男子決勝トーナメント

通常リーグ・第19戦「先が全く読めない」(2/22)
通常リーグ・第20戦「あっけなく決着してしまった」(2/28)
初戦「大熱戦!オーリーV.S.ペゾン」(3/13)
準決勝「ステップラダー初の2連勝!」(3/14)
決勝「新日鐵、強すぎる」(3/15)
個人タイトル「よく考えてみると、これもひどい」(3/25)


「先が全く読めない」(2/22)

本来このページはバーバラのサポートページであり、それを中心として、東欧諸国を主とする女子スポーツ選手を扱うページである。だから、男子バレーボールは完全に守備範囲外のはずなのだが、次の週は基本的に暇で、しかも男子Vリーグのプレーオフ争いは非常に面白い展開になっているので、この記事を書くことにする。

女子Vリーグの4位争いは、2試合を残してほぼ決着がついてしまった。それに対し、男子Vリーグの4位争いは、残り2試合の現時点でもまだ先が読めない。
順位 チーム 勝敗 得失セット
4位 NEC 10-9 37-32
5位 住友金属 10-9 33-37
6位 富士フィルム 9-10 33-35
3位のサントリーは11勝、しかも最下位JT戦を残しているため、プレーオフ進出はほぼ確定と見ることができる。したがって、プレーオフ進出最後の座をかけるのは上記の3チームである。

このプレーオフ進出争い、先が全く見えない理由の一つは、NEC対住金、住金対富士の直接対決が残っていることである。ここまで、NEC対住金の対決は住金の2勝。しかしいずれもフルセットにもつれている。住金対富士は1勝1敗。第1レグはストレートで富士、第2レグは3-1で住金が勝っている。

NECと富士は、東レとの試合を残している。どちらも、ここまで東レには2勝している。しかしこれは全く当てにならない。東レは第2レグまで1勝13敗で最下位に沈んでいた。ところが、第3レグはここまで何と4勝1敗。新日鐵・松下の二強をも破っている。いったい何がきっかけでこれほど変わるのか、というほどの変身ぶりである。

したがって、この3チームの残り全試合、結果の予想がつかないのである。

しかし、勝敗および得失セット率から言えば、NEC優位にあることには間違いない。特に、次の住金との直接対決に勝てば、四強はほぼ間違いなくなる(富士の結果次第では数字的にも確定する)。
星勘定から言えば富士はかなり苦しい。4位NECとは、1勝と1敗では逆転できない。住金もこのレグ1勝4敗、最下位JT以外に全敗と苦しんでいる。数字から見る限り、スーパーエース*1のイリアの調子は下降気味である。決定本数も減っている。少し前までは1セットあたり13本を決めていたのだが、それが通算で1セットあたり12本にまで減っている。決定率も、以前は54%程度あったものが通算で52%まで下がった。ランキングでも9位と下降している。さすがに、ここまでの酷使*2の反動が来つつあるのだろうか。
*1 特に男子の場合、スーパーエースという用語はポジションを指すことが多い。しかし、ここでは文字通り「バーバラのような働きをする選手」の意味。何という定義だ(笑)。しかし意味はきわめて明瞭。
*2 決定本数1セットあたり12本にしても、3回戦総当たり21試合では断然の新記録である。女子で1セットあたり13.3本など、完全に狂気の沙汰である。

レグ優勝争いも4勝1敗で新日鐵、サントリー、東レが並ぶという混戦である。この3チームの直接対決のうち、新日鐵とサントリーの試合がまだ残っている。残りもう1試合は、新日鐵が2位松下、サントリーは最下位JTである。東レは、上でも述べたとおり、NEC・富士との試合が残っている。
得失セット率では、新日鐵・サントリーに比べ東レは不利である。しかし、新日鐵がサントリーに勝ち松下に負けるようなことになれば、東レにもレグ優勝の芽が出てくる。そうなると、まさか東レにもプレーオフ進出のチャンスが、と思うかもしれないが、東レは第2レグまであまりにも負けが込みすぎたため通算7位が確定してしまっているのである。東レ、残念無念。

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「あっけなく決着してしまった」(2/28)

