第1レグ

初戦「充実の開幕日」(12/6)
第2戦「東の横綱」(12/7)
第3戦「一抹の不安」(12/13)
第4戦「暗雲たれ込める」(12/14)
第5戦「かすかな望み」(12/20)
第6戦「第1レグ最大の決戦」(12/21)
第7戦「光は大きく」(12/23)
第1レグ総括「道は確固として続く」


初戦「充実の開幕日」(12/6)

いよいよ心待ちにしたVリーグ開幕である。今年の開幕戦はNHK-BSで放送があるので秋葉原の「でかい」電気店(コマーシャルを見たことがあればきわめて意味明瞭)に見に行く。相手は今年実業団から復帰したばかりの小田急である。試合はストレートで快勝。第3セットは時折止められたけれども、第2セットまではバーバラの攻撃は面白いように決まった。いかに勝たなくてはならない相手とはいえ、よいスタートである。デンソーは昨シーズンとはセッターも変わっているけれども、新セッター温水は強気のトス回しがなかなかよい。試合の最初にバーバラが一度止められると、それからしばらくはライトの三浦に球を集め、小田急のブロックを困惑させてからバーバラにボールを集めて突き放すというクレバーさも見せた。ツー攻撃も多い。彼女はセッターとしては大型でしかもサウスポーのため、ツー攻撃は持ち味である。このセッターならツー攻撃を多めにしたほうがよいと思う。相手に「ツー攻撃があるのではないか」と常時意識させることができれば、それだけバーバラへのマークは甘くなる。

このとき、NHKハイビジョンではリレハンメル五輪大全集を放送しており、バレーボールと両方見てきた。熱いスケーターたち(オクサナ、ナンシー、エカテリーナ)の最後の姿を見ることができた*1-4。とても充実した一日であった。
*1 競技ではなくエキシビションだから、本当に最後である。
*2 オクサナもプロのスケートショーには出ているらしい。しかしプロフィギュア選手権では最下位。放送すらカットされた。
*3 ナンシーは98年1月にプロフィギュア選手権で見た。しかし、オクサナにしろナンシーにしろ、アマチュアとしての演技はこれが最後。
*4 エカテリーナはプロフィギュアスケートの競技会の常連だが、ペアでの演技はおそらくこれが最後である。

デンソー3 (15-4, 15-8, 15-10) 0小田急

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第2戦「東の横綱」(12/7)

相手は昨年優勝のNEC。やはり負け。この週2試合の結果は、勝たなくてはならない相手に勝ち、勝てそうにない相手には負けた。予想通りといえば予想通りである。得失セットで取ったセットのほうが1セット多いから、合格点はつけられる出だしである。

この試合、セッターは鬼のようにひたすらバーバラにボールを回したらしい。そしてバーバラの打った本数はなんと131本!だそうだ。どのみち勝てない相手なら、これほど無理させない方がいいと思うのだが。

デンソー1 (9-15, 15-9, 5-15, 2-15) 3NEC

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第3戦「一抹の不安」(12/13)

今年実業団リーグから昇格したもう1チーム、東芝との対戦。ストレートで勝ちはしたものの、得点を見るとどのセットも接戦である。一抹の不安が走る。

デンソー3 (15-13, 15-12, 15-11) 0東芝

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第4戦「暗雲たれ込める」(12/14)

いよいよプレーオフ進出を争う中位3チームとの戦いに突入する。この試合の相手東洋紡は、その中ではチームの性格からしてもっとも戦いやすいと思われた。実際、前回の通常リーグでは3連勝している。ところが、試合結果はまさかのストレート負け、完全な粉砕である。

星勘定から言っても、ここで勝たないとプレーオフ進出は非常に苦しくなると思われた。第1レグ残り3試合のうち、ダイエーはまず勝てる相手ではない。残りのユニチカ、ヨーカドーも、昨年の対戦成績はいずれも1勝2敗と、相性は決して良くない。だからこの3試合は1勝2敗、下手すれば3連敗もあり得ると思われた。だから、第4戦までで五分では苦しい、勝ち越しておかなくてはならないと感じられた。

