパイクで追い上げる場面があるも、日本のミスで2ブレーク、さらに津雲のサーブレシーブの乱れもあり大懸が2本続けてシャットされ、18-11までアメリカリードが広がる。その後は日本が追い上げる。アメリカのミス、熊前のスパイク、大貫のノータッチエースで1ブレーク差とする。さらに、23-22からサーブで崩す場面があったものの、ライトから決められる。このセットも最後はスコットのクイックで、1ブレーク差を追い上げきれず25-23アメリカ。

第2セットと第3セットの間には、日本戦に限り10分の中断が入る。アメリカの監督は試合後、この10分の中断がなければと悔やんだ。果たして第3セット、ここまで2セットと違い、アメリカのアタックのミス、鈴木のノータッチエースなどで日本が先制する。大貫がウェストンを止めて日本のリードは15-11となる。しかし、大懸が止められてまず1ブレーク。テクニカルタイムアウト明け、江藤のクイックがミス、サーブレシーブが乱れて熊前が止められ、スコットノータッチエース、熊前スパイクミスで、4連続ブレーク、一気に17-16とアメリカが逆転した。しかしその直後、スコットにサーブミス。そこからアメリカのスパイクミスやつなぎのミス、熊前のスパイクで、日本が3連続ブレーク、再び突き放した。しかしアメリカも簡単には離れない。20-17の後も、熊前のスパイクが決まったかと思ったところをつなぎ、最後は鈴木のブロードをシャット。23-21からタガロアのツーで1ブレーク差に。ところがこの場面で、アメリカにはまたサーブミスが出てしまう。最後は大懸のスパイクで、25-23日本。

第4セットは序盤に鈴木のサーブ順でアメリカを崩し、満永がライトから決めて、大懸がスコットを止めるなど、4連続ブレークで7-3と日本リード。満永のサーブ順でもアメリカを崩して2ブレーク、サンスを2本続けて止めて2ブレーク、16-9。日本が着実にリードを広げていく。決着は最終セットに、という雰囲気が漂う。大懸のネットインノータッチエースで日本のリードは23-13まで広がった。その後、熊前のスパイクミス、サンス・ハーリーのスパイクなどで点差を縮められたが、最後はアメリカのレシーブしたボールを鈴木がダイレクトで打って、25-17日本。
ここにいたり、書き込みが何時間か全くなかった理由は明らかになった。試合の放送はまだ続いていたのだ!

最終セット、出だしは鈴木のブロードがミスで3-1アメリカリード。しかし、ウェストンのフェイントのミスでサイドアウトの後、アメリカにサーブレシーブが乱れがあって大懸が決めて同点。次の長いラリーも大懸が決めて、流れは日本へ。大懸がもう1本ブロックアウトをとり、さらにアメリカがサーブレシーブのミスからドリブル。日本が4連続ブレークで6-3とした。しかしスコットが日本の流れを止める。8-5から熊前をシャットしてまずサイドアウト、さらに2本スパイクをたたき込み同点。11-11からノリエガのライト攻撃でブレーク、アメリカが先行した。 しかし、12-12からアメリカのサーブレシーブが乱れ、ウェストンのスパイクがミス。13-13からハーリーがサーブミス。その後のサーブレシーブもミス、チャンスボールを大懸が決めた。最終セットの終盤にアメリカにミスが続き、かろうじて日本が逆転勝利を収めた。
MIPは最終セット3連続アタックブレークなど活躍が目立った大懸が選出された。

本当に厳しい試合だった。プレーする側だけでなく、見る側にとっても。
大逆転には違いないが、「感動的勝利」で終わってしまっては、全日本の成長はないと思う。特に第2セットまでは、反省すべき点が山ほどある。まず第一に、サーブで攻められなかったことと、攻撃のバリエーションがなかったことが問題である。ブロックが合わなかったし、サーブレシーブも乱れた。
もちろん選手はそんなことはわかっているだろうが、メディアの中にそのような正常な批判精神がないことが、全日本の強化を阻害していることは間違いないだろう。ファン層については、ほかのスポーツに関してもミーハーはたくさんいるし、一部の濃いファンという構成は変わらないと思うが、バレーボールを取り巻く環境が他のスポーツと最も違うところがそこだと思う。

さて、アメリカチームでは、このワールドカップから復帰したベテランセンターのスコットの活躍が非常に目立った。一人でブロックは実に10本を記録した。昨日の試合ではこれといった印象はなかったが、この試合では、若手中心に切り替えたチームにこの選手が戻ったことで、BCVマスターズ当時に比べるとチーム全体のまとまりがかなり感じられた。

スタメンおよびサーブ順
日本: 8 熊前 → 17 鈴木 → 11 満永 → 12 大懸 → 1 多治見 → 10 板橋
アメリカ: 8 タガロア → 1 サンス → 10 ハーリー → 16 ノリエガ → 18ウェストン → 17 スコット

       JPN - USA
         3 - 2
1st     20 - 25        25 min. 8-6 15-16 18-21
2nd     23 - 25        25 min. 6-8 11-16 15-21
3rd     25 - 23        26 min. 8-5 16-13 21-18
4th     25 - 17        23 min. 8-5 16- 9 21-13
5th     15 - 13        15 min. 5-3 10- 9 11-12
Total  108 - 103  1 h. 54 min.