先週先が読めないと書いた男子Vリーグの4位争いだが、NECが住金との直接対決でストレート勝ちを収め、あっけなく決着してしまった。

住金は四強に進出して有終の美を飾ってほしかったのだが、及ばなかった。第2レグが終わったときには、この勢いなら四強もかたいと思ったのだが、第3レグに力尽きてしまった。やはりイリアが酷使でくたばったのが原因だろうか。このチームは女子のデンソーエアリービーズによく似たチームだが、この経過はVリーグ初年度のエアリービーズに非常に似ている。もしこのままVでの経験を積んでいけば、これから四強に入るチャンスは十分あると思われるだけに、このチームに次がないとは本当に残念である。

今回の男子Vリーグは、外国人大物エース一人を採用したチームが上位を占めた。女子と違い、もともと日本人選手の戦力の差がそれほど大きくないだけに、外国人オン・ザ・コート一人の制度で上位進出するためにはこの形しかないということなのだろう。この意味では似たチームが多いことになる。

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初戦「大熱戦!オーリーV.S.ペゾン」(3/13)

今気がついたのだが、NECとサントリーというこの初戦の顔合わせは、前回のステップラダー初戦と同じである。昨シーズンNECで活躍したアルーダが今回はサントリーに移籍と、不思議な縁のあるカードである。この両チームはVリーグ初回以来全て四強に進出している。

第1セットは15-9でサントリーが取った。サントリーはブロックでNECを大きく上回った。レギュラーシーズンの成績ではNECはサーブ効果率もサーブレシーブ成功率もトップだったのだが、NECはサーブレシーブがやや乱れるシーンが目立った。また、両チームとも、サーブで相手を崩そうとしてサーブミスが目立った。NECはこのセットの途中には日本人選手にボールを回す(ファンダールミューレンを使わない)時間帯があったけれども、相手のセットポイントを迎えるとひたすらオーリーにボールを回した。これでセットポイントを6度しのいだが、7回目にオーリーの打ったボールがアウトしてこのセットを取られた。うぐっ。あの試合が思い出されてしまう。

第2セットはいったんはNECが6対0とリードしたらしい(放送は7対4NECリードから)。ところがここでサントリーが立て続けにブロックを決め、NECにコンビミスも出るなど、サントリーが10対10と同点に追いつく。この後、オーリーに連続でスパイクミスが出てサントリーが13対12と逆転する。13対12でサイドアウトが繰り返されるが、その次の得点もサントリーで、いったんはサントリーのセットポイントを迎える。ところがここをオーリーで切ったところから流れが一気にNECに変わる。次にNECに久しぶりのブロックが出て1点差。そして、その次にNECが打ったボールがサントリーのブロックをかすめるようにして外に出た。微妙な判定だったけれども、判定はワンタッチあり。サントリーは監督も立ち上がり猛烈に抗議したけれども認められない。これで同点になった。この後、NECに再度ブロックが出て15点目が入り、逆にセットポイントを迎えた。NECはペゾン(アルーダ)のアタックを2回続けてレシーブ。しかも苦しい体勢で打ったと思われたけれども、相手のブロックに当たったボールはアウトし、このセットを16対14で取った。

第3セット、放送はやはりセットの中盤からである。1〜2点差でサイドアウトを繰り返した。しかし、11対9・NECリードで9回サイドアウトの後、オーリーがサーブで崩し、サントリーの攻撃をブロックして大きな1点を追加した。ところがこの後もサントリーに要所でブロックが出て、12対12と追いつく。この後も2点以上の差がつかない最高に緊迫した展開となる。13-13・NECサーブのとき、アルーダをレシーブしながら、その後オーリーがつなぎをミス、サントリーにサーブ権が移る。オーリー、すごい悔しがりよう。しかもこの後オーリーにスパイクミスが出てサントリーが得点、セットポイントを迎えた。流れから見てNEC大ピンチだが、ここで何とペゾンをブロック!!第2セットに続いてデュース、しかも第2セットに酷似した展開となる。この後サントリーは相手の裏をかくかのようにペゾンを使わず、河野などでしのぎ続ける。しかし、デュースになったあたりから、NECはなかなかコートにボールが落ちない。このセットも、相手のセットポイントを迎えながら逆転でNECが取る。