私はあくまでもバーバラのファンだから、リーグが始まる前は楽観的に見ていたけれども、客観的に見れば、このチームにとってプレーオフ進出は決してたやすいことではない。昨シーズン終了後、中堅ないしベテランの日本人選手がなんと8人も退部した。バーバラとキャプテン以外全員入れ替わったと言ってよいくらい、昨年とはメンバーが替わっている。ベテランの引退および有力選手の移籍で大打撃を被ったチームはもちろん他にもあるけれども、もともと日本人の選手層の薄いこのチームにとって、ダメージはより大きいはずである。史上最高の3位という成績を残した前回も、日本人選手の戦力ではVリーグで下から2番目か3番目くらいだったが、今回は間違いなく最低である。

様々な意味で、これでは今年はだめだ、と結論せざるを得なかったのである。

デンソー0 (7-15, 6-15, 4-15) 3東洋紡

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第5戦「かすかな望み」(12/20)

先ほど「勝てる相手ではない」と記したダイエーとの試合。日本人の攻撃力のある選手の過半がこのチームに集まった感がある。このチームだけで全日本が作れるくらいである。やはり勝てるはずはなかった。しかし1セットは拾った。

この日の事件は、プレーオフ進出を争うライバルである東洋紡が、実業団から昇格したばかりの東芝にまさかの取りこぼしをしたことである。それも、ストレートでほぼ完全な粉砕である(5-15, 2-15, 12-15)!これで、デンソーにはプレーオフ進出の芽が再び出てきた。

デンソー1 (8-15, 9-15, 15-11, 1-15) 3ダイエー

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第6戦「第1レグ最大の決戦」(12/21)

この日のユニチカ戦は、2勝3敗のチームどうしの対戦となる。これは4位争いの生き残りをかけた非常に重大な試合である。このレグの最終第7戦は、この両チームとも、勝つのは難しいと思われる組み合わせである。したがって、この試合に負けたチームはこのレグを2勝5敗で終わることになると予想された。
今シーズンは、ダイエーとNECがずば抜けた力を持っており、これ以外のチームがレグ優勝を狙うことはほとんど絶望的である。この2チームにはまず勝てないとみなくてはならない。前回の場合、首位NECが第3レグ3勝4敗と崩れた。しかし、前回NECは1,2レグ連続優勝、勝ち星でも2位東洋紡と4勝の大差がついていた。この減速の原因は、エースのバトフチナがけがで欠場したこともあったけれども、それ以上にモチベーションの低下があったことは間違いない。今回は、トップが2チームできわめて高レベルの競り合いが予想される。今のところ、直接対決以外はこの2チームは全勝でいくと踏んでいる。ステップラダーでは、通算順位1位のチームは決勝戦だけですむが、2位のチームは準決勝から出なくてはならない。この差は大きい。だから両チームともモチベーションの低下は考えられない。
したがって、プレーオフ進出のためには通算の4位狙いしかない。しかも荒稼ぎはできない。すなわち、大崩れがあると、それを取り返すのはほぼ不可能ということである。つまり、この試合に負けたほうは、ベスト4の争いからほぼ脱落することになると考えられた。

この試合は午後7時からNHK-BSで録画で放送された。録画で放送されると、カットされることがあるけれども、その試合のデータあるいは前の試合までのデータが挿入されるので、資料としての価値は高い。だから、この試合の録画が落ちたのは正直言って痛い。しかし、当然のことながらこの試合の放送は出かけて見ている。この時間は一般的な電気店の閉店時間である。そこで、近くのスーパーの電器売場に行くことにする。

正セッター温水が出ておらず、出ているのは控えのセッター磐井である。温水の名前が控え選手にもないことから、相手によってセッターを変更したのでなく、けがか何かで出場できないらしいのだ(後に、足首捻挫で戦線離脱したことを知る。)。ここのところ戦い方が何となくおかしいのはどうやらそのためらしい。