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ブラジル対ペルー

第1セット序盤は、ブラジルの強打をペルーが拾い続け、ラリーが続く展開になった。しかし、ペルーは最後の決め手に欠き、ブラジルが先行していた。そして最初のTTO(テクニカルタイムアウト)明け、ガルシアにトスミスとツーのミス、サムディオがソウザに止められてブラジルが3連続ブレーク。14-10からディアスのサーブ順で、サービスエース、コインブラのスパイク、ペルーのサーブレシーブミスやスパイクミスで4連続ブレーク。20-11からもペルーのミスで2ブレーク。中盤以降は一方的な展開になった。ソトのブロック、モイのスパイクでペルーが反撃する場面もあったが、最後はディアスが決めて25-17ブラジル。

第2セットも6-5までは点数が離れないが、そこからペルーにミスが続き3連続ブレーク。11-7からはコインブラ・バロスのスパイク、リベロを襲うサービスエース、マラガのスパイクミスで4連続ブレーク。その後もペルーのミスから点差が開き、最後はマラガをバロスが止めて25-15ブラジル。

第3セットはペルーにサーブレシーブの乱れもあって出だしから一方的ブラジルペース。8-5からコインブラのソトを直撃サービスエース、ロドリゲスがモイを止め、ガルシアのツーミス、ロドリゲスのフェイントで4連続ブレーク。その後、ロドリゲスのサーブ順でも3ブレーク。17-7からはブラジルはオリベイラ、モラエスという控え選手を入れる余裕の展開。最後はそのモラエスのクイックで25-16。

いずれのセットも、中盤にペルーがサーブレシーブの乱れから攻撃が単調になってシャットされたりミスが出たりして、一気に点数が離れるという試合だった。この試合はアナモーゼに代わりコインブラが出場、サーブにスパイクに活躍しバボちゃん人形を獲得した。
ただし、ペルーも意外とよく拾うチームになっているので、強打だけで崩すのは決して容易ではない。ブラジルがこれだけ簡単に勝ったのは、単に攻撃の威力があるだけでなく様々なコンビネーションがあるからである。甘く見てかかると、痛い目に遭うことも必至である。

スタメンおよびサーブ順
ブラジル: 7 ソウザ → 10 ディアス → 3 コンセイソン → 8 バロス → 16 コインブラ → 11 ロドリゲス
ペルー: 3 ガルシア → 8 モイ → 7 サムディオ → 4 ソト → 12 マラガ → 5 チワン

       BRA - PER
         3 - 0
1st     25 - 17   19 min. 8-7 16- 9 21-11
2nd     25 - 15   18 min. 8-5 16- 8 21-11
3rd     25 - 16   18 min. 8-5 16- 6 21-10
Total   75 - 48   55 min.

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クロアチア対チュニジア

第1セット、バーバラが開始早々いきなり5連続アタック得点(4ブレーク)。場内静まり返る。このセット中盤からは、リヒテンシュタインのサーブでチュニジアを崩し、エース3本、チュニジアのミス3本、バーバラのスパイク2本、クズマニッチとレトがそれぞれ1本で、10連続ブレーク。そのブレークが止まったのは、チュニジアがバーバラのスパイクを初めて拾ったため。そしてラフラフィが決めると、この試合初めて歓声が上がる。最後はリビチッチがライトから決めて、25-7クロアチア。

第2セット2-2から、クロアチアがサーブレシーブのミスから初めてチュニジアにブレークを許す。この後も、このセット中盤まではサーブレシーブの乱れからの失点があり、13-10となかなか点差が開かない。しかし、その後はクロアチアがシャット2本、チュニジアのスパイクミス2本などで5連続ブレーク、突き放した。最後はクズマニッチの速攻で25-15。

第3セットは、クズマニッチのサーブ順で、バーバラのスパイク2本、リビチッチのスパイク、サービスエース各1本、相手のスパイクミス2本で6連続ブレーク。序盤からまた一方的展開になるが、この試合最高に盛り上がった場面は、このセット15-4からブリックが1枚でバーバラのバックアタックをシャットしたときだった。22-10となり、ついにバーバラはお役御免。最後はリビチッチのサーブがネットにさわり、ぽとりと落ちて25-10。
MIPはとりあえずバーバラだった。