第4セットの序盤は、4-2, 4-4, 6-4, 6-6と、2点ずつ点が動く展開となる。しかしサントリーはリードできない。そして6-6から、アルーダの連続スパイクミスなどでNECが4連続得点。たまらずサントリーはタイムアウトを取るけれども、NECの勢いは止まらない。アルーダがまたアウトするなどで、NECがさらに3連続得点し、サントリーがようやくサイドアウトを取ったのは13対6となってからだった。そこからサントリーも追い上げるけれども、14対8でNECのマッチポイントを迎える。しかしここからなかなか決まらない。ペゾンを中心に反撃し、サイドアウトの繰り返しもはさみながら、14-11まで追い上げた。しかし最後は、サントリーのアタックをレシーブし(ここでもブロックではない)、オーリーの「おそれ多い」つなぎから相手のブロックをはじいて決めた。これでサントリーは3年連続の4位となる。

NECは試合の後半になるにつれてブロックがよくなっていった。また、私の印象では、試合の要所でレシーブが目立った。セットを取った得点は全てレシーブでつないで生まれたものである。NECのもう一つの大きな勝因は、選手交代の成功である。セッターを奥田から糸田に代えたところで流れが変わった。また、竹内が足をつるというアクシデントで急遽交代出場した細川がラッキーボーイとなった。

一方のサントリーも、敗れはしたものの非常によい試合だった。得意のブロックは1セットあたり10本近くも出た。特に内定選手の朝日健太郎の活躍が目立った。ブロック賞(内定選手での部門賞獲得は初)がフロックでないことを見事に証明した。全日本の顔となる日も近いだろう。

NEC3 (9-15, 16-14, 16-14, 15-11) 1サントリー

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準決勝「ステップラダー初の2連勝!」(3/14)

第1セット、最初は松下のリズムかと思われた。しかし、NECが泉水のサーブになってからリズムが全く変わってしまう。4本続けて松下のサーブレシーブが乱れる。松下はたまらずタイムアウトを取るけれども、NECの流れはまだ止まらない。相変わらずサーブレシーブが悪く、つなぎも乱れ、結果としてイェルツェンが立て続けにブロックで止められる。泉水がサーブミスでサイドアウトするまで何と8連続得点、松下はタイムアウトを2回とも使ってしまう。この後松下はしばらくイェルツェンを使わず、宮崎あるいは南部あたりの本数が増える。いったんは松下のペースになり、2点差まで追い上げる。しかし、この後は2〜4点差をそのままに、最後は松下にサーブレシーブのミスが出て15対11でNECがものにした。NECはライトからオーリーが打つ場合が多く、これが松下のブロックに読まれるのが目立った。しかし、NECも大竹を中心にブロックはさえていた。

第2セットは松下が8対2とリードする。ここでNECは、前日同様、セッターを奥田から糸田に代える。この後一時はNECの流れになり追い上げる。しかし、10-6松下リードから、宮崎が力を抜いてサーブを打ち前に落とす。これで2回続けてNECのサーブレシーブが乱れ、結局連続得点となる。これで流れが再び松下に変わってしまう。オーリーのスパイクミスなどもあり、14-6で松下が最初のセットポイントを迎える。NECも1点を返したものの、最後はイェルツェンが豪快に決めて、15対7で松下がこのセットを取った。このセットは特に宮崎の活躍が目立った。ほとんど決まっているという感じである。

第3セットは流れが二転三転、接戦が続く。12対11・松下リードから、松下の速攻が決まったかと思われたけれども、松下にまさかのタッチネットがあり、同点になる。この後、宮崎とオーリー、両チームのスーパーエースがブロックされる。13対13と同点。まさにこのあたりが試合全体の山場であった。ここでイェルツェンに痛恨のスパイクミスが出て、NECがセットポイントを迎える。しかし松下のセッター紫和は強気のトス回しでセットポイントをしのぎ続ける。解説の寺廻氏、予想をことごとく外される(笑)。しかし最後は松下・白数のアタックがアウトになり、15対13でNECがこのセットをものにする。このセットが終了した時点で、放送残り時間は20分あまり。ということは、2連勝きわめて濃厚!