第1セットはひどい有り様だった。サーブレシーブが全くできていない。磐井のトスも不安定である。まるでバーバラのほしいところにボールがこない。だからバーバラが打てない。他の選手に無理にボールを回すことも増える。バーバラの打たないこのチームなど、本当にミツバチ以下だ。当然第1セットは落とした。録画の放送においては、1試合の放送時間が限られている以上、(放送された)最初のセットは生放送のとき以上に重要な意味を持つ。これではどこが相手でも勝てるわけはない、と思われた。

第2セットも、序盤は5対2とリードされた。ところがこのときのタイムアウト以降流れが少しずつ変わる(監督から、あんなに緩いサーブを打つんならダブったほうがいいんや!、と檄を入れられたらしい。)。サーブレシーブが良くなり、トスの精度も良くなって、バーバラが打ちやすいところにトスが上がるようになった。よいトスが上がりバーバラがそれをきちんと決めると、「よしこれでいける、OK!」と心の中で自然と叫び声が上がった。テンションは上がる一方である。少しずつ差を詰めて追いつき、それからは一気に差を広げ、逆に13対7と大きくリードした。ところがこの後サーブからやはりいとも簡単に崩される。連続6失点、それもサイドアウトを含まない純粋の連続失点で同点とされる*。やはりだめか、との思いが頭をよぎる。しかし、この後よく粘り、16対14でこのセットを取る。
* 連続得点と言う場合、その間に失点がなく得点を続けること(つまりサイドアウトがあってもよい)を指す場合と、サイドアウトを含まず純粋に得点が続くことを指す場合とがある。NHK-BS放送で「連続得点」と表示されるのは後者である。

第3セットも続けて15対7で取る。ただし、放送は第3セット全てと第4セットの中盤までがカットされ、第4セットの終盤からになる。第4セットは、ユニチカがサーブからの崩しで息を吹き返し、バーバラの攻撃も拾われ、15対12で落とす。第4セット終盤から放送された時点で、放送の残り時間から予想されたことではあるけれども、いよいよフルセットに突入である。二転三転の展開に、こちらのテンションは最高に達する。監督の話が伝えられた。
「こうなったらバーバラと心中や」
いよいよ決めセリフが出たという感じである。毎試合心中のような気がするのだが。アタック本数のバーバラに対する依存度は、この試合の前までで57パーセント。決定本数に対する依存度はおそらく6割を超えるだろう。

しかし、その頃、まさかの8時閉店を知らされる。最終セット5対4でデンソーがリードしていた場面で、無念のシャットダウンとなる。しかしこのときも勝てるとはまだ思えなかった。サーブレシーブは不安定である。バーバラの攻撃はよく拾われている。そして何より、勝ったほうのチームが取ったセットを多くカットする理由はない。

各チャンネルの先頭を切り、NHKのスポーツニュースが始まるのは9時50分からである。Vリーグの試合結果はその終わり近くで10時40分頃である。それまで約2時間半、言葉で言い表せないような緊張が続いた。そして結果を知る。
よっしゃ!
デンソーが勝ったことを知ったときには、思わず叫び声が出た。なぜここまでhighになっているのか。これがまさに「おかされる」ということなのか。
Vリーグの結果をスポーツニュースで見るときには、手元にVリーグ観戦ガイドを準備しておく。Vリーグの結果は、たいがいのスポーツニュースで、画面のみでわずか数秒である。その間に結果を書き取るため、すでに対戦カードが記入済みのページを開けておくのである。しかしこのときはそれもできなかった。

highの状態はこの夜いっぱい持続する。現在住んでいるアパートは、新聞の配達が遅い。翌朝、5時から6時半の間にかけて、新聞を3度も取りに行き、しかもまだ配達されておらず自分の部屋に戻る。そして、新聞で詳しい得点も知る。最終セットは15対7だった。ラリーポイントで15対7とは、よほどのことがない限りありえない点数である。