基本的には、クロアチアがやりたい放題の試合である。しかし、クロアチアのサーブレシーブの悪さも尋常ではない。前年の世界選手権でもひどいものだったが、それよりもずっと悪くなっている。少しでも強いサーブがくると、ほとんどセッターに返らない、という印象である。それこそ12チーム中間違いなく最低である。(なお、チュニジアはバーバラのジャンプサーブをセッターにほとんど返した)
クロアチアがかなり弱いチームであることは、この試合ですでにある程度見当がついた。攻撃パターンは増えている。バーバラも平行トスも打つし、クズマニッチの速攻、レトを絡めたコンビもある。サーブレシーブが普通のチームくらいできれば強くなると思うけれども、とにかくサーブレシーブが悪すぎ、攻撃にならないだろう。(チュニジアがサーブを打った回数が少なく、サーブミスも多いのでレシーブした回数はさらに少ないが、サーブレシーブがセッターにきちんと返った割合は相当低い)

チュニジアチームを見たのはこの試合が初めてだが、第一印象は、半端でなく弱い(^^;、というものだった。前年のケニアは強かった(^^)と思うのだがどうしたのだろう?

スタメンおよびサーブ順
クロアチア: 10 リヒテンシュタイン → 7 クズマニッチ → 8 イエリッチ → 4 リビチッチ → 9 カステラン → 1 レト
チュニジア: 5 リハニ → 7 ラフラフィ → 13 スーダニ → 11 ジェベニアニ → 10 ドリッド → 4 ブリック

       CRO - TUN
         3 - 0
1st     25 -  7   14 min. 8-3 16- 6 21- 6
2nd     25 - 15   17 min. 8-4 16-10 21-12
3rd     25 - 10   14 min. 8-1 16- 5 21- 9
Total   75 - 32   45 min.

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キューバ対中国

第1セット序盤は、追いつ追われつの展開。4-4から中国は孫月のスパイク、王麗那のネットインエース、呉咏梅のフェイントで3連続ブレーク。それに対しキューバは、アゲロのエース、さらに孫月・呉咏梅が続けてスパイクミスで、すぐに3連続ブレーク。中盤には、諸韻頴のサービスエース、孫月のスパイク、キューバの反則で中国が3連続ブレーク、12-10とリード。その後は中国先行の展開が続く。いったんは17-17と追いつかれるが、キューバにミスも出て、李珊のブロックで22-18リードとした。しかし、サイドアウトの後ベル、コスタのアタックで2ブレーク。24-22で中国のセットポイントを迎えるものの、まずフランシアのクイックで切られ、そして次も決められず、アゲロのアタックでついに同点。さらにベルのアタックで、キューバが逆転。一度は王麗那で何とか切るが、流れは止められず、26-25からサーブレシーブをミス、チャンスボールをルイザに決められた。

第2セットはいきなり孫月がシャットされ、さらにサーブレシーブのミスをダイレクトでたたきつけられ、さらに次のコスタのサーブ順でもエースなど、序盤はキューバペース。中国も孫月のスパイク、陳静のクイックなどで追い上げ、一時は14-13と先行した。しかしその直後アゲロのサーブ順で、まず呉咏梅のブロードがシャットされ、さらにサーブレシーブが乱れ孫月もシャットされ、TTO明けもノータッチエース。20-17から、ベルのスパイク、フランシアが王麗那を止めてキューバが2ブレーク。キューバの勢いは止まらず、最後も2連続ブレーク、王麗那のスパイクがアウトして25-18。

第3セット、流れが大きく動いたのは9-9の場面から。呉咏梅のスパイク2本、王麗那のスパイク、フェルナンデスのバックからのフェイントがミスになり中国が4連続ブレーク。その後キューバのサーブレシーブの乱れもあり、邱愛華のライト攻撃で中国が1ブレーク追加。後半は2〜3点ずつ点数が入り点差はそれほど変わらない。23-19から、フェルナンデスのライトからのスパイクがミス、これで中国の逃げ切りは確定した。最後はアゲロのサーブミスで、あっけなく25-21中国。

第4セット、序盤は孫月・邱愛華が止められ、サーブレシーブのミス・諸韻頴のトスミスもあり、8-3キューバリード。その後は孫月のブロック・サービスエースなどで中国が次第に追い上げ、12-12の同点とする。しかし、キューバも逆転は許さない。そして19-18から王麗那が止められ再び2点差。タイムアウトの後、諸韻頴のネットタッチでさらにブレーク。この後キューバが23-19リードとなった。ここでルイザを止めて何とかしのぎ、さらに諸韻頴がまたルイザを止めてブレーク。しかし、その次はアゲロの強打を拾いきれず。最後は王麗那がシャットされて決した。
MIPにはコスタが選出された。