第4セット、最初の得点は松下に入る。しかしその後、NECオーリーのサーブで、得意のサーブポイントなども出て連続6得点。NECは第2セット一時セッターを糸田に代えていたけれども、すぐに奥田に戻していた。その奥田がイェルツェンを2度ブロックした。この後もサイドアウトははさむものの始終NECの一方的なペース。イェルツェンは、何とかワンタッチは取っているものの、スパイクが浮くのが目立った。やはりブロックを意識しているのだろう。最後はまたしても奥田のブロックで、15-5でNECがこの試合を取った。これでNECは、ステップラダー初の2連勝を達成した。

NECはオーリーの当たりは前日同様いまいちと思われた。しかし、この日はブロックがさえわたった。また、この日も選手起用でファインプレーがあった。

一方の松下。試合の流れという面で見ると、第1セット泉水、および第4セットオーリーのサーブで崩され連続失点したのが痛かった。数字で見るとイェルツェンの当たりが悪かった。4割いくかいかないかというところである。いったいこれはどうしたことか。このため宮崎にかかる負担が大きくなった。宮崎が決まっている間はそれでもよかったけれども、宮崎が止められるようになるとペースがつかめなくなってしまった。

NEC3 (15-11, 7-15, 15-13, 15-5) 1松下電器

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決勝「新日鐵、強すぎる」(3/15)

この日の放送を見ていて、試合が始まる前の部分だけで、
「これは新日鐵ストレート勝ちだぞ」
と思ってしまった。
というのは、前日までと違いやたらと前置きが長いのである。前日までは、解説者が二言三言話したらすぐ第1セットスタートだったのに、スタメンが一人ずつ名前を呼ばれてコートに出て行くところもカットされていない。

第1セット、試合は果たして、一方的な新日鐵ペースとなる。NECはブロックに止められたり、スパイクミスも出たりと、やることなすことが全てうまくいっていないという感じで、あっという間に8-2まで差がつく。そのあとは流れが止まる場面もあったけれども、結局全体としては5〜6点差をそのままに、最後は中垣内のバックアタックが決まり、新日鐵が15-9でこのセットを取る。このセットは中垣内が7点とすごい。また、ゴリュチェフも全然止まっていないという印象である。この二人がこれだけ暴れては、NECには勝ち目はない。
第1セット・2セットの間のインターバルも全くカットされていない。この間に新日鐵の得点シーンを全て再度流したりしている。リアルタイムで観戦記を書く分にはやりやすいが、相当一方的な試合だぞ、これは。

第2セットは、第1セット以上に全く一方的な展開となる。NECはセット序盤にオーバーネットが2度出るなど、明らかにあせりも出ている。連続3点→サイドアウト2回→連続5点で8-0となる。相変わらずゴリュチェフは全然止まっていない。大竹がやっとゴリュチェフをブロックして1点を入れる。そこからNECは3点を返すけれども、この後は高橋のサービスエース、オーリーがブロックで止められるなどで、サイドアウトをはさみながら新日鐵が6連続得点、セットポイントとなる。この後NECも反撃するものの、最後はこの試合を象徴するかのように、オーリーが中垣内のブロックで止められ15対6で新日鐵が2セットを連取した。

NHKは完全に時間を持て余している。これはひどいぞ、と思ったら第3セットの冒頭はカットされ、5対5のところから放送される。何を考えているのかNHKは。そこから(サイドアウトをはさみながら)4連続ブロック得点、さらに細川のノータッチエースでNECが10対5とリード。この試合初めてNECのペースになる。ところがこの後、サイドアウトをはさみながら新日鐵が11対9まで追い上げ、さらにそこでブロックポイントが出る。これで一気に流れが新日鐵に傾き、最後は連続得点で15対11。新日鐵がストレートで優勝を決めた。新日鐵は男女通じてVリーグになってから初の連覇を果たした。
一つ気になったのは、判定でもめたシーンが多かったことである。最終セットだけでも、新日鐵の13点目はブロックがアウトになったかと思われたがインの判定、新日鉄優勝が決まった得点はゴリュチェフのスパイクがアウトに見えたがワンタッチありとの判定だった。