この後、highから灰の状態へと移行した私は、不覚にも初の実験遅刻をおかしたのであった。

今回Vリーグは、前回に続く「名門沈没」の色合いが濃くなってきた。2勝5敗でレグ6位、しかも7位の東芝に勝ち星で並ばれている。後で見たデンソー対ユニチカ戦の観戦レポートによると、バーバラの当たり自体はそれほどでもなかったけれども最後はなんとバーバラの3連続ブロックだったとのことである。これは相当な重症である。デンソーにはブロックは基本的にない。バーバラの上さえ抜こうとしなければ、どの選手も身長が低いからすかすか抜けていく。そのチーム相手に、バーバラに3度連続引っかけたというのである。
今回は最下位でも降格はないけれども、危機的な状況にあることは確かである。このチームには、今では日本代表選手もそれほど多くない。しかし、日本女子バレーの黄金時代を支えた両チームの没落は、もはやゼロから再建するしかないことを物語っている。

デンソー3 (7-15, 16-14, 15-7, 12-15, 15-7) 2ユニチカ

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第7戦「光は大きく」(12/23)

この試合もプレーオフ進出を争うチームとの対戦だった。この試合の相手、イトーヨーカドーは、中位4チームの一つでありながら、5試合で4勝し頭一つ抜け出た感があった。昨シーズンの対戦成績が1勝2敗ということもあり、分が悪いと見ていた。しかし、ふたを開けてみればなんとストレート勝ち、それも初戦以上の一方的な勝利である。これでこの相手とは勝ち星で並び、得失セットもひっくり返し3位に浮上した。この3連戦を勝ち越せるとは、願ってもないことである。

デンソー3 (15-6, 15-8, 15-5) 0イトーヨーカドー

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第1レグ総括「道は確固として続く」

最終的には4勝3敗、得失セットが14対11、3位で第1レグを終了となった。全体としては上々の成績である。史上最高の3位に入った前回とも同じペースである。下位2チームに対してはきちんとストレートで勝った。力の差が大きく勝てない相手からも、1セットを拾った。このあたりも非常にうまく切り抜けている。第1レグ、3位〜5位のチームの直接対決は三すくみ、それもいずれもストレートで決着しているので、どのチームにとっても差し引き全くのゼロである。このチームがプレーオフに進出するためにはこのような競り合いを勝ち抜いていかなくてはならない。勝ち星で突き放せるほどの実力は、このチームにはない。それだけに、1セット落とすか落とさないか、1セット取るか取らないかも重要な意味がある。

全体としてみれば非常によい出来だっただけに、惜しまれるのはやはり東洋紡戦(第4戦)のストレート負けである。

ターニングポイントはやはりユニチカ戦(第6戦)であろう。第1セットを非常に悪い流れで取られながら、フルセットに持ち込み、逆転で勝った試合である。前回リーグではフルセットの試合に1勝3敗と、競り合いには強いと言えないチームだっただけに、このような形で勝ったのは非常に大きい。これでそれまで何となくおかしかったチームの雰囲気も良くなったはずである。最終戦を楽に勝ったのも、この勢いがあってのことだろう。

プレーオフ進出を争う他のチームに比べ、このチームは選手層が薄いことは間違いない。特に、このチームは例年第3レグに失速する。初回Vリーグでは、第3レグ途中まで10勝7敗、プレーオフ進出さえ十分可能性のある状況だったにもかかわらず、その後4連敗で7位転落、入れ替え戦にも敗れ屈辱の降格となった。前回も第3レグ最終戦の前まで2勝4敗と苦しみ、最終戦に勝ってかろうじてプレーオフに進出した。
だから第2レグ以降も予断は許されない。しかし、2年連続のプレーオフ進出、そしてその初戦を勝ち抜いての3位に向けて(私は基本的に「バーバラを1試合でも多く見たい」人だから、「プレーオフ進出してしかも初戦に勝つ」のが望みである。もちろん決勝まで進出するのが最高なのだが、2位以上は戦力の差がありすぎるのでほとんど不可能である。)、現在のところ道ははっきりと見えている。

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