さすがにレベルの高い試合で、第1セットから熱戦となった。しかし、中国としては、とれるセットは確実にものにしなければならない。22-18リードから逆転で落とすというのでは、キューバ相手に勝つのはとうてい無理である。
このレポートにはあまり名前が出てこないが、この試合重要なカギを握っていたと思われるのが邱愛華である。邱愛華の得点が多い第3セットはものにしているし、逆に邱愛華の活躍がない時間帯はキューバに連続得点を許していることが多い。

スタメンおよびサーブ順
キューバ: 2 コスタ → 8 ベル → 16 フランシア → 12 アゲロ → 1 ルイザ → 14 フェルナンデス
中国: 11 孫月 → 10 陳静 → 12 邱愛華 → 15 王麗那 → 5 呉咏梅 → 4 諸韻頴

       CUB - CHN
         3 - 1
1st     27 - 25        25 min. 8-7 14-16 18-21
2nd     25 - 18        18 min. 8-4 16-14 21-17
3rd     21 - 25        20 min. 8-7 12-16 18-21
4th     25 - 21        22 min. 8-3 16-14 21-18
Total   98 - 89   1 h. 25 min.

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第3日

アメリカ対アルゼンチン

試合開始直後、アルゼンチンにスパイクミスが2本続くなどで3-0アメリカリード。8-6からはスコットのサーブで崩し、3連続ブレーク。ところが、直後のミューラーのサーブ順で逆にアメリカが崩され、コンデがバックからスパイク・フェイントを決めるなどで4連続ブレーク、あっという間に11-11の同点。アメリカはノリエガのスパイク、アルゼンチンのアタックライン踏み越しなどで3ブレーク、突き放すものの、直後のクルソーエのサーブでウェストンがサーブレシーブミスを連発、3連続ブレーク、したがってまた同点。さらに、16-16から、ハーリーのオーバーネット、バンソンのクイックで2ブレーク、ついにアルゼンチンが先行。23-21まではアルゼンチンがリードを保った。しかし、タガロアがコスタグランデを襲うサービスエース、コンデのバックアタックミスで、アメリカが2ブレーク、逆に先行。アルゼンチンはコスタグランデのスパイクでブレーク、なお粘る。しかし、アメリカはミューラーの速攻をシャット、さらにウェストンのスパイクがブロックをはじき、二転三転のセットを27-25でものにした。

第2セットも序盤は両チームにサーブレシーブのミスが出るなどで、2点ずつ点数が入る。ノリエガのスパイクなどで11-8アメリカリード。しかしアメリカは速攻をミス、クルソーエに再びサービスエース、コンデのバックアタックで12-11とアルゼンチン先行。アメリカは13-13から、ノリエガがコンデを止め、さらにハーリーのサーブでアルゼンチンを崩し3連続ブレーク。対するアルゼンチンはコンデのスパイクで2ブレーク、食い下がる。しかしアメリカは、スコットのブロード、ミューラーのブロードのミス、さらにスコットがコンデを止めて3連続ブレーク、21-17と突き放した。最後はノリエガがライトから押し込んで、25-22アメリカ。

第3セットは、開始直後からノリエガのスパイク、アンサルディのスパイクミスなどで、3-0アメリカリード。アルゼンチンは孤軍奮闘の感があるコンデがバックから強打とフェイントで2ブレーク。しかしその後、アンサルディとコスタグランデが次々つかまり、アメリカが3連続シャット、アルゼンチンのバックアタックもミスで4連続ブレーク。その後もアメリカにシャットが相次ぎ、差が広がる。最後はノリエガのスパイクで25-17アメリカ。ストレートでアメリカが今大会初勝利を上げた。
MIPはスコットが選出。アメリカチーム唯一の五輪経験者で、チームを引っ張るセンターエースである。

互いに守備面特にサーブレシーブに弱点があり、一方で型にはまれば高い攻撃力のあるチームなので、前半は特に連続得点が非常に多い展開となった。しかし、この両チームを比べれば、アタック、ブロック、サーブレシーブ、つなぎといった全ての面で少しずつアメリカが上回る。それがこのような結果となって現れた。
第2セット中盤以降、アルゼンチンの攻撃がほとんどオープン攻撃ばかりになり、アメリカのブロックに次々つかまり差が広がっていった。

スタメンおよびサーブ順
アメリカ: 1 サンス → 10 ハーリー → 16 ノリエガ → 18 ウェストン → 17 スコット → 8 タガロア
アルゼンチン: 1 クルソーエ → 2 コスタグランデ → 5 バンソン → 14 アンサルディ → 3 コンデ → 6 ミューラー

       USA - ARG
         3 - 0
1st     27 - 25       24 min. 8-6 16-15 19-21
2nd     25 - 22       22 min. 8-6 16-13 21-17
3rd     25 - 17       20 min. 8-5 16-10 21-14
Total   77 - 64   1 h. 6 min.