新日鐵の強さばかりが目立った試合だった。NECには疲れも苦手意識(3-1, 3-1, 3-0でレギュラーシーズンは新日鐵3勝)もあったのか。新日鐵は両エースの決定率が極めて高かったが、これは真鍋の速く正確なトス回しによるところが非常に大きい。NECのブロックが完全に振り切られていた。NEC・金子監督もこれを真っ先に敗因としてあげていた。

新日鐵3 (15-9, 15-6, 15-11) 0NEC

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個人タイトル「よく考えてみると、これもひどい」(3/25)

決勝戦の放送の最後に、MVP・敢闘賞・ベスト6などの個人表彰が発表された。私は男子バレーにはうといので、そのときは、そんなものかと思っただけだった。しかし、よく考えてみると、新日鐵のゴリュチェフが何の賞にも選ばれていないのは、これもひどいというか、謎である。このことをある人(普段お世話になっているバレーボールサイトの管理者)に指摘されるまで気がつかなかった私も大ぼけである。

ゴリュチェフは優勝チームのエースであり、本来はMVPに選ばれても当然である。決定本数・決定率ともチーム内でトップ*と、数字的にもその活躍には文句のつけようがない。MVPに選出された中垣内選手本人さえ、素直に喜べない様子で、MVPは当然真鍋とゴリュチェフにいくべきだと語っている。
* チーム内で、決定率最高の選手と決定本数最多の選手が同一選手というのは、優勝チームとしては珍しいだろう。エースアタッカーよりもサイドアウトの切り札のセンタープレイヤーのほうが決定率が高くなるのが普通だからである。したがって、決定本数最多選手が決定率も最高ということは、

のどちらかと考えられる。いずれにしても、攻撃面ではバランスがあまりよくないと思われる。

ゴリュチェフの場合、バーバラの場合とも違い、ベスト6に選ばれない理由が見あたらない。記者投票は上位チームに偏るという説明も、ゴリュチェフは優勝チームの選手なのだから意味をなさない。外国人選手が選ばれにくいといっても、同じ外国人エースのファンダールミューレン・イェルツェンは選出されている。決定率はオーリー・イェルツェンを大きく上回っており、決定本数も667本と決して少なくない。あえて説明をつけるとすれば、新日鐵というチームは中垣内・真鍋の存在があまりにも大きすぎるということだろうか。

ベスト6などを決める記者はいったい何を根拠に投票しているのだろうか。わからなくなった、というのがこの両ケースを通じての感想である。10試合も20試合もVリーグを見ているわけではないだろうし、技術集計もあまり見ていないらしい。今回の男子にしても、技術集計を見ていれば、ゴリュチェフより先にオーリー・イェルツェンが選ばれることはまず考えられない。

記者投票であまりにもおかしなことが頻発するようなら、全チームの監督・コーチに自チームの選手以外から選出させるという方法がある。野球のアメリカ大リーグでは、守備のベストナインであるゴールデングラブ賞の選出をこの方法で行っている。全チームを平等に見ていないと公平な選出が難しく、しかも記録に頼るにしても、守備の集計はシーズン中は打撃・投手成績のように細かくは報道されないからである。

男女とも日本バレーは弱体化の一途である。また、審判のレベルの低さの問題が、Vリーグ男子決勝で露呈された。そして、今回のベスト6の選出で男女とも当然選ばれてしかるべき選手を落としたことは、記者のレベルを表している。それではファンのレベルはどうなのかといえば、日本バレーが強かった時代からのファンには「すごい」と感嘆させられる人が多いけれども、まともなファンが新たに育っていない。というより、この後の春高バレーで起きた、本末転倒を極めた事件からもわかるように、まともなファンを育てようという姿勢が見られない。つまり、現在の日本では、バレーボールに携わる人間全体のレベルが下がっているのではないだろうか。バレー人気の低迷が指摘されて久しいけれども、これは最も致命的な事態である。

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