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ロシア対イタリア

試合開始直後は、ピッチニーニ、リニエーリのスパイクで、イタリアがリードする。しかし、リニエーリがティーシェンコにつかまると、その後もイタリアにサーブレシーブが乱れる場面があり、ティーシェンコ・ゴディナのスパイクなどで、ロシアが4連続ブレークで逆転。9-8から、リニエーリがまた止められ、さらにスパイクミス、ティーシェンコのクイックで、3連続ブレーク。イタリアはリニエーリのスパイク、アルタモノワのスパイクミスでブレーク。しかし、ロシアは連続ブレークは許さない。逆にゴディナのスパイクでブレーク、さらにレッジェーリのクイックがミスで22-18となる。この後はアルタモノワでしのぎ続け、最後はアルのフェイントで25-22ロシア。

第2セット序盤はサイドアウトの奪い合い。イタリアにはブレークのチャンスがあるものの、ロシアはシャットしてしのぐ。10-9ロシアリードから、ソコロワがライトから決めて、さらにパッジのクイックがミス。このセット初めて3点差がつく。ここでイタリアの監督はタイムアウトをとろうとするが、その指示が審判に伝わらない。これで監督がかっとなったのが選手にも伝わった。13-10からピッチニーニが止められ、15-11からパッジのオーバーネットで、3ローテ連続ブレーク。その後アルタモノワの2連続スパイクブレークでロシアのリードは19-13となった。しかしその後はイタリアが追い上げる。アルのネットタッチ、ティーシェンコを止めてまず2ブレーク。22-18から、ロシアのサーブレシーブが乱れそのボールをピッチニーニが決め、さらにゴディナが2回シャットされ3連続ブレーク、一気に1ブレーク差。さらに、23-22からソコロワのクイックもシャット、ついに同点とした。しかしアルタモノワだけは止められない。ロシアの25,26点目はいずれもアルのスパイク、さらに26-25からイタリアのサーブレシーブが乱れ、その後のボールを決めたのもアルタモノワ。

第3セット序盤は、2点ずつ点が動く展開。5-5からピッチニーニがシャットされ、さらにスパイクミス、アルのスパイクで3連続ブレーク、このセットも前半はロシアがリードした。9-6からはバシレフスカヤがツー、カッチャトーリがやり返したところアルが読み切ってシャット、11-6となる。しかし13-9から、トグットがライトから決めて、さらにこのセット序盤ゴディナに代わって入ったガモワをレッジェーリがシャット、イタリアが2ブレーク。さらに15-14からソコロワのブロードがミス、同点となる。19-19からゴディナのフェイントがミス、ついにイタリア先行。ロシアは21-21からブロックですぐに先行。イタリアは22-22からトグットのサービスエース。しかし、このセットの流れを決めたのは世にも不思議な選手交代だった。ここでトグットに代えてベルティーニを入れる。アルにスパイクを決められると、なぜかトグットを戻した。これで流れがロシアに行ってしまった。この後アルが2連続アタックブレーク得点、勝負を決めた。(ベルティーニを守備的起用ということはあり得るが、それならサーブ順が終わった後でベンチに下げるはずはない。)

いずれのセットも競るのだが、ここ一番というところで決め手の差が出た。流れがイタリアに傾きそうなところで、アルタモノワが超インナーの強烈なアタックを立て続けにたたき込み、チームをストレートでの勝利に導いた。当然ながらバボちゃん人形獲得もアルタモノワである。

また、この試合、イタリアにベンチワークのミスが2度ほどあり、結局それが致命傷となった。
勘ぐると、イタリアの監督はロシアと全力でやる気はなかったのではないだろうか?イタリアは初戦で韓国に負けてしまったので、この時点でうまくいっても5,6位である。だから、シドニー五輪のことを考えれば、ロシアにどんどん勝ってもらって早く五輪出場を決めてもらったほうが、イタリアとしてもハッピーというわけである。(この観点では、この日の日本も正しい試合をした!)

スタメンおよびサーブ順
ロシア: 9 ティーシェンコ → 6 ゴディナ → 5 ソコロワ → 3 ベリコワ → 8 アルタモノワ → 10 バシレフスカヤ
イタリア: 2 リニエーリ → 4 レッジェーリ → 3 トグット → 12 ピッチニーニ → 10 パッジ → 7 カッチャトーリ

       RUS - ITA
         3 - 0
1st     25 - 22       20 min. 8-6 16-14 21-18
2nd     27 - 25       25 min. 8-6 16-11 21-17
3rd     25 - 23       21 min. 8-5 16-15 20-21
Total   77 - 70   1 h. 6 min.

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韓国対日本

日本にとっては最大の天敵と言える韓国との対戦、第1セット序盤こそ、それほど点差が離れずに展開。ク・ミンジョンのスパイクミス、江藤のサービスエースで2連続ブレーク、9-7日本リードという場面があった。しかし韓国はチャン・ユンヒのフェイントですぐに同点。そして、カン・ヘミのサーブで前後に揺さぶられたところから、あっけなく流れは韓国へ。満永のスパイクミス、熊前が2本止められ3連続ブレーク、その後もそれぞれサイドアウトをはさみ2連続ブレーク、3連続ブレーク。あっという間に19-12韓国リード。22-16から、熊前がまた止められ、鈴木のブロードもミスでセットポイント。最後はチャン・ソヨンがセンターから打ったのが決まり、25-17韓国。

第2セットは、3-2からのチャン・ユンヒのサーブ順で満永がスパイクミス、大懸、江藤がシャットされ、韓国3連続ブレークで6-2。カン・ヘミのトスミスで日本が1ブレーク返すものの、韓国は、ク・ミンジョン、パク・スジョンなどのスパイクで4連続ブレーク。11-4と早々に一方的展開。13-6から長いラリーを鈴木のブロードフェイントでものにして、さらに佐々木のスパイクでブレーク。場内盛り上がるも、韓国はタイムアウトをとった後チャン・ユンヒで簡単に切る。この後も、日本が追い上げようとすれば、そのたびにチャン・ユンヒ、ク・ミンジョンのスパイクで突き放され、最後はチャン・ソヨンのブロードで25-19韓国。

第3セットも、日本にサーブレシーブミス・スパイクミスが相次ぎ、韓国はク・ミンジョンのスパイクなどで、中盤までほぼダブルスコアという有様。日本の見せ場は大懸のスパイクで2連続ブレークくらいだが、大懸に頼りすぎればすぐシャットされてしまう。最後は大懸のスパイクミスで、25-19韓国。
MIPは強打にフェイントに活躍したク・ミンジョンとなった。

これだけの大差は予想していなかったにせよ、前日の時点である程度は予想できた結果だった。攻撃の幅がないという問題が改善されていない。前日のアメリカ戦も、全くアメリカのデータ通りのバレーをやってしまった。それが2セットダウンとなって現れた。後半も、大懸と熊前が難しいトスを決めて勝った部分が大きい。こう書くと怒る人は多いだろうが、アメリカ相手にあれだけ苦しんで勝って、それで舞い上がっているようで、韓国に勝とうというのは、土台無理な話である。アメリカには勝って当然、ということでなくてはならない。
韓国はサーブでコンスタントに崩すことが望める相手ではない。だから、攻撃のバリエーションを増やして、ブレークされないようにしてついていくことが必要である。しかし、その観点では、韓国に同じく完敗したワールドグランプリ以降進歩はなかった。序盤の3試合の日本は、ふがいない試合の続く最近の国際大会と特に変わりはないように思われた。

韓国は、日本戦には絶対の自信を持っているように思われる。長いラリーの末日本の得点になったり、あるいは日本にシャットされたりして、場内が黄色い歓声に包まれても、全く浮き足立つ気配はなかった。

スタメンおよびサーブ順
韓国: 3 カン・ヘミ → 15 チャン・ソヨン → 4 チャン・ユンヒ → 7 パク・ミキョン → 10 パク・スジョン → 1 ク・ミンジョン
日本: 8 熊前 → 17 鈴木 → 11 満永 → 12 大懸 → 1 多治見 → 10 板橋

       KOR - JPN
         3 - 0
1st     25 - 17        21 min. 7-8 16-11 21-15
2nd     25 - 19        25 min. 8-4 16- 9 21-15
3rd     25 - 19        26 min. 8-4 16- 8 21-15
Total   75 - 55   1 h. 12 min.

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キューバ対ブラジル

第1セットは、キューバが突き放すもののそのたびにブラジルがすぐに追い上げるという展開が続いた。7-6からロドリゲスのブロードのミス、バロスがシャットされる。ブラジルは、ディアスのスパイクとコスタのスパイクミスですぐに追いつき、さらにディアスのサービスエースで先行。しかし、13-13からアゲロのサーブで崩し、キューバが3連続ブレーク。それに対しブラジルは、フェルナンデスのバックアタックを止めるなどで2ブレーク、また同点。その後1ブレークずつでなお同点。しかし19-18からキューバはサーブで崩してディアスを止め、さらに23-21からキューバがルイザのアタックでブレーク、セットポイント。しかし、ブラジルはまずクイックで切った後、そのルイザをシャット、さらにディアスのサービスエース、ルイザをもう一度止めて、3連続ブレーク。土壇場から25-24と一気に逆転する。26-25の場面で、アナモーゼまでボールはつながるが、難しいボールで打ちきれずミス。その直後、ルイザのサービスエースでキューバ先行。28-27から、アナモーゼのスパイクミスで、キューバがこのセットを制した。

第2セット、序盤の競り合いから抜け出したのはやはりキューバ。サーブで崩した後ベルのスパイク、バロスのバックアタックがミスで、11-9とリード。その後ディアスをフランシアが止めて1ブレーク追加した。ブラジルも、相手のサーブレシーブのミスからアナモーゼがバックアタックを決めて、1ブレーク返す。しかし、その後、フランシア、アゲロ、フェルナンデスのサーブ順で、サービスエースあるいはブラジルにサーブレシーブのミスが相次ぎ、22-16と点差が一気に広がった。キューバのミスでブラジルが点差を縮める場面もあったが、最後はルイザのフェイントが決まり25-21。

第3セットは、キューバ最初のサーバーコスタのサーブでブラジルが崩され、エース1本を含む3連続ブレーク。さらに、序盤にそれまで決まっていたディアスにもミスが2本、ブラジルが完全に集中力を失ってしまった。フェルナンデスのサーブ順でもブラジルにサーブレシーブのミスが続き4連続ブレーク、16-5キューバリードとなった。その後はキューバにミスが続く場面もあったが、リベロのメサの好プレーからディアスのバックアタックのミスを誘い、アゲロがノータッチエースをたたき込むなど、最後までキューバの勢いは止まらず。最後はアゲロのスパイクで、25-14。試合後半は一方的にキューバが奪った。
MIPはキューバのキャプテンのベルとなった。

第1セットは両チームの意地が感じられる激しい試合となったが、第2セット中盤から、ブラジルのサーブレシーブの乱れが失点につながる場面が次第に増え、一方的展開となってしまった。本日のメインイベントだけに、残念な結果となった。
ルイス、トレスがいなくても、キューバはやはり強い。そして、中国・ブラジルを下したことにより、五輪出場権当確一番乗りを果たした。

スタメンおよびサーブ順
キューバ: 2 コスタ → 8 ベル → 16 フランシア → 12 アゲロ → 1 ルイザ → 14 フェルナンデス
ブラジル: 2 モーゼ → 11 ロドリゲス → 7 ソウザ → 10 ディアス → 3 コンセイソン → 8 バロス

       CUB - BRA
         3 - 0
1st     29 - 27       26 min. 8-6 16-13 21-19
2nd     25 - 21       21 min. 8-7 16-13 21-16
3rd     25 - 14       17 min. 8-2 16- 5 21-11
Total   79 - 62   1 h. 4 min.

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クロアチア対ペルー

前日チュニジアに一方的に勝ったとはいえ、内容的にはほとんど見るべきもののなかったクロアチア。そして、この試合も、前日想像した以上に寒い内容でスタートした。サーブレシーブが乱れいきなりペルーが2連続ブレーク。ペルーにサーブミスとスパイクミスが続き、5-4とクロアチアが先行するものの、ここまでで自力での得点は1点しかない。その後、バーバラとレトのスパイク、リビチッチのサービスエースで3連続ブレーク、10-6。クズマニッチがサムディオのクイックを止めて1ブレーク追加と、展開はクロアチアリードとなる。しかしその後も、チュワンがバーバラをシャット、サービスエース、チュワンのクイックで、ペルーが3連続ブレークするなど、すっきりしない。それでも19-16から、カステランのサーブで崩しレトのスパイクもはさんで5連続ブレーク、このセットは楽に逃げ切った。最後はバーバラのバックアタックで25-18。

第2セット序盤も第1セット同様、クロアチアのサーブレシーブの乱れからペルーが2連続ブレーク。クロアチアはリヒテンシュタインのサービスエースで1ブレーク、中盤にはチュワン・マラガ・ソトと次々シャットして、逆転した。しかし、バーバラは全くと言っていいほど決まらない。ペルーはガルシアのノータッチエースで1ブレーク差。クロアチアのドリブルで19-19の同点となった。21-20クロアチアリードからからモイがフェイントとスパイクを相次いでミス、クロアチアが2ブレーク。このミスでセットが決まった。最後はクズマニッチがモイを止めて25-21クロアチア。

第3セット、バーバラにようやく当たりが出てきて、バックアタックとネットインエースで2ブレーク。しかし、ペルーもブロックとサムディオのフェイントなどで追いつく。14-14からマラガのスパイクでペルーが先行。さらに、レトのスパイクミス、バーバラのバックアタックミス、リビチッチのつなぎのミスと、クロアチアのミスがことごとくペルーのブレークにつながる。最後はチュワンが速攻を押し込み、25-22ペルー。

第4セット序盤は、クズマニッチのサーブで崩し4連続ブレーク、バーバラのスパイクも決まるなど、9-2とクロアチアがリード。本来ならここで楽勝の展開にならなくてはならないのに、直後にソトのサービスエース、バーバラのバックアタックミスなどで4連続ブレーク、さらにマラガのノータッチエースで1ブレーク差。その後もブロックやペルーのミスなどでクロアチアが常に先手はとるが、バーバラのスパイクミスでペルーがブレーク、差が広がらない。20点過ぎはサイドアウトをとるにもひたすらバーバラという展開になる。22-19クロアチアリードからペルーにサービスエース。23-21からバーバラが拾われ、ペルーのチャンスと思われたが、ソトがスパイクミス、クロアチアのマッチポイント。しかし、ペルーはサイドアウトの後ソトがバーバラをシャット、1点差。最後はクズマニッチの速攻がブロックをはじき決まった。

これではこの後全部負けるぞ。
とにかくクロアチアにとっては後味が悪く、全く勝ったという気分のしない試合となった。

ペルーは前日ブラジルにストレートで負けたものの、よく拾うチームなのでサイドの強打だけで崩すのは難しいと思ったが、全くその通りの展開となった。バーバラのアタックは、特に前半は全くと言っていいほど決まらなかった。

結論としては、守備のできないチームはこれだけダメなのだ、ということ。試合レポートの数字を見て、ある程度覚悟はしていたけれども、想像をはるかに超えるひどさである。もちろんセッターリヒテンシュタインの責任も大きく、第3セット以降はほぼ全てバーバラとレトのオープン攻撃ばかりだった。それだけ攻撃が単調になれば、ブロックもレシーブも容易である。
今大会、順位的には上半分を目標と考えていたけれども、完全に見方を変えざるを得ない内容だった。よくて7,8位。もちろんシドニー五輪出場などとうていおぼつかない。この後の6連敗は、この時点で十分予期し得たことだった。
バーバラ自身もこの試合は不振で、この後に見たアルやゴディナのスパイクと比べるとまるで威力がなかった。ペルーのミスとレトのうまさに救われた試合だった。

スタメンおよびサーブ順
クロアチア: 10 リヒテンシュタイン → 1 レト → 7 クズマニッチ → 8 イエリッチ → 4 リビチッチ → 9 カステラン
ペルー: 8 モイ → 7 サムディオ → 4 ソト → 12 マラガ → 5 チワン → 3 ガルシア

       CRO - PER
         3 - 1
1st     25 - 18        18 min. 8-6 16-11 21-16
2nd     25 - 21        19 min. 6-8 16-13 21-20
3rd     22 - 25        20 min. 8-6 15-16 19-21
4th     25 - 23        20 min. 8-2 16-13 21-17
Total   97 - 87   1 h. 17 min.

今大会の序盤のクロアチアは、バーバラよりもむしろレトのほうが好調で、得点もそれほど差がなかった。この試合でも、バボちゃん人形はバーバラではなくレトが獲得している。もしクラブチームで、これだけちゃんとしたアタッカーが2枚いて、これほど弱い、この程度の試合しかできないのであれば、間違いなく監督の責任問題になるはずである。
そもそも、五輪予選が間近に迫ったこの時期に、若手選手に一気に切り替えること自体が間違っている。さかのぼってみれば、クロアチアチームには、アトランタ五輪不出場という汚点もある。そこに思い至れば、監督をはじめとするスタッフの責任が当然に浮かび上がってくる。

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中国対チュニジア

前日は「半端でなく弱いチーム」と書いてしまったチュニジアチームだが、試合を重ねるたび、セットを重ねるたびに、(中国が控え選手のテストに入っていたとはいえ)目に見えて、点数に見えて内容がよくなっていた。中国のアタックをしばしば拾い、4番ブリックがストレートに打ち続け中国と渡り合う場面もあった。チュニジアのサーブは見かけ以上に威力があり要注意。この試合でもサーブレシーブを崩す場面は少なくなかった。
ワールドカップは他の三大大会と違い、全てのチームに同じ11試合のチャンスがある。このようなチームの成長を見るのも、一つの楽しみ方かもしれない。

一方の中国はこの試合で控え選手を全員テスト。1番の桂超然の目の覚めるような速攻が目立った。(解説の杉山さんは、呉咏梅に最も近い、といっていた)

スタメンおよびサーブ順
中国: 11 孫月 → 10 陳静 → 12 邱愛華 → 15 王麗那 → 5 呉咏梅 → 4 諸韻頴
チュニジア: 5 リハニ → 7 ラフラフィ → 13 スーダニ → 11 ジェベニアニ → 10 ドリッド → 4 ブリック

       CHN - TUN
         3 - 0
1st     25 -  9   15 min. 8-2 16- 5 21- 8
2nd     25 - 12   16 min. 8-6 16- 7 21- 9
3rd     25 - 17   19 min. 8-4 16-10 21-14
Total   75 - 38   50 min.